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私がKindle小説を250円で売る理由


 初めに申しますと、特に大した話はしませんので、期待して訪問された方には本当に申し訳ありません。



 ここにいる方の中で、自身の作品をKindleで出版されたことのある方は結構いらっしゃると思います。

 私もその一人です。

 初めての出版。その際いろいろ調べたのですが、一番悩んだのが価格設定でした。そこでよく見かけた言葉が、

『読者に買ってほしければ価格を99円に設定するべき』

です。確かにそうだと思います。けれど私は小説を基本250円で販売しています。おかげで売れません。でも良いのです。ではなぜ私は99円で売らないのか。その理由を述べましょう。



①そもそも99円でも売れない


 はい、上記の通りです。それ以上でもそれ以下でもありません。

 ということで、「そもそも最低価格でも売れないのだから、少し上げたところでなんの支障もないだろう」っていう開き直りです。



②労力の対価


 本1冊の価格は、本1冊にかけた労力に対する対価です。労力とは『時間』。構想を練った時間、執筆した時間、行き詰まって悩んだ時間、さらにより良くしようと見直した時間、表紙や挿絵の作成時間、仕上げの時間などなど。それら制作に費やした時間を分かり易い形で見える化したものが、価格。

 なので、できるだけ99円では販売していません。



③本の価値


 ②と似ていますが、これは労力とはまた異なる価値のこと。

 本の価値を決めるのは読者ですが、だからと言って読者だけではないと思います。価値を決めるのは作者も同じ。つまり、作者が自分の本を99円と決めた時点で、作者にとってその本の価値は99円相当になるということ。

 自分で創り出した世界に最低価格をつけるのですからね。それ相応の理由がないと。

 私が出版しているファンタジー小説も、全4巻ありますが、最初の1巻は99円設定にしています。それは次の2巻に繋げるため。2巻も今はキャンペーンの関係で同じ価格になっていますが、時期が来たら元の250円に戻します。

 本当は1巻も揃えたいんですけどね。誰に失礼って、物語と登場人物達に失礼。……難しいところです。



④『見る』人のためではなく、『読む』人のために



 普通に考えて、どこの誰が書いたかも分からない本を250円も出して買う人なんてほとんどいませんよね?

 ということは、もしこの価格で買ってくださった方がいたとすれば、その方は間違いなく『真の読者』でしょう。『作品を見る』方でなく、『物語を読む』方。

 私は見てほしいわけじゃないんです、読んでほしいんです。そして相手は【その他大勢】ではなく、たった一人いるかいないかも分からない【あなた】。

 だからこそ、出逢いは貴重です。





 ……と、グダグダといろいろ並べましたが、要は『今後も私が世に出す作品は250円で売ります』ということです。

 まぁ、この250円も、ロイヤリティ70%の最低価格なんですけどね。





 そしてもう1つ、これは『自分の物語を出版するかしないかで悩んでいる』方へ贈ります。これは執筆者側としての言葉ではなく、読者側の言葉。

 もう今は商業出版だとか、自費出版だとか、その枠では語れなくなっています。自分が本当に読みたい物語を追求する時、枠にこだわっては最早見つけることができません。

 だから可能性を広げたい。きっと【輝くもの】は枠にはまらない、自由な存在だと思っているので。

 



 最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。



【文章】=【異次元の世界】。どうかあなた様にピッタリの世界が見つかりますように……。