季節のリズムに乗って 〜こよみ薬膳〜

今年も立春を迎えました。
「暦の上では春」と言われますが、
この暦とは旧暦と呼ばれる中でも「二十四節気」という暦によるものです。
地球が太陽の周りを一周するのにかかる1年を24の区分に分けています。

その分け目の基準になるのが、
昼間の長さが一番短い冬至と、反対に一番長い夏至。
そのちょうど中間点が春分と秋分、
さらにその間を4つに分けるのが立春、立夏、立秋、立冬です。

春分と秋分はお彼岸にあたり祝日にもなっていますし、
冬至はかぼちゃと小豆を炊いて柚子風呂に入り無病息災を祈る、
立春の前日には節分として豆をまいて邪気を払うなど、
二十四節気は今でも暮らしの中に根付いている旧暦です。

「暦の上では春ですが、まだまだ寒気が強く…」などと言われるように、
体感よりも少し早く季節が進むこの暦、
実はからだとこころを整える目安にはぴったりなんです。

二十四節気が生まれた中国で古代から研究がつづく中国伝統医学。
かかった病気を治すことに主眼をおいている西洋医学に対し、
東洋医学の主流であるこの中医学は「予防医学」、
病気になりにくい、そして病気になっても大事に至らずに治る、
からだとこころを健やかに保つことを第一に考える医学です。

中医学の根本的には、人間は自然の一部であり、
自然の影響を大きく受けて生きているという考え方があります。
季節の変化も当然、私たちのからだやこころと切っても切り離せないもの。

そこで二十四節気です。
暦をたよりに季節の移り変わりを早めにとらえて備えることで
季節によってかかりやすい病や体質的な不調を軽くする、
そんな知恵を中医学やそれに基づく薬膳から取り入れてみませんか?

からだやこころを自然のリズムに乗せて軽やかに。
私自身、めぐる季節、うつりゆく四季を楽しんでいるうちに、
気づけば苦手な季節がずいぶんと楽に過ごせるようになっていました。
すぐに効く!というものではありませんが、
おだやかにゆるやかに、からだやこころの調子がらせん状に上がっていく、
ちいさなきっかけになるメッセージを二十四節気毎にお届けします。

中医学や薬膳についてよく知らない家族や友人にも楽しんでもらえるよう、
あまり専門的な知識に偏らず、季節のたよりとして書いていきますね。

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