ようこそ!ミラノへ
「ようこそ!ミラノへ」
店長は張り切って手を広げてくれた。薄い笑顔は相変わらず張り付いたままだった。店の入り口は会計を行う小さなフロントと、数百本はあるネームプレートのついたお酒が棚に鎮座している。お酒に詳しくない自分から見ても、上に行くほど高いお酒に見えた。
工学部の彼に準備しておいてほしいと言われて急いで授業の合間に準備した履歴書を差し出す。
「えーと。シオン君ね。シオン君は、飲食のバイト経験はある?」
「いえ。コンビニのレジと品出し、あとファーストフードのキッチンくらい