大人の発達障害を抱える夫と、健常発達妻の日常①

夫は日常生活に少しだけ支障をきたすアスペルガー症候群です。
ですが本人に病識も自覚も全くありあせん。

2018年10月現在、アスペルガー症候群という項目はアメリカ精神医学会による最新診断マニュアル(DSM-5)から削除されています。自閉症スペクトラムのひとつとして考えられていますが、旧名称のアスペルガー症候群という表記にしました。私の夫は、いわゆる大人の発達障害を抱える1人です。

※当記事シリーズでは「大人の発達障害(ASD・ADHD)」についての記述があります。2018年10月現在、アスペルガー症候群は自閉症スペクトラムに含まれます。また、その他諸症状についても個人的な意見の記載があります。ご了承ください。


アスペルガー症候群な夫(表面)

夫の事を初めて詳しく書こうと思います。
知的に問題無し。高校は地元にある私学進学校の理数系(男子校)へ進学。夫実家から距離のある高校へ進学した理由は、聞いても教えてくれません。高校を選んだ理由は教えてくれないものの、大学ではなく専門学校を選択した理由については「大学に行くのは面倒だし高卒で就職するのも面倒だから。入試も面接もない進学先を探した結果、専門学校で良いかと思って」だそうです。
専門学校卒業後、就職した会社へ今も就業中です。新卒入社から十数年。1社のみで働き続ける正社員です。世間一般的にアスペルガー症候群を抱えている人にも向いていると言われている職種で長年働いています。
仕事面で他社からの評価は生真面目。役職も付き、中間管理職として勤務中です。
古い言い方をすれば企業戦士。本人の口から「早く帰ろうと思うんだけど。」と言葉が出ますが、早く帰ってきた試しはほぼ皆無です。配偶者の緊急手術日でも「休めるかどうかわからない。」と繰り返していましたし。


私生活でも生真面目と言えばかなり生真面目。借金癖やギャンブル癖も一切ありません。浮気も一切ありません。この生真面目さが重なり、異様にクレジットカードの利用も嫌います。車のローンも嫌います。だから結婚するまで、車を買う時も300万~400万円台も一括払い。
それでもお金に困ることはあるでしょう?と不思議に思っていたところ、高額商品の購入で困った時には、夫の両親が金銭的な援助をしていたと聞いて驚きました。

ここまで書くと「あれ? どこがアスペルガー症候群?」「ギャンブル・借金癖がなくて女遊びもしないなんて超優良物件じゃん。」と思う人も多いですよね。

それでは、アスペルガー症候群な夫の裏面を紹介します。


アスペルガー症候群な夫(裏面)

仕事の面で見え隠れする、アスペルガー症候群な夫の側面を紹介します。

・要領が悪い
・自分の中で「出来ない」「わからない」の線引きが難しい
・優先順位がつけられない

上記3点が特に顕著ですね。確かに仕事量が多い時期もあります。夫の労働環境は、繁盛期と閑散期があります。ですから前述した「早く帰りたい」を実践しようと思えば出来ます。
要領が悪く、自分の知らないジャンルや勉強不足な点を知識として補う事が間に合わず、結果、仕事の優先順位付けが曖昧になり仕事量が増えてしまっています。

私生活でもアスペルガー症候群の特性が顕著に表れます。

・空気が読めず心ない発言で他者を傷つける
・複数作業の同時進行が苦手
・危機予測が出来ない
・他人の視線や意見が気にならない
・嫌みに気がつかない
・異性同性を問わず親しい友人知人が皆無

上記6点については、本人の自覚がないままビジネスシーンで影響を与えています。
空気を読む必要があるのかないのか、という点は、今は少し保留します。
成人男性が一人で生きていくのであれば、上記5点が第3者に悪影響を与えても、周囲からそっと人が離れて終わりかと思うんです。いわゆる人間関係のフェードアウト(FO)ですね。

ですが、夫は既婚者。
嫁=私という家族が現状居ます。

婚姻届という紙切れ1枚で結ばれた婚姻契約を終わらせるのも、離婚届という紙切れ1枚です。この紙切れ1枚が、何と重いことか!

話が脱線してしまいましたね。
文章も長くなってきましたので、なぜ夫が大人の発達障害を抱えているか発覚した経緯を簡単に説明します。

「嫁の様子がおかしい!」と私の精神科主治医に夫が直訴した結果、夫自身がアスペルガー症候群を抱えている事が発覚しました。

精神科主治医の診断結果は、夫がいわゆる学習障害のない大人の発達障害。私は健常発達という診断結果になりました。

診断に至るまでいろんな出来事がありました。
「あれ? 個性的っていうか、なんだかこんなのおかしいよ!」という日常生活のちょっとした違和感から、自分自身がこの2~3年で複数回の命の危機に瀕して「このまま一緒に過ごして、私の命は大丈夫なのか」と思ったあれこれを、ゆっくりですが更新したいと思います。

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