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【not書評】【栞】「整理術」とは人生のコントロール術である

「働き始めて一年半、どうにもデスク回りが片付かないぞぉぉ!!」
という叫びからこの書評は始まります。

複数の案件を同時に扱うにあたって、案件別に発生した書類をかたっぱしからファイルしよう!と二穴の紙ファイルを用意したはいいものの、どうにもその場その場でファイリングするのが面倒で整理されないまま書類が蓄積していく。

たまにまとまった時間を作ってファイリングするものの、机の上がきれいなのはその直後だけ、リバウンドのようにまた机の上は散らかっていく・・・

違う!私が求めている就労環境は、常に机の上と書棚が整理整頓されている状況なのだ!

「働き始めて一年半もたつのに、どうにもデスク回りが片付かないぞぉぉ!!」

生まれてこの方何度も「片付けなさい!」と親に言われてきたかわからないし、小学校では「整理整頓」なんていう標語を何度見たかもわからない。
しかし、思い起こしてみると「使ったものをもとに戻す」くらいの指示はされた記憶があるが、「整理整頓ってこういう状況」とか「こんなやり方をすると常にきれいに」って具体的な手法は習ってきてないよな??

あらためて、学校では教えてくれなかったお片付けの理論を学ぼうと読んだのが以下の3冊です。

①「徹底図解 成果が必ず出る! ビジネス整理術」(監修:高原真由美 日本文芸社刊)

②「実践 新・整理術 」(日経ビジネスアソシエ特別編集 日経BP社刊)

③「会社では教えてくれない!頭のいい整理術・ファイリング術」(著:桃山透 ぱる出版刊)


そもそも「片付け」とは何なのか

「こんなきれいなデスクで働きたいな・・・」という理想像に近づくには課題にマッチした解決策を選択し、実際に便利なデスク回りと就労環境というゴールを明確にする必要がある。

そのためにはまず、「整理整頓」「片付け」とは何かをしっかり把握することが必要なのだが、漠然とした意味で使っている「整理整頓」「片付け」をしっかり定義してくれているのがこの図(①p.20)

「整理」
ものを整えるためのルールを決めることである。収納する前にすることであり、収納するべきものと、そうでないものの取捨選択をするルールを決める。
つまり、まず情報や物を受け取った時に、捨てるか否かをスムーズに判断できるようにルールを決めろ。ということだ。ここで不必要なものを排除できるか否かで勝負は決してしまう。
「自分にとって本当に必要なものは何か」を見極める目を養え、ということだ。

「収納」
どのスペースに何を配置するのか決定することである。片付けるにはその場所の定位置が決まっていなければいけない。
収納については②で詳記されている

「収納指数」=「使う場所からの歩数」+「取り出すのに必要なアクション数」(② p.11)

が参考になると思う。使用頻度の高いものはなるべく近く、ワンアクションで取り出せるところへ。モノに優先順位をつけて再配置。

「整頓」
見た目をきれいに整えること。これについては文房具、収納グッズをいかにうまく使いこなすかってところだと思う。文房具や収納道具を買うなら、目的に合わせたしっかりとしたものを買え。中途半端に目的からズレたものを使うと無駄な時間をじわじわと食うことになる。

「片付け」
使ったものを元に戻す。これが一番難しいよ!!!
4日前に使ったしょうゆ注しがデスクの上にある私には最もハードルが高い。
「収納」の段階でいかに取り出す、しまうという動作を楽にできる位置に配置するかがキモになってきそうだ。
ゴミが散らばるならゴミ箱を増やせ。みたいな感じ。
「整理」の段階で、身の回りのものが必要なものだけに絞られていれば、位置を探す苦労を軽減できそうである。

この四つの言葉の定義をしっかりと覚え、そのうえで自分の理想像とそれに合うステップが何かをイメージできれば、漠然と片づけていた時よりは効率的な片付けができそうである。

「片付け」「整理」とはつまり「ライフオーガナイズ」である。

片付いていなくても、机がごちゃごちゃでも、それに不便を感じず、生産性を高められているのであれば、最悪汚くてもよいのだ。
しかし、私は性分的にごちゃごちゃは嫌だ。また、人からみたらきれいに整っているほうが印象はよいと思うし、「汚くても俺はデキるぜ!!」なんて豪語できる仕事はしていない・・・

①で出会った概念を最後に紹介したいと思う。片付けの動機づけに関わる概念「ライフオーガナイズ」だ。

「空間や暮らし、人生を俯瞰して仕組み化する」という考え方に基づく「継続させるための整理術」です。(①p.22)

なぜ片付けるのか?それは、ライフオーガナイズの第一歩だからだ。
身の回りの空間や物が整理されるには、その前段階として思考や感情が整理される必要がある。

生活のなかに片付けが組み込まれ、整理整頓が実践されれば、生活のなかで自動的に情報や思考が継続的に整理されるということであり、常に自分の身の振り方を考える余裕が出てくる。
自分の人生を自分でコントロールするきっかけになるのだ!

片付け・整理とは、仕事を効率的に進めるだけの手段にあらず。

整理をとおして人生(ライフ)をオーガナイズする(①p.23)

その大切な一歩になる行動なのだ!!

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