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『鐵假面』について【演劇感想】

演劇『鐵假面』を鑑賞しましたので、その感想をメモしたいと思います。(演劇そのものの感想とゆうよりも観劇当時の様子などが主なもので、ご勘弁を) 好きな創作物(13)
※扉絵:演劇の様子を記憶からラフ・スケッチしたものです(描き:鈴原ジータ)

鐵假面

原作:唐十郎、舞台監督・照明:齋藤亮介、舞台美術:鎌田朋子、衣裳:林麻子、企画制作:岡島哲也(合同会社ヨルノハテ)、椎野裕美子、主催:劇団唐ゼミ☆/センターフィールドカンパニー合同会社
(演者)千羽スイ子:津内口 淑香、暁テル子:林 麻子、タタミ屋:丸山 雄也、おしろい婆ァ:赤松 怜音、公園課職員:松本 一歩、味代:丸山正吾、叔父:佐野 眞一

公園場所:大通公園(横浜) 公演期間:令和6年3月中頃

あらすじ
夜半の公園にあるトイレの落書「有志来たれ!少年王国」の文字に誘われて現れる若い男「タタミ屋」。彼は行方不明となっていた叔父を捜索していたが、そこに、何ものからか逃亡してきた姉妹スイ子とテル子、そして素性も怪しき面々との邂逅によって、現実とも幻影とも知れない事象に巻き込まれて行く。

劇場入り口付近(仮設テント)


 
劇場の雰囲気
劇場は大通公園内に設けられた仮説テント。いかにも「芝居小屋」(とゆうより古風で妖しい「見世物小屋」)の風情がありました。

舞台は中央に模造されたトイレの大道具の他は鉄筋の骨組みだけで、囲いがなく、つまり舞台の背景は吹き抜けになっていて、実際の公園や町の風景がそのまま舞台の背景になっているようにみえるところが面白いです。

公演中、舞台の大道具の向こう側では、演劇に無関係なサラリーマンなどが通りすぎており、ときおり演劇の声に気づいてこちらに(観客側)に向かって覗き込んだり、不思議そうに眺めたりする姿が、まるで演出のひとつのようでけっこう面白い。

舞台撮影(公衆トイレの大道具:劇場近くに本物の公衆トイレがあり、同じ構造なので、それが面白かった(ギャグみたいで))。


『鐵假面』(唐ゼミ)から:記憶によるラフスケッチ(鈴原ジータ)


感想

とても面白かったです。
『ジャガーの眼』を連想される、いかにも唐十郎作品でした。(すべて、過去のアーカイブ(動画)でしか観たことなく、今回、生の演劇は初めて)

「少年王者」、少年向き小説の「鐵假面」、あるいは「千日デパート火災」などの様々な昭和的モチーフ(二昔ほど前)が散りばめられていて、わたしの眼からは斬新でした(今や「昭和」はSFの世界)。

目まぐるしい展開と、ジョークなのか本気なのかわからない怒濤のような台詞回しに圧倒されました。

半分悪ふざけだが半分は本気、そんなギャグとシリアスストーリーがない交ぜになったような作品でした。

寒かった…
時期は3月中ごろで、夕刻はかなり寒く、後半は少しそれで観劇が落ち着かないところもありました。
それで公園前に演者やスタッフさんたちが、使い捨てカイロなど配っており、それをもみもみしながらの観劇でした。終劇後は簡単な俳優紹介でさっと終わってくれたので、助かりました(たぶん配慮されて)。

場内はビール瓶箱のうえにクッションが置いてある座席が並べられ、そこにちょこんと座る感じで、いかにも見世物小屋風味があり良かったです(が、寒かった)。

周囲のお客さんはご年配の方が多く、しかも、スタッフと仲良く談笑する姿もあり、昔からのファンの方が多いのかなと思われました。


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