ウィシュマさんの件をきっかけに、日本の司法周り、入管周りの人権侵害が改善されるといいなと本当に思っています。妹さんたちが来日して辛い闘いを続けてくれているお蔭で、これまでに無い程世論が盛り上がっています。テレビ、インターネット、SNSという技術革新で、権力者でもやましいことを隠し通すのが難しくなっています。ちゃんと説明されないということは、やましいことをしているということです。

ウィシュマさんの件は、うやむやのまま風化させないよう、毎日ニュースをチェックしていますが、最近は新しい情報がありません。進展がないんだろうな。弁護士や政治家やNPOの方たちが長年取り組んできても改善されない問題な訳ですから、そうそう短期スパンで進展があるものでもないんだと思います。

そんな時には、過去の入管周りのニュースを確認します。今回の件が、たまたまやってしまったうっかりミスではなく、長年続いている組織的課題だということを、なるべく多くの人に知って貰いたいからです。国民の関心が、無視できない程大きくなった時、権力者は隠し通すのを諦め事実を公開し、事態が進展すると思うからです。

こんな無害な、善意の人を、なぜ突然収監し、酷い扱いをし、突然解放するのか。彼女の受けた仕打ちを考えたら、今こうしてまともに受け応えしたり、生活できているのも奇跡に思えます。彼女の強さのお蔭でしかありません。

恐らく、入管周り、難民周りの職員は、なるべく強制送還した方が、なるべく申請却下した方が、評価される人事制度なのだと思います。いわゆる「KPI」がそうなっているのだと思います。勿論、返すべき人を返す仕組みも大事でしょうが、一体何十年前の制度をそのまま使い続けているのでしょうか。返すべき人を返し、守るべき人を守る方法はあるはずなのに、そのような工夫をする努力の放棄です。また「困っている難民を手分けして受け入れようね」という先進国としての責任の放棄だとも思います。それに、こういう人を守り、社会で受け入れた方が、日本の未来は明るくなるとも思います。

例えば女子刑務所では、男性刑務官の就労はかなり制限されるようになったはず。刑務所の囚人の人権は保護して、入管の収容者の人権は保護しない理由は何？　これは人種差別、国籍差別に他ならない、時代遅れの人権侵害、国際法違反だと思います。

こんなことをいつまでも続けるのは、国際社会において恥ずかしいです。近い将来、事態が改善することを切に望みます。直近で総理が変わり、内閣が変わり、法務大臣が変わることでも、少し事態が良くなるといいな。