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羊を巡る外出

■はじめに
友人が「Lamb」クソつまらん、とTwitterで呟いていた。
奇しくも僕が次の日見ようと思っていた映画だ。
そんなにつまらないのなら是非見てみたいと思った。
今年は劇場で見た映画を悉く外していたので
もうつまらない映画はバンバン引いてやるぞ、という心持ちだった。
そして、どうせなら羊づいた1日にしようと思った。
羊で思い付いたものをバンバンやってこう。
とは言え朝一で見ることにしたので
まずは布団に入って寝ることが最優先だった。

■羊を数える
しかし寝れない。
時刻は0時を10分程回ったところだった。
寝れない理由は明白だ。
昨日15時間近く眠っていたからだ。
ショートスリーパーならばゆうに三日分くらいの
睡眠時間に相当するだろう。
とにかく頭が覚醒している。
寝れないので羊を数えてみたけれど
100くらい数えたところで、面倒臭くなってやめた。
そもそもこんなんで寝れた試しがない。
ちなみになんで眠るために羊を数えるかと言うと
英語ではSheepとSleepの発音が似ているから
自己暗示をかけるためのものらしい。
んじゃ日本語で羊を数えたって全く意味ないじゃんか。
日本語で正しく行うとするならば、なんだろう。
「ねるねるね〜るね」とかどうだろう。
「寝る」って一気に三回も唱えられるじゃんね。
自己暗示効果バッチリ間違いなし。
試しに目を閉じて頭の中で一回「ねるねるね〜るね」と唱えてみた。
あのファンキーな魔女のおばあちゃんと共にテーレッテレーという楽しげな効果音のCMが再生され笑いが込み上げてきた。
寝るどころの騒ぎじゃない。ナシ。これはもう、明らかにナシ。
ちなみにあのファンキーな魔女のおばあちゃんの女優さんはちょっと前に亡くなられているらしい。
ご冥福をお祈りします。
とは言え僕はいつまで経っても眠れない。
こういう時はもう力技だ。
外を走ってこよう。

■Cult of the lamb
外を走ってきた。1時間くらい。
正確に言うと、
10分くらいでもう体力の限界を感じたので
残りの50分は世の中の理不尽さにぶつくさ言いながら歩いてた。完全に不審者だ。
そして眠気は全く来ない。
僕の脳ミソはどうにも頑固らしく
一度眠らないと決めたらなかなか寝付いてくれないのだ。
僕はギターを弾いたりすることがたまにあるが
流石に丑三つ時にアコースティックギターをギャンギャン掻き鳴らすほどの反社会性は持ち合わせていない。
普段眠れない時は決まってゲームをプレイする。
今丁度継続的にプレイしていたタイトルをクリアした状態だったので
なんならもう新しいタイトルを買おうと思った。
あ、丁度良いゲームあるじゃん、
とCult of the lamb をストアでポチった。
ダウンロードも10分くらいで終わり、
2時間くらいプレイした。
どういうゲームかと言うと
主人公の羊が悪魔と契約してカルト教団を設立し
信者を増やし教義を定め異教徒や異教の司祭をブッ殺していくというゲームだ。
ハードな内容に対してポップな絵柄のギャップと快適な操作感がなんだかクセになる。
このゲームのちゃんとしたレビューは
後日改めて書くかもしれません。

■Lamb of god
まともに寝られぬうちに、朝が来た。
もう一睡もせずに出かけることにした。
日曜日の朝7時くらいの駅は、思ったよりも人が多いな、と思った。
映画館に着くまで、ずっとlamb of godを聞いていた。
7日に新譜がリリースされたばかりだった。
お誂え向きと言う他なかった。
Lamb of godのギターリフはどの曲もカッコ良くて
まるで脳ミソがマッサージを受けてるかのように
気持ちが良いなぁ、と思った。

■Lamb
そういうワケで朝一の新宿ピカデリーで
見てきた。
結果、凄い面白かった。
ざっと所感を並べてく。

・トレイラーやあらすじではスッゴいホラーな
カンジを押し出していたけれど
全くホラーではありませんでした。

・見終わったあとの余韻はホラーというよりも、なんか神話とかお伽噺とかそんなものに触れた時のそれに良く似ていると思う。

・演出がとてもしっかりしていて
最低限のセリフ、シーンや映像で
主人公夫婦周辺の設定を丁寧に説明しているな、と思った。
ちゃんと作ってある無駄のない映画ですよこれは。

・アイスランドの雄大で広大な大自然をバックに
先の見えない物語が進んでいく不気味さがとても心地良かった。

・ストーリーは三部構成
一部→ややぼかしてお話を展開
二部→一部のぼかしてあるところを色々説明&お話進行
三部→急展開&結末

・映像も独特で、何でもないようなシーンも画面を見ていて全然飽きなかった。

・羊と犬と猫が可愛い。アダちゃんが可愛い。

・最後に出て来たアイツはまあ唐突だったけれども
でもこれは神話なので。

・子羊がそもそもキリスト教的な意味合いがあるけれど
最後のアイツはスッゴいアニミズム的というか
大自然の不気味なもののメタファーでもあるというか
まあそういうの色々混ぜ合わせて出来た神話なんじゃないのかな。
そこらへんはなんか詳しい人の解説見てください。

・ちなみに最初の方でアイツが出てくることが示唆されていたらしいので
それを確認するためにもう一回くらい見るのはアリかな、と思った。

■松尾ジンギスカン
映画を見終わったあとに行ってきた。
お肉に味がちゃんと染みていて
めっちゃ美味しかった。
これは愛好家がいるのも分かるわ。

■羊羹
帰り道コンビニで羊羹を買って食べた。

■まとめ
そういうワケで
Lambを見に行くので羊づいた1日にしてみた。
以外と羊要素を捻出出来て良かった。
映画はとても面白かったし
何より美しい作品だな、と感じました。
(あ、「美」は「羊」に「大」と書くな…)
ただ意見が真っ二つに分かれるのも、分かる。
見る人は選ぶけれど、興味あるなら見といた方がいい、という薦め方を多分人にはする。
でも何か作ってる系の人は色々考えられるので
見て損はないと思うよ。
良かったら是非。


このポスターもなんだか宗教画っぽくて、
色々含みがあるのかな。

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