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【英会話教室】鈴木貴之さん

今回、話を伺うのは、2012年、塩釜市で英会話教室をオープンさせた鈴木貴之さん。

決して新しいビジネスモデルではない英会話教室に参入した経緯、これからのビジョンについて語ってくれました。

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ーいきなりですけど、英会話教室って、正直珍しい仕事ではないですよね。それこそ、昔からありますし、そして、日本全国何処にでもあります。しかも、我々が住んでいる塩釜はそんなに人口も多くない。そこで英会話教室をはじめようと思われたきっかけは何だったんですか?

実はあるお母さんからのお話がきっかけでした。

その方のお子さん、2歳から中学校に入るまでの10年間、英会話教室に通ったのですが、ぜんぜん話せなかったらしいのです。

10年も通って話せないのでは意味がない。

「だったら、自分がやってみよう」というのがスタートでした。

ーそのお母さんほどではありませんが、多くの方々がその気持ち、分かるんじゃないでしょうか。日本人は中学、高校で英語を勉強しますが、それで英語が話せるようになる人は、ほとんどいないと思います。
英会話教室にしても、何年通ったけど喋れない、というエピソードも実はそんなに驚いていないんですね。むしろ「そんなもんだよね」とあきらめに似た気持ちもあります。そういう中で「話せるようにします」というのは、すごい勇気がいると思うのですが。

そうですね。まず日本人が英会話が出来ない大きな理由は「英語を話す経験」が不足していることです。

たとえば、1回60分の授業をやるとして、いったい、どれくらい会話をする時間があるのだろうか、と。時間もそうですし、内容も決まったフレーズを繰り返しているだけで、自分が言いたいことを学べない。

もちろん、最初からいきなり「話して下さい」と言って出来るわけではないので、ステップを踏んでやるけど、最終的には英語でのコミュニケーションに比重を置いています。

生徒さんの1人に甲子園出場経験をもつ高校球児がいて、彼は投手なのですが、投げる勉強だけをしていて投げられるようになるのか、と。

当り前ですけど「無理です」と答える。

じゃあ、どうやれば、よいピッチャーになれるのかというと、正しい知識を元に、何度も何度も投球練習をする、と。

その積み重ねです、と。

英語も同じで英文法や単語を覚えることも重要だけど、それを使う場面がないと身に着かない。

どれだけ、多くの時間を英会話に費やすことができるか、そこはものすごく大事にしています。

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ー私がスポーツ好きなのでピッチャーの話はすごく分かりやすいですね。とはいえ、それは驚きではないし、ごく当り前のように感じます。逆にどうしてこの当然の方を他の英会話教室では取り入れないのでしょうか?

他の教室では、だいたい1回あたり60分、先生1人につき6人の生徒さんを教えます。英会話ですから、先生と生徒は、お互い「会話」をやり取りするわけです。

60分で6人ですから、単純に1名あたり10分しか話が出来ない。この間、ほかの5人にも何かやってもらわないといけないわけですが、これを1人の先生で、というのは非常に難しい。

ですので、うちでは先生1名に対する生徒の数を5名までにして、かつ1回の授業を75分にしました。さらに、会話に重きをおく場合には、5人を2グループに分けて、もう1人先生を増やします。すると、先生1人に対して2人となります。

クラスによっては7~8名ということもあるのですが、その場合は先生は3名になります。

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ーたしかに1対6が1対2になって、さらに時間も長いというのはすごいですね。それと、これは父兄の方々が気になると思うのですが、英会話が出来るようになると学校の授業が出来るようになるとか、英会話の上達と学校の成績アップはリンクするのでしょうか。

100%とまではいかないですけど、80%くらいは、と考えています。英会話、話すのが巧い生徒さんは、文法も理解している。

学校の授業で思うような点数にならない生徒さんの場合は英会話も苦手、ということが多いのですが、いちばん大事なのは失敗を恐れないことです。

間違ったら恥ずかしい、間違ったら怒る、というやり方で教えてしまうと、伸び悩んでしまいます。本当は分かっているのに、口から出ない、出せない、ということになってしまいます。

多少間違ってもいいので、話してみる、やってみる、という生徒さんは、どんどん伸びていきます。

これは、日本の教育全般なのかもしれませんが、間違ったらダメ、失敗することがよくない、と教わってきています。間違ってもいいんだよ、間違っても恥ずかしくないよ、という育て方をしていけば、英会話は伸びます。

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ー多分、日本社会全体が「減点評価」だからなんでしょうね。積極的に発言したり行動するよりも、黙っていた方が得というか、少なくとも点数を差し引かれることはない。
だったら、いちかばちか勝負するより、何もしないでいた方が、最終的に社会の評価が高い形でゴールできる。そういう場面がいい時もあるんでしょうけど、何かを突破したりする力は育ちにくいですよね。

間違っても、多少おかしくても、やってみる生徒さんの方が伸びます。

間違っていたら「こういう風に表現したらいいよ」と先生がアドバイスする。何も話さないでいると、先生も教えられないわけですから、成長できなくなります。

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ーなるほど。ところで、英会話教室、というのは勉強ではあるけど、いわゆる学習塾とは違う位置づけですよね。たとえば学習塾は、学校の成績を上げたい、そして志望校に入りたい、という明確なゴールがあります。
じゃあ、英会話は?というと、もちろん、英語で話せることが目標なのですが「話せる」という基準は人それぞれだと思うのです。海外の旅先で会話に困らない、ということを「話せる」と位置づける人もいるでしょうし、ビジネスで通訳できる、という人もいるでしょうし。
その辺り、鈴木さんはどうお考えですか?

目指して欲しい、ここまでやってもらいたい、というのはあります。

英語を話せるようになる、ということは、英語で物事を考えられるようになるわけで、そこまでは引っ張り上げたいとは思っています。

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ーもう少し、詳しく教えて下さい。

つまり、日本語から英語に変換するのではなく、英語のまま考えて会話をする、ということです。

「英語脳」と呼んでいるのですが、たとえば、本を読んだ時に、英語から日本語に変換するのではなく、英語のまま理解する。そこに到達するようにはしてあげたいと思っています。

「OK」とか「Yes」「No」をいちいち日本語に変換する人ってあまりいないと思うのです。そういう感じ、ですかね。

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ーだいぶ鈴木さんの英会話教室の深い部分を知ることができた気がします。
とはいえ、英会話教室、そのものはありふれたビジネスで、すぐにお客さん(生徒さんや父兄)が、それを知るわけではなかったと思います。不安はありませんでしたか?

不安がなかったか、というとそんなことはありません。不安でした。ただ、自信はありました。

始めた頃は32、3歳でしたので、1年やってダメだったら、再就職でも何でもすればいい、と思っていました。

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ーでも、自信はあったと(笑)?

そうですね(笑)。

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ー鈴木さんの人生で、一番影響を受けたこと、人生での大きな出会いは何ですか?

20代の頃、ハワイに居た知人から遊びにおいで、と誘われまして。遊びにおいで、というのも数日じゃなくて、割と長い感じでして。

もちろん、普通にサラリーマンだったので、すごく迷ったんですけど、ちょうど働いてた会社でも「このままでいいのかな」という思いもありまして。

で、ハワイに行って40日くらいですかね、ずっと釣りしてまして。

今度はオーストラリアに行って、そこでは2年くらい居て、そこでもやっぱり釣りが中心で。

その後、アメリカのニュージャージー州に行きまして、そこでは釣りはしなかったんですけど、いまの奥さんを釣り上げまして(笑)。

で、今度はパラオに渡って、そこでは旅行会社で働いていたのですが、そこの社長がいろいろやらせてくれまして。

「こういう企画を考えてます」というと「やってごらん」と言ってくれて。

旅行業にいるものですから、ホテル関係の方とも知り合いになって、あるホテルで宿泊部部長として働いていた日本人の方に良くして頂いて。商売の仕方、集客の仕方、この方に教わったから、本業でもいろいろな観光の提案が出来たんだと思います。

その方も各地を転勤されていたので、もう疎遠になってしまいましたけど…

また、パラオにはフィリピンの人がたくさん出稼ぎに来ていたんですよ。

フィリピンには仕事がないですから、職にあぶれた人が、パラオに出稼ぎにくる。なかには、ついこないだ子供が生まれたばかりなのに、夫婦でやってくる人たちいもいる。

仕事がない、ということが人生にこれだけ大きな影響を与えるのか、と愕然としました。そういう経験をしたからなのかもしれませんが、いずれ、仕事で使える英語力、ビジネス力を学ぶスクールを創設したいと思っています。

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ーパラオ時代の衝撃が、いまの鈴木さんの英会話教室のバックボーンになっているんでしょうね。
最後に鈴木さんの宝物、教えて頂けますか?

私の宝物は、このスケジュール帳ですね。

2012年に起業してから、いろいろなことを書いてます。

SNSにもいろいろ書いていることはあるのですが、自分の想いとか、そういうのまでは書かないので。時々読み返すと「昔はこうだったんだ」といろいろ思い出すことがある。

教室だって最初からうまく行ってたわけじゃありませんしね。過去を振り返ることで、次への原動力になったりもしますので…

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英会話を学ぶ理由は、生徒ひとりひとりそれぞれ違うだろうが、身に付けた英語で何を目指すのか、その先を見据えて教室を運営している方はそう多くないのではないだろうか。英会話教室にとどまらず、いくつかのビジネスを温めているという鈴木さん。これからの展開に期待したい。

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ひと:鈴木貴之さん
しごと:塩釜BTC英会話教室(英会話教室)
ところ:塩竈市錦町4-3 1階
HP:https://shiogamabtcenglishschool.info/

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記事執筆:竹田知広

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