リモートワークの中で誰とも話すことがないので、自己との対話の時間を設けるべく日記を書いている。

ふと小学校4年生の誕生日に誕生日プレゼントとしてアンネ・フランクの伝記漫画を両親からもらったことを思い出した。
その頃から紙からWebに、またWebから紙に変わったりしながら、人に見せる用・見せない用の差はあれど、ずっと日記は書き続けているような気がする。

私が日記を書く原点はアンネ・フランクにあるのかもしれない。

「逃げ恥」が好きなのはラブコメだからではなかった

「逃げ恥」が好きだ。
社会旋風を巻き起こした(とは私は考えている)ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」が放送されてもう4年が経つなんて、なんだか信じられない。

先日、放送された再編集版の視聴率が高かったようで、また話題になっていた。

女優の新垣結衣（３１）が２０１６年１０月期に主演したＴＢＳ系連続ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の再編集版「逃げるは恥だが役に立つムズキュン！特別編」が、１９日に放送され、平均視聴率が１１．０％（関東地区）を記録したことが２０日、ビデオリサーチの調べで分かった。
引用：１９日放送の「逃げ恥」特別編の視聴率が１６年の初回超える　関東地区で１１．０％

世間的に有名になったドラマなのもあり、自分なんぞが魅力を語るのもおこがましいと思うので詳細は差し控える。

が、家事労働を賃金の発生する契約で結婚したふたりがさまざまな日常の困難に立ち向かう様子は、自分の生活のアレコレを振り返る機会になるので、「こりゃあ、ただのラブコメじゃないぞ！」とリアルタイムで見ていた当時から感じてはいた。

私はラブコメ系のドラマが好きだ。

とはいえ、ラブコメ要素が入ってくるドラマがラブ要素の多い状態で最終回を迎えるとそれはそれで消化不良を起こしてモヤモヤするめんどくさい奴でもある。

※「けもなれ」も「わたし定時で帰ります。」も恋愛めいた感じのラストに関しては「なんか違くない？」と思ったが、作品全編として見たときには自分内の影響を受けたドラマとしてnoteで挙げるくらいに好きだ。

だが、逃げ恥は最初から最後まで不快感がなかった。
わりとラブコメ感が全体的にちりばめられているし、なんなら最後もラブコメチックな最後だった気がするのに。

なんでだろう？と思っていたら、昨年末の漫画著者の海野つなみ先生のインタビュー記事が出ていたので読んだ。

海野氏の語る「有償のサービスが無償になったら」という問いは、みくりが平匡と恋仲になり、本籍を入れるくだりで現れる。契約結婚じゃなくなることにより、自分の仕事が無償労働になるのではないかと焦ったみくりに対して、読者からは「がめつい」といった非難もあったという。

「この作品を『恋愛漫画』として読んだ場合、本籍を入れるというのは、めでたしめでたしのハッピーエンドなんですよね。だからみくりが躊躇して距離を置きたいと言ったとき、え、なんで、となった。
逆に、この作品を『お仕事漫画』として読んでいた人は、『そうだそうだ、ここで引いちゃダメだ』という感じで賛同を示してくれました。あの回は賛否両論でしたね」

作中では、みくりが自分のモヤモヤしていることを正直に平匡に伝え、無事彼らは納得のいく形で合意をすることになる。

引用：呪縛を解くベストセラー！海野つなみが『逃げ恥』で描いた「人の数だけある孤独」

この件を読んで、私が逃げ恥をラブコメとして嫌悪感を抱かずに最後までモヤモヤせずに見れた理由が分かった。

逃げ恥はそもそもラブコメじゃなくて、キャリアを描いた作品だったのだ。

私はこれまで「ラブコメが好きだ」と思っていたが、実は恋愛を通して見える人の考え方やキャリア観のほうが好きなようだ。

逃げ恥は恋愛を描いているようで、キャリアに悩む女性が仕事を見つけて雇用主と最適な関係値を二人三脚で探っていくストーリーだった。
あくまでもドラマの主軸は仕事にあるし、ドラマ版の最後もふたりの雇用関係に関しては大きく変わらない。

反対にキャリアと恋愛が並行して描かれてる作品が最後「ラブ中心にハッピー🥰」という感じで終了すると、
「最終回で急に恋愛に走って盲目になっちゃって、あんなに頑張っていた仕事は良いの？」
「その人と生きる道を選ぶことが本当にこれからの主人公の生き方にとってプラスだと思っているの？」
「なんなら、ドラマの最終回だからってことで無理やりくっつけられてしまったような展開じゃない？」
などとと思って、なんだかちょっと残念に感じがちなのだと思う。
(まあ制作している側からしたら綺麗に全てうまくまとめて終わらせたいよね。)‬

‪お仕事を中心にした逃げ恥が素晴らしく感じたのは、お仕事ドラマとして優れていて程よくラブコメがちりばめられていたからだった。

なんだか最近までずっと女性のキャリアを描くドラマを見ては最後だけ消化不良でモヤモヤしていた理由が分かり、自分的にスッキリした出来事だった。