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「あったら助かる」はビジネスにならない。ビジネス初心者が見逃しがちな基本の問い

自分自身でサービスを作っていた経験や、立場上様々な方から相談を受けた経験から商品化を考えるときに陥りやすい罠があるので、その点についてまとめたいと思います。


あったら助かる、便利、いいの罠

ビジネスや生活の経験を通じて、こんなのがあったら「助かる!」「便利!」「いいのに!」と思うことってたくさんありますよね。多くの場合はそのまま何もせずに忘れていってしまいますが、まれにこれは素晴らしい発見をしたと「思い込んで」、何個かステップを飛ばしてそのアイデアで起業をしてしまったり、新商品を実際に作ってしまったりしたというのを見てきました。そしてそのほとんどは日の目を見ないまま終わり、その後はお金の面でとても苦労をしているということになっています。

なぜ、「助かる!」「便利!」「いいのに!」だと失敗をしてしまうことが多いのでしょうか?その罠について考えていきます。

「不便は発明の母」を取り違えてしまう

このような商品を出されている方から相談をされると、よく耳にするのが「不便は発明の母、だからこれだと思ったのになかなか売れないんです」という話です。今このnoteを読んでいる方は冷静なので、「助かる!」「便利!」「いいのに!」は、「不便」ではないじゃんと受け止められますが、当事者はテンションが上がっているので同じものだと捉えているか、後付けの言い訳的に使っています。

「不便」は困っているからビジネスになる可能性があります。でも「便利になる」は現時点で困りごとではないのでビジネスになりません。よく言われる言葉として「人は得することより、損(痛み)を避けるために行動をする」というものがあります。

アイデアを商品にするための避けてはダメな問い

良いアイデアが浮かんだらテンションが上がって、視野が狭くなってしまう気持ちはわかります。特にビジネス経験が浅かったり、新規事業の立ち上げ経験がないと突っ走りやすかったりします。「アイデアより行動」という言葉を都合の良い解釈をして進みまくります。

そんな状態の人は長い説得はなかなか耳に入りません。そこで良い問いがあります。
「それは、いくら払ってもらえるの?」
というものです。

相談を受けた際に「良いものと、お金を払ってもよいものは別!」と真っ先に伝えます。その商品(サービス)がどちらかを一緒に紐解きます。
そして
「いくら払ってもらえるの?」
この質問で
・ターゲット像
・価格設定
・原価
・ロジスティック(供給方法)
の話に展開されます。ほとんどのアイデアはここで勢いをなくしていきます。

飛ばしてはいけない商品化のステップ

キングコングの西野さんは
「浮かぶアイデアのほとんどはその前に多くの人が思い浮かんでいる。それが商品(サービス)として日の目をみていないのは理由がある」
という意味の内容をよくvoicyで言っているのを覚えています。

もしかしたら実は本当に良いアイデアかもしれませんが、ほとんどの場合本人が「良いアイデア」と思ったら本来冷静にすべきステップをパスして進めてしまいます。

・課題そのものの信ぴょう性
・課題→解決策にロジック破綻がないか
・市場調査(直接営業でのテストマーケや最近ならクラウドファンディングなど)
・売れる価格調査
・顧客がどこにいるか?
・供給方法(および対象顧客と供給方法の相性)
・受け手のリテラシー
・キャッシュフロー

などは最低限わかって、成立していなかったらコストをかけられません。そこからスタートでよいです。

バカにしてはいけない熱

その際にインターネットで調べただけの一般的な回答ではなく、あなたの考えたアイデアを実現するために掛かる現実的な数字や情報を汗をかいて調べることが大切です。これが面倒になってしまうレベルの熱では、事業化には向いていません。これから待ち受ける壁を乗り越えることはできません。

ビジネスとして成立するとなっても、そこから注文を受ける、供給をするというワクワクが待っていますが、それだけではありません。想定をしていないクレームを受ける、諸々対応をする、数字管理するなど「ワクワクしない作業」は山のように待っています。

そこで萎んでいる場合ではなく、走りはじめたら、なかなか止まることはできません。(あるタイミングでは損切はしなければなりませんが、強い意思決定が必要です)

ビジネスを始めるのは賛成です。でも待っていれば仕事が来るものでもないですし、座っていてお金が入るものでもないです。自分から動くという風にギアチェンジなのか生まれ変わりなのかをしなければ、苦しい思いをするばかりです。

木下斉さんは「怒りを起点に」とおっしゃっていましたが、やはり強いエネルギーをもとにしないと続きません。

行動をつづけることが、きっとその強いエネルギーの素を生み出すことにつながるのでまずは行動、行動、行動で行きましょう!

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