見出し画像

私が考える「エンジニアの作文力」について - 仕事とキャリア形成に約立つかもしれない言語化のコツと訓練

仕事もプライベートもずっと「何かしらのコードを書くか、何かしらのドキュメントを書くか」のどちらかをしている人です。

ポッドキャスト(September call-up / shinyorke’s voiceっていうチャンネルをやってます、聴いてやってください笑)の収録ネタを考えていた所、

アウトプットをいい感じにやっていくと、仕事のクオリティにもキャリア形成(≒転職とか給料を上げる的な)のどっちにも効くやで!(ブログに限らず)
出典・自分の思いつき

的な話がやりたくなった→これ、喋る前にまず言語化しようか?と思い立ち、久しぶりにnoteの編集画面を開いた次第です。

過去にこのnoteや他所のブログで「ブログを書くことはいいことだし大事だぞ!」っていうお気持ち、ノウハウをいくつか書いてきました。

どれも良い反響・良い学びがあり大変満足しているのですが、

  • どのアウトプットも技術ブログに関する言及・ノウハウ・お気持ちに関するコンテンツだった。

  • エンジニアのアウトプットって技術ブログだけでなく、「登壇」「ポッドキャスト」「動画」など、めっちゃたくさんあるのでこれらの役に立つノウハウを書いてもよいのではなかろうか?

  • どのようなアウトプットにせよ、作文力とか言語化が大事。ポッドキャストや動画は一見すると関係無さそうだが、企画を立てる・台本を書くだろうし(つまり作文が発生する)、100%アドリブであったとしても「伝える言葉」の意識は非常に重要。

  • 実はこの作文力と言語化、仕事上のアウトプット(設計ドキュメント・メール・Slackとかチャットのやり取りetc…)および、我が身のキャリア形成(に関する営み)にも非常に有効。

というのに気が付きました、いやもしかすると潜在的に気がついていたかもですが、言語化できてなかったというか。

「根っことなる技術スキル(まずこれが一番大事)と共に言語化・作文をする力を鍛える訓練はしたほうがいいぞ!それでコツも学べるぞ!!!」
ある日思い浮かんだ私の思いつきと経験談

そんな話をつらつらと書きたいと思います、どうぞお付き合いください。

言語化・作文力をつけるコツ #とは

自分が思っているコツを3つほど。

  • とにかく呟く・メモる

  • とにかく作って公開する

  • レビューはほどほどに(半分くらい聞かない)

普段から呟き(メモり)、思いついたらサクッと作って公開(レビューはほどほどに)。

即興でサクッとやれるような感じにするのがコツだと自分は思っていて、これを実践しています。

とにかく呟く・メモる

雑でいいから一人で呟く(メモる)。

思ってること・独り言を、

  • Slackなどのチャットの自分宛てDM

  • 人に見られてOKならtimesチャンネルとか

  • その他、慣れているメモ道具なら何でも(手書きでもいい)

ここにひたすら書く。雑でOK、誤字脱字も気にしない、まとまっていなくてもOK。

実は昨年、「ミーティング・メモ(議事録)をいい感じに取る技術」的なブログを書いたのですが、ここでもいの一番に紹介させてもらいました。

ミーティング中のメモの基本中の基本として,

誤字脱字は気にしなくていいので, ひたすらメモを取る!

だと信じています, ミーティング中の発言・議論はフロー情報(≒時系列で流れる)モノなので記録が大事です.
エンジニアのための「ミーティング・メモ」入門 - クラウドサービスとVSCodeを添えて

ミーティング中の発言同様、アウトプットのネタ・思いつきもフロー情報なので、雑でいいからとにかく記録すると良いでしょう。

なお私は最近Slack, timesチャンネルに加えてNotionもメモ道具として活用しています(Notionになぐり書きメモページがあったりします)。

とにかく作って公開する

つぶやき・メモを眺めて思いついたらサクッと作って公開、さっさと見るべき人に見てもらう。

(言い古されている言葉ですが)Done is better than perfect, めちゃくちゃ大事です、ちなみにこれは個人開発(趣味でのエンジニアリング)と非常に似ています(参考ブログ)。

私はブログもポッドキャストも、そして今書いてるこのnoteも、やることまとまったら即公開しています。

何故かと言うと、早く観て欲しいし反響も欲しいからです、ゼロ反響であったとしても(ゼロ・リアクションも一つの学びだったりします)。

一番いけないのは「下書きにストックしたまま日の目を見ること無く風化してしまう」ことです、掛けてきた時間と労力が何も報われません。

仕事にせよ、個人のアウトプットにせよ、最低限のレビューが済んだらサクッと出しちゃいましょう。

レビューはほどほどに

これは主に仕事のアウトプット、設計ドキュメントや会社の技術ブログにありがちなやつです。

つまらないレビューと意見には耳を貸さない、重要なレビューにしっかりと耳と目を向ける。

作文や言語という意味で、「つまらないレビュー」と「重要なレビュー」は明確に分けられると私は思っています。

具体例はこんな感じです。

  • 重要なレビュー(基本的に人が見るべき)

    • 直感的な感想を伝える。「面白い!」「いいね!」とか(ネガティブな感想も含む)。

    • テーマと全体的なサマリー・構成。所謂「ストーリー」と呼ばれるもの。

    • テンプレート、スライドのテーマ等、組織(会社)で決まっている書式チェック。

    • 著作権・肖像権ほか、イリーガルなチェック。

    • その他、機械的なチェックでは拾えない文法・内容チェック。

  • つまらないレビュー(人が見るべきではない or 無視すべき意見)

    • 誤字脱字、テニヲハ、助詞等の「日本語の文法的なチェック」

    • 他の人・他の会社など、「他所様と比べたレベル感・感想」

    • テーマ・全体的なサマリー・構成とは関係ない、漠然とした個人の感想

まず、これは声を大にして言いたい。

「日本語の文法的なチェック」は文章を校正・レビューしてくれるツール・サービスを使いましょう!例えばShodoとか。

ちなみにShodo以外のサービスでも全然いいですが、私は気に入ってるのでShodoを使っています(&技術ブログのレビューで採用している例もちらほら見ます)。

「レビューお願いします!」と言われたとき、まずは言葉尻のチェックからやってしまう人が多いのですが、誤字脱字・助詞・テニヲハのほとんどの部分は機械的に見られるモノです。

この記事、エンジニア向けに書いてるのでエンジニアっぽい言い回しをすると、

formatterとかlinter, type checkがやってくれるコードチェックをわざわざプルリクレビューで見ますか?これは人様の言語だって同じ。
私の心の声

今どきのプログラミング言語は(組み込み・サードパーティ関係なく)formatter, linter, type checkが充実していますが、これは文章校正も同じです。

レビューをしてくださるのはありがたいし、気持ちは大切にすべきなのですが、機械で出来ちゃうことをわざわざ人がやるべきじゃないですし、生産性という観点でも良いことではありません。

また、他社さんや他の方のアウトプットとの比較についてもやるべきではないと思っています、書いている本人が明確に目標として目指している場合は良いのですが、他者(レビューをする人)がどうこう言うことか?という観点では微妙です、そういう意見は聞き流してOKです(公開をやる際の障害でしか無い可能性があるため)。

耳を貸すべきレビューは、

  • 率直な意見感想。これはポジティブな感想もネガティブな感想も両方。

  • 肖像権・著作権といったイリーガルなチェック。引用とかもですが、翻訳記事は特に注意が必要(無断でやってないか?とか)。

  • 会社・組織の所定フォーマットだったり、スライドテーマ等が決まってる場合はそのチェックも。ただしこれも機械的にやれる仕組みがある場合は人が見る箇所は少ない。

機械的には処理できない、温もりを感じるべき箇所・議論すべき箇所を集中してやってもらって、無視すべきものはスルーしましょう(校正チェックは機械的にやりましょう)。

やるべき習慣と訓練

言語化・作文力をつけるコツ(と考え方・振る舞い)はこんな感じですが、これを身につけるために習慣化・訓練した方がいいことを紹介します。

【習慣】ひたすら本数を稼ぐ、ガンガン公開する

とにかく作って公開する、本数を出す。

文章が上手かったり、動画・話が上手かったりする方だといきなり結果が出ることもあると思うのですが(ラッキーパンチというやつです)、大抵の場合そんなに簡単にうまく行かないです。

言語化・作文力を付ける意味では「再現性をもたせるまで場数を稼ぐ」ことが大事かなと。

【習慣】ネガティブな意見はスルー

ネガティブなコメント・反応は見ない。

やる気が削がれたり、気持ちが落ちそうなコメント・メッセージから遠ざかっていいと思います。

ただし、イリーガルな観点でのコメントは見逃しちゃ駄目です(何かしらの違反がある場合など)

【訓練】ロールモデルを意識する(パクリは駄目)

参考にしているメディアや個人チャンネル(ブログ)、憧れているロールモデルを意識してアウトプットしてみる。

憧れ、めっちゃ重要です。私もブログを始めた当初はいくつかの強い人のブログを参考にしていました、今は登壇資料や話をする際のストーリー作成・雰囲気作りで好きなお笑い芸人だったり漫才だったりをめっちゃ意識しています(作り方とかの動画をみて勉強しています)。

ただし、パクリは絶対ダメです!

特に思いっきり著作・肖像で引っかかるやつは言語道断です。

もっと読まれたい・質を上げたい場合は

業務でいい感じのクオリティの文章を書けたら株が上がると思いますし、何よりももうすぐアドベントカレンダーというブログを書き続けるお祭りもあります、「もっと読まれるブログにしたい」と思うこともあるでしょう。

その時に役立つことを2つ紹介します。

SEOを学ぶ・実践する

SEOを学んで、覚えたことから少しずつ実践してみる。

SEOがすべてではないですが、SEOのノウハウを活かすと読みやすい文章になるのは事実としてあります。

  • 検索・インデックスされやすいタイトルは人様が見ても自然に良いタイトルだったりします。

  • 刺さる要約・Descriptionは人様から見ても、「面白そう、続きを読むかな?」という動機に繋がります。

  • metaタグの内容を考えたり、OGPやサムネイルにこだわることは「1stビューの完成度」に寄与すると同時に人の目にも写りやすくなります。

この観点でめっちゃ大事。

人の文章をレビューする

人の文章、特に良い文章・作文をする人のレビューに参加してみる。

上手い人のテクニックや書き方、ノウハウの吸収もあるのですが、

  • レビューする時に見るべき視点を学べる。先程挙げた「重要なレビュー」「つまらないレビュー」の違いに気がつく

  • コンテンツが完成する工程を見ることで良いやり方・視点に気がつく。見たものはそのまま自分のノウハウにできる

エンジニアリング・プログラミングでも、「モブプログラミング」「ペアプログラミング」といった、「一つの工程を複数人でやってナレッジを共有したり学びを得る」営みがあると思うのですが、これは文章も同じです、レビューしたり、何だったらモブプロやペアプロ的に書いたっていいと思います。

結び - ガンガンアウトプットを出そう!

最後に、このnoteのタイトルの副題

仕事とキャリア形成に約立つかもしれない言語化のコツと訓練

これですが、

  • 仕事という観点では、設計ドキュメントや社内文章、プレゼンのスライドといった「言葉と絵図で説明するなにか」を質と量、両方を担保する上で言語化・作文力は大事です。

  • キャリア形成という意味では、「社内での異動や仕事に手を挙げる時のアピールに使える」「転職する際に職歴書いたりプレゼンしたり」といった営みに直結します。

  • どっちにも共通するのが「うまく鍛えたら必ず自分にリターンがある」こと。それは望む仕事かもだし、望むお給料かもしれない。

周りがアウトプットしてるからやる、アドベントカレンダーがあるからやる、、、でもいいのですが何よりも!

自分のためにアウトプットして、言語化と作文力をうまく伸ばして使おうじゃありませんか。

これが言いたくてnoteにしてみました&反響があればポッドキャストでも話そうと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました!


頂いたサポートは、書籍購入・コミュニティ支援および、個人プロダクト(開発中)のリソースとして活用させていただきます。