結局は「ありがとう。」

最近はいろいろと昇華された感がある、一昨年の父の急逝。

生まれて初めて父の居ない世界を生き始めた昨年はグラグラのブレブレだった。乗り越えた…と思いきやドッと落ち込む日があったり、そうかと思えば泣いている傍からなんだか笑えて来たり…。

ともあれ、最近は波がさざ波になったようでとても心穏やかだ。波の高さが低いから、天空からザッパンザッパン水が打ち付けない、痛くない、そんな感じの日々だ。

少し前までは台所に立って集中していると特にダメだった。無心に手を動かしている間に如何に自分が親不孝だったかが思われ、後悔の念から座り込み立ち上がれなくなったりしていた。

何とか気持ちを立て直し作業を続行しながら、こんな想いを姉もしているのだろうと思うと不謹慎ながら救われる気持ちになったものだ。あの背後からどっと押し寄せる闇に、独りっきりで立ち向かうことは出来なかっただろうな。

同じ気持ち…とは言え、姉は私と全然違っていて何かと親孝行な娘なわけだけど…。父に似て口数が少なく思慮深く優しくて優秀な人。

姉には足を向けて寝られない。どっちがどっちだ姉の住む街の方角は…。わからないときは「立って寝る」と古い友人が言っていたのであやかろう。

子どもの頃、おやつを独り占めしたいがために放った暴言、「ひとりっ子がよかった」おねーちゃん、許してください。

おばーちゃんに100円もらってお菓子を買いに行くと、自分は50円もしない【都昆布】を選び、私に残りのおこづかいをくれていた姉…。遠慮なく、スズメの涙ほどのラムネが付いたオモチャを買う妹…。姉が小学1.2年生、まだ低学年の頃の実話なのだから、まったくもって姉はすごい人だ。

はっっ!

私の暴君ぶりがそうさせたのか!?

ごめんなさい。そしてなにより、ありがとう。
そして、優しいおねーちゃんを私にくれたお父さん、ありがとう。

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