灯台守🥸

30代、一児の父親。人生ままならないことだらけだけど、家族を大切に生きていきたい。/自…

灯台守🥸

30代、一児の父親。人生ままならないことだらけだけど、家族を大切に生きていきたい。/自分のキャリアは自然体で。ちょっと堅めのおしごと。

最近の記事

「〈叱る依存〉がとまらない」竹中直人

 筆者は公認心理士・心理療法師。大変読みやすく、集中して読めば2時間で読了できそう。メッセージもかなり明確。  筆者のメッセージは次のとおりです。「叱る」という行為には依存性がある。一方、叱られる側に生ずるのは叱られないための防御反応(fight or flight)でしかなく、望ましい行動の学習を促す効果はほとんどない。したがって、「叱る」ことを徐々に手放さなければ、問題→叱る→防御反応はあるが根本的な解決はせず→また叱る→叱る依存が深まっていく→問題は解決しない…という

    • 「動乱の刑事」堂場瞬一

      「荒野の刑事」に続く、警察大河小説の2作目。  筆者の堂場瞬一は元々読売新聞の記者で、今は古巣の依頼も受けて小説の書き方講座みたいなこともしているらしいです。それに関連したインタビューが先日読売新聞の夕刊に載っていました。曰く、ミステリーにおいて新たなトリックや意外な犯人を描くのはもう難しいと。意外な犯人と銘打つものは、たいてい味方に反人がいて、多くの場合警察官だったりすると。  そんなインタビューを読んだばかりだったので、本書をミステリーとして読んだときには消化不良感が残

      • 「人事ガチャの秘密-配属・異動・昇進のからくり」藤井薫

         pivotに筆者が出演されていたのをきっかけに読んだ本。人事コンサルタントが、主に人事配置について解き明かしたものです。  パーソル総合研究所が(日系)大企業に行った複数回の大規模調査がベースになっているそうで、主な想定読者層は新卒〜入社10年目ぐらいの若手とのことです。人事をやったことがある人や現役管理職・人事部にとっては目新しい内容ではないようですが、私にとっては多くの学びがありました(重要なところはメモしながら読みました。)。特に前半は、大手企業の若手を想定して書い

        • 「生涯投資家」村上世彰

          非常に面白かった!企業財務や投資に関する視点を得られたので、新NISAが始まる前に読んでよかった!インサイダー情報による株式取引として逮捕されたニッポン放送事件の回想をはじめ、筆者が株主として世間の耳目を浴びた事件(東京スタイル事件、ニッポン放送事件など)が多く載っている。それぞれにつき、当時の対象企業の状況や筆者の株式取得・株主提案の意図が説明されており、全盛期(?)を知っている私としては大変興味深く拝読。今は「村上ファンド」は解体し、シンガポールで奥様・4人のお子様と暮ら

        「〈叱る依存〉がとまらない」竹中直人

          「棲月 隠蔽捜査7」今野敏

           隠蔽捜査シリーズ第7作。裏表紙に書いてあるとおり、サイバー犯罪の回で、かつ、竜崎の大森署最後の事件。  とはいっても、サイバー犯罪に関する知識はまったく必要ないくらい事件そのものはあっさり描写されたており、どちらかというとメインは少年がリンチで殺された事件。  まず、警察小説、犯罪小説、ミステリ好きとして言わせてもらうと、話の筋と犯人がちょっとご都合主義に走りすぎではないかと思います。竜崎の推論も「こう考えればしっくりくる」ぐらいのもんで、そういう感想にあっさり説得され

          「棲月 隠蔽捜査7」今野敏

          「焦土の刑事」堂場瞬一

          堂場瞬一さんの作品は「震える牛」しか読んだことがなく、硬い空気感で進むのかなぁと思っていた。  もちろん時代背景や事件は悲惨で、主人公のひとりである海老沢に降りかかる不幸もまた辛いのだけど、全編を通してどこかエネルギーに溢れていて前向きであり、苦もなくスッと読めた。  それは、高峰のまっすぐな正義感と、戦火や組織の理不尽さにやられても立ち上がる強さのおかげだろう。節子との淡い恋模様も清涼剤として読みやすさに貢献している。  それにしても、戦争中に死体はたくさん出ただろうし

          「焦土の刑事」堂場瞬一

          「ナリワイをつくる:人生を盗まれない働き方」伊藤洋志

           専門化した1つの仕事から離れられずに汲々とした生活をするのではなく、アマチュアでも良いから生活や成長の実感を持てる仕事から少額の報酬を得ることを複業やって生活していこうと奨励する本。コロナ禍前に刊行された本だけど、今の副業・複業トレンドに見事にマッチしているように思われます。  御多分に洩れず私も副業に興味があるし、自分が携わっていて実感の持てる仕事をやるべしという筆者の主張にはとても頷けます。ひとつひとつの報酬は少なくてもそれを複数やればいいじゃないというのも、わりと共

          「ナリワイをつくる:人生を盗まれない働き方」伊藤洋志

          「プリテンド・ファーザー」白岩玄

           子育ては自分以外の誰かがやるものという"旧来型男性"を恭平が、子供のケアを得意とする"新型男性"を章吾が代表して、二人が女性の直接的支えなしに同居して子育てする様子を描く小説。筆者は「野ブタ。をプロデュース」の方。どちらかというと"新型男性"の私としては、感想がたくさんありましたよ笑  まず、作品全体の感想で言えば「普通」かな、と。恭平の子育てに対するスタンスに対し、読者は章吾との対比で違和感を持ちながら読み進めていくのでしょう。"旧来型"読者も、恭平が今の時代の価値観か

          「プリテンド・ファーザー」白岩玄

          「炎上CMでよみとくジェンダー論」瀬地山角

           ジェンダー論の入門書を探していたら行き着いた本。いわゆる「せっちー」の本だけど、在学中は他に興味のある講義があったのでこの講義はとらなかった。けど、本書を読み「とっておけば良かったー」と後悔。きっと笑いを意識した講義だろうなと思うし、本書に学生の声が複数登場することからも分かるようにせっちーは双方向で議論を進めるんだろうなと思います。確かに同級生にも評判良かったわ。  書名が「炎上CM」から始まるので広告論なのかな?と思いきや、きちんとジェンダー論入門編といった新書になっ

          「炎上CMでよみとくジェンダー論」瀬地山角

          「軌道−−福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い」松本創

           奥様と妹さんを亡くした遺族である浅野さんの闘いを中心に、JR西とともに福知山線事故がなぜ起こったのかを追及していくノンフィクション。遺族である浅野さんがJR西の歴代社長と向き合い、事故の社会化を通じて、二度と悲惨な事故を繰り返さないようにしようとする試みについては全然知らなかった。  JRの天皇と呼ばれた井手正敬さんのインタビューとか、ヒューマンエラーは原因ではなく結果だという遺族とJRの議論結果とか、大変興味深い。また、福知山線事故に先立つ信楽線の事故などJR西の事故の

          「軌道−−福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い」松本創

          「妻はサバイバー」永田豊隆

          朝日新聞記者が、奥様の精神障害とどのように寄り添ってきたか記したエッセイ。  概要や装丁の雰囲気から、重苦しくて読み進められないことを心配していましたが杞憂でした。さすがは記者さんと言うべきか、文章は読みやすく、また、1ページに収まる文字数も少なめで、スイスイ読めてしまいました。  では、内容が予想よりも軽かったのかというと全くの逆で、まさに「壮絶」のひとこと。  摂食障害→幼少期の虐待判明→治療中に知人男性から性加害→解離性障害→アルコール依存症→旦那さんの適応障害→水

          「妻はサバイバー」永田豊隆

          「父として考える」東浩紀・宮台真司

           批評家の東浩紀さんと、社会学者の宮台真司さんが父親になられてからの考察を対話形式にしてしたためたもの。2010年出版。論壇では時の人であったこともあり、従来からお二人の議論を追っている人には目新しさはないのかもしれないが、私は興味深く拝読。  「大きな政府」ではなく「大きな社会」という相互扶助のネットワークを構築していかないといけない。だけど、絆を構築・維持するには相応のコストが必要で、その覚悟が日本人には希薄。今後は個人のスキルを磨くことよりも、スキルのある誰かと繋がれ

          「父として考える」東浩紀・宮台真司

          「朝日新聞政治部」鮫島浩

           原発事故時、福島第一原発から東電職員が所長命令に反して退避したことを報じたいわゆる「吉田調書」問題の責任を問われ、左遷された末に辞めた元朝日新聞記者による回顧録。  確かに2014年あたりは朝日新聞あたりがゴタゴタしてるな〜とは思っていたし、世間ではそれなりに騒いでいたと思うけど、当時の自分はほとんど関心なかった笑。「え!?慰安婦報道って嘘なの!?やばいじゃん。今までのはなんだったの?」ぐらいは思った記憶。ちなみに、これは「吉田証言」問題らしく、筆者がお辞めになるきっかけ

          「朝日新聞政治部」鮫島浩

          「旅をする木」星野道夫

           キャリアの展望が描けず真っ暗闇の中にいたとき、朝日新聞の安田桂子さんにオススメしていただいた本。自分が読む限り、キャリア論とは関係なく思えるのだけど笑、それでも励ましの意味を込めてオススメいただいたことをありがたく思い、また、自分からは手に取らない類のエッセイなので興味半分で拝読。  表紙を見た妻は「あれ?星野さんじゃん」と。どうやらとても有名な写真家で、その写真は小学校の国語の教科書にも載っているんだとか。これまで出会わなかった自分を呪う。教養として知っておくべきだよね、

          「旅をする木」星野道夫

          入れると出すのバランス

          毎日忙しく過ぎていく中で、家事も育児も仕事もしていない時間に何するか 通勤時間やお風呂がそれに当たるわけだけど、目や手はやっぱりふさがってる そうすると、ポッドキャストを耳から流し込むってのが定着してくるわけだけど、 流し込んでるだけだと、自分から発信したり作り出したりするチカラが衰えちゃう そんな不安にかられること、ありませんか?私はそんな気持ちからnote始めました 全然書いてないけどな笑

          入れると出すのバランス

          note、どう使うか

          皆さんお使いのnote、遅ればせながら自分も参戦してみようと思います。 何を書こうか。 ・読書記録 ・家事や育児の記録 ・政府公開資料への感想 このあたりを予定しています。 さて、どれくらい続くだろうか…

          note、どう使うか