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久しぶりのモラ夫登場

旦那がどうもイライラしている。いや、イライラを通り越して、またモラハラ旦那、言葉のDVパパになってしまった。
娘にもちょっとしたことで『いい加減にしろ、殴るぞテメェ』とカフェで言った時にはどうしようかと思った。可愛くて仕方のない娘にですらそんなだから、10歳になる息子にはもっとすごい。
いつからそうなってしまったかというと、葬儀から新幹線で帰ってきた後、その兆候は少しずつ出てきていて、疲れているだけだろう、仕事で忙しいのに有給をいっぱい取らせてくれてありがとう、と思ってはいたのだけれど、私もどうしようもなくて、ただでさえ子供達が散らかしているのに日に日に部屋が汚部屋に見えてきて(私が神経質なところがあって、物事が片付かないと家中が汚く見えてしまう。虫なんていないのに、虫だらけな夢を見てしまう)どうしたらいいの、手が回らないと苦しくなってきていたその矢先だった。家族みんな休みの三連休の二日日、朝からドカンドカンドカンと旦那が当たり散らし始めた。いや、旦那も疲れているのだ。今回お金もたくさん遣わせてしまった。(人が死んでいるのだから、しかもそれが私の父なのだから、この思考がそもそもおかしいんだけど)さらに、ここのところ息子は嘘をついてまで勉強をしなかったり、それだって落ち着いて考えれば笑える話なのに、まともに受け取ってどっかーーーんと私もだがぶつかってしまった。そもそも子供なんて、親に嘘ついてナンボだ。私だって散々ついてきた。なのに、自分が嘘をつかれると如何にもこうにも許せなくなる。タチの悪いことに、旦那は息子を元々【支配】したがる妙な癖がある。「テレビを見る前に報告しろ、パソコンを触る前に報告しろ、」と口酸っぱく言う。そんな報告、むしろキモいな〜なんて思っていたので知らんぷりしていたら、それも面白くなかったらしい。
猫背であること、息子が言うこと聞かないこと、部屋が汚いこと、乾いた洗濯物がソファの上にあること、『全部お前のせいだー!』と怒鳴られた。『だらしない女!』と罵られる。
旦那は子供が部屋でゴロゴロするのを嫌がる。猫背であることも寝っ転がって本を読むことも、ソファに寄りかかることも、勉強で姿勢が悪くなっていることも酸っぱく言う。なのに、自分は部屋でゴロゴロする、ソファで漫画を読み、なんならベッドで寝っ転がって漫画を読んでいる。私は黙っていたのだが、そのことに息子は気がついていた。ベッドサイドに漫画が置きっぱなしだったからか?と思っていたら、息子が覗いたらそうしていたらしい。バレバレでアホらしくなる。
ちなみに私は家の中で【だらしない】のはアリだと思っている。家の中まで緊張してどうする、だ。しかし片付いていないのは嫌だ。だからその原因は取り除きたいし、導線から見直したいと思う人間である。片付けするのに、面倒くさいは省きたい。いくつもあって片付かないのであれば捨てるべきだし、ソファに寄りかかることが問題ならそのソファがあるから寄りかかるわけで、捨てればいいと本気で思っている。それを息子に怒るのは間違っていると思う。
と沸々していたら、なんと私の味覚がなくなってしまった。食べることが大好きなのに。玄米を食べていたら甘みを感じるし、美味しいと思っていたので、そんなことになっているとは気がつかず、焼きそばを作ってお昼に出したら、味がしない。
あれ?薄い?と慌てると、『ママの料理なのに、むしろ濃い』とすら言われてしまった。そう、調味料の味がわからなくなってしまったのだ。
それがあったからか、機嫌の悪い中旦那が翌日は炒飯を作ってくれたのだが、文句言いながら作っているのだ。ぶつぶつ切りながら、炒めながら呪文のようにぶつぶつぶつぶつと。聞きたくないのに耳に入ってくる。そんな呪文のかかった炒飯を食べるのが正直嫌だけれどブチギレられるのも嫌で食べたが・・。結局愛しの娘が残したもんだから、どっかーん。その合間にも相変わらずぶつぶつぶつぶつ。『言いたいことがあるならはっきり言えば?』と言ってもぶつぶつぶつぶつ。そして聞こえよがしに『だらしない』だの『くそ』だの『最低』だの言っている。息子にもボロクソに言って、息子は友達の家に逃げて行った。逃げるところがあって良かったと思う。娘はへこたれない精神でひとり遊びをしたり、パパにかまってとなんとかしていたが、突然パパが出かけてしまって『パパ、帰ってくる?』と不安になってしまった。私にはどこに行ったのかわからないけれど、帰ってくるだろうしと、それを宥め、やがて髪を切ってきた旦那が帰ってきてホッとする。しかし旦那はまだ機嫌が悪い。機嫌が悪いことを気にしないことにしたが、それでもなんだか機嫌を取っているような気がしてきて、そんなこんなでみんながへとへとなその日の夜は外で食べよう、と。いやもう、味覚もないし家がいい・・と言ったのだけれど、誰も聞く耳持たず、まあ作るのもしんどいからいいか、と思い直して外食に賛成した。でもしんどいから焼肉はやめて、と言っていたのだが、なぜか旦那が外に出たら焼肉屋に突進。なので、入り口でバイバイしたら、『ふざけんなテメェえええええ』と旦那の遠吠えが。またこの人怒鳴ってる、と恐怖に慄きながら、でももう私の足は止まらない。あんな怒ってる人のところに戻るのは無理、と一人一目散に家に帰り、味覚ないくせに無性にビールが飲みたかったからプシュッとやって冷蔵庫にあった作り置きや残り物ですませ、一息ついた。体が冷え切っていたので、いつもなら最後風呂でゆっくりなのだがいないことをいいことに一番風呂でゆっくりし、みんなが帰ってくると何か言われる前にと寝支度し、早々に私もベッドに入っていると、娘を寝かしつけしてくれた旦那が起きてきて、また怒鳴ってる。寝たふりを決め込んだが、旦那の足音があまりにもドタドタで歩き回っていて、昔読んだ、外国のアドベンチャー小説で捕まったら殺されるから逃げ惑っている主人公な気分さえしてくる。そう、確かあれは主人公が読んでいた小説の中に飛び込んでしまう話だった。救いようのない話に読むのがくたびれた記憶がある。最後がどうなったのかも思い出せないが、逃げ惑うシーンが強烈で蘇ってくる。しかもこの感情も、旦那に対して、『またか』であり、ずっとこのところ人が変わったかのように優しい旦那だったから、こうなってしまうとしんどい以外何者でもない。
で、翌朝、ここで私がぷつんと離婚なら離婚でいいやと我慢できなくなって、仕事への道すがら長文のLINEを旦那に送りつけた。夕方まで既読はつかなかったが、どうやら伝わったのか、少しやりすぎたと自覚があるのか、不貞腐れながらもその日の夜はほとんど会話もないとはいえど特に文句言われることなく終わる。ところが私は我慢の蓋を開けてしまったのもあり、寝ようとベッドに潜り込んだところで涙が止まらなくなってしまった。旦那は初めは聞こえない気がつかないふりをして背を向けて寝ていたが、心配になったらしい。私の手がぶつかるとその手を朝まで握って寝てくれた。ことばなしの仲直りである。
その翌日もぎこちないものの、ぶつぶつ言うことも発狂することもなく穏やかに過ごしている。夜には洗濯を手伝ってくれたり、別人である。
私が言いたいことを言わないで我慢していたせいなのだろうか。また優しい夫になってくれたのは嬉しいけれど、見境なくキレられたりぶつぶつと呪文を唱えている人の近くにいるのは本当にしんどい。


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