「君たちはどう生きるか」を見て

宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」を7月下旬に見にいった。田舎のレイトショーの時間帯だったので、人はまばらな映画館。逆に集中して見ることができるので良いかと思った。

これ以降は、内容に触れるためネタバレになる。自分の感想の備忘録として書き連ねる。

最初のシーン。主人公の母親が火事に巻き込まれる。あの時の描写は、あまりジブリ映画では見ないような印象だった。今までと違う表現も使ってくるのかという期待感があった。

母親が亡くなって、父親は再婚した。母親の実妹との結婚だった。説明がなかったが、みんなが最初の登場シーンから理解できていたのかなと気になった。明言するのは、結構後だった気がする。時代背景として家同士の結婚だったり、子供の養子だったり、色々とあるので早めに理解はできたのだけど、こどもたちはすぐに理解できたのかな。

継母への主人公の感情は、どういったものだったのだろう。個人的には、「憧れの人」の枠内に入っていたようにも見えた。父親が夜に仕事から帰ってきてからの継母との夫婦生活を連想させるシーンで、少し変わっているようにも思えた。

塔の中に大叔父がいる。創造主として描かれている。個人的には宮崎駿さんを表現しているのかなと感じて観ていた。また、青鷺も宮崎駿さんの一部なのかなとも思って観ていた。そして、主人公は息子や後継者なのかなと考えていた。あの塔はジブリだったりアニメだったりを表現しているのかなと。
塔の中には、人間の様相を呈している人は、塔以外から入ってきた人か、血縁者のみだった。その他は、いろいろな背景がありながら有象無象の印象だった。あの時、主人公の弟が塔の中で誕生していたなら、どんな姿をしていたのだろうとも思った。

観終わった後の感想は、身内へ送ったメッセージを覗き見してしまったような気持ちだった。それをお金を払って観たような印象。外に向けたメッセージよりも内向けのメッセージ性と感じてしまった。

ふと、戦時を体験していた祖父のことを思い出した。晩年は、自分の築いてきたことを子に残しながら、子に理解してもらえない。そんな姿を思い出した。

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