【栞】テラフォーマーズ 映画は劣化版昭和仮面ライダーである

先日、札幌某所で開かれた集英社主催の劇場版テラフォーマーズ試写会に行ってきました。
漫画を連載しているヤングジャンプ以外にも集英社の出しているマーガレットなど少女漫画誌での募集もあったとのことで、学校帰りの中高生(女性の方が多かったかな)から20~50くらいのヤングジャンプを読んでる層の社会人まで、年齢層としては幅広い層が見に来ていたように記憶しています。
かく言う私は同僚に誘われて、「話題」の邦画特撮をタダで見れるなら行きますぜ〜と見に行ったクチです。

事前情報として
・累計発行部数1500万部の大人気作を
・豪華キャストを迎え
・あの名監督、三池崇史が
・日本映画にはないハリウッドばりのスケールで映像化!
・しかもテーマ曲は三代目JSB
くらいはおさえておりました。
、、、ふむふむ。映像化が難しそうなアクションSFだけどなかなかの期待作のようだな、、、
とはまぁ思えませんよね!テラフォより話題になってた進撃の巨人が大コケですからね!

もらったチラシから劇団☆新感線の中島かずきが脚本を書いているという追加情報を得た時には、これはもしや面白くなる可能性もあるのではと、一筋の光を見た気がしたのですが案の定裏切られます。

舞台挨拶などはなく、STOP!映画泥棒のあとに本編上映でした。試写会でも流すんですね映画泥棒。

ストーリーについては、第一巻を二時間に収めるための無理矢理な設定とストーリーの改変があって、原作ファンにとっては納得が行かないだろうなぁという内容になっていましたが、尺におさめ、かつ続編に続く流れを入れるとなるとうまく収まってるんじゃないの、という感じはしました。
オチは「500年後の火星でこれかよ!!!」というミステリ小説ばりのオチです。

次に日本映画界を代表する豪華キャストについて。もともと世界からかき集められた人たちが火星に送られるって話だったんですけど、日本人俳優を使うがために、「ロシア帰りの変な訛りがある日本人女性」「中東紛争地帯帰りのカタコトケインコスギ」「日本人設定なのに突如として不自然な英語を使う山ピー」とかよくわからないキャラクターになってて笑えます。
邦画って日本で作られた映画ってことであって、日本人だけを使った映画ではないはずなのになぁー。髪型やらコスチュームやらは原作をリアルに再現したがるのに人種は無視する邦画界にポリティカルコレクトネスという概念は存在しないのでしょう。
ゴジラファイナルウォーズで轟天号の艦長にドン・フライを、起用した北村龍平はよくやったよ。吹き替えだったけど。

壮大なスケール!で描く映像について・・・物語の根幹であるバグズ手術をうけた主人公らの虫形態については、特殊メイクとCGにかなり力が入れてあり、リアルではあるんだけれど、逆に特殊メイクがリアルすぎてヒく。絵として直視に耐えないくらい気持ち悪い。マジでやばい。しょぼいアクションに目がいかないくらいに直視に耐えない気持ち悪さがあるので特撮としては優秀といえるでしょう。進化したくろさん達はフルCGなんだけど、卵鞘から生まれてくるところはリアルで気持ち悪かったなー。

山ピーが「グフッ(吐血)俺にはなぁ、もう何もねぇんだよ、、、お前は生き残れ」みたいな泣ける(笑)シーンを演じるのだが、画面いっぱいに映るのはリアルに動く口から体液をこぼすバッタ人間、そこに山ピーの面影はないのです。山ピーである必要あるのこれ???これでマジで泣かせようと思って作ってるのか??笑わせに来てるんじゃないの???って思う

アベンジャーズ、バトルシップの敵の多くがなぜロボットなのか不思議に思っていたが、バトルの爽快さを描くことにおいて
「生き物を殺す」ことがノイズになるからだったんだと気づかされました。
グロに描写に意識と予算が割かれてそれ以外がおろそかになります。。。。

セクシー?な女優陣についても、変身してかっこよくなるかといえば、そこにいるのは女子プロレスラーみたいなコスチュームに身を包んだ、昭和ライダー「怪奇!!クモ女!!」を彷彿とさせる、気持ち悪い特殊メイクの人。
特殊能力の解説映像が「説明しよう!」のノリで戦闘シーンに挿入されるのも相まって、30代半ばの人をして
「画的になつかしさを覚えた」
と言わしめる昭和特撮テイスト。30~40歳代にはもしかしたら響くのかもしれないです。

三代目JSB、小栗旬、武井咲、伊藤英明、山田君など、若者をターゲットにしたのかな?と思わせておきながら映像のグロさはどの層にも刺さらない、響かない不気味さを全体的に醸した映画の出来上がり、、、マジで誰が得すんだこの映画。

あ、でも昆虫食クラスタには響くと思うよ!冒頭の退廃した日本社会描写のなかではデビュアとかカイコの蛹とかを使った昆虫食を提供する屋台が結構しっかり描かれてますからね!みんなで見た後に「あれ食べたことある!!」「この料理おいしかったよねー」とかって盛り上がれます。

書きたいことはいっぱいあるけどあとはまぁ、見てからのお楽しみで、、、、

話題にされる→酷評されるというのが最近の方が特撮の一連のながれですからね、流れに身を任せて楽しんでみてはいかがでしょうか。

シンゴジラがそうならないことを祈るよほんと!!

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