ヰ世界★情緒シンガー

 ブラック★ロックシューターは、僕の人間性と作家性を形成している歌……もとい、コンテンツの一つだ。「魔女の誰かがB★RSを歌った時が命日」と、冗談半分ながら考えていたし、もしかしたら似たようなことを以前呟いたかもしれない。そして予想外にも、その命日は訪れた。
 いや、正確には予想外ではなかったと思う。ヰ世界情緒(情緒ちゃん……じょちょ? 普段あまり文章で触れないから呼び方が安定しない)は、古い懐かしい楽曲も含めて、様々なボカロを歌ってくれていたから。もしメンバー五人の中でB★RSを歌うなら、きっと彼女になるのだろう、と。
 とはいえ、覚悟ができていたわけでもない。供給はいつだって唐突で、古のオタクは突然の死を迎える。Youtubeの通知を見た僕は、比喩じゃなく三度見くらいしたと思う。
 Covered by ヰ世界情緒で投稿された、ブラック★ロックシューターの歌ってみたである。

オタクの面倒くさい話は早口で済ませる

 実はPSPのゲームからコンテンツに入った人間なのだとか、スマホアプリがハーフアニバーサリー中だとかって話もしたいが、話が逸れるのは明白なので割愛。とはいえ、15年前の歌である事実だけは触れておきたい。
 いや、嘘でしょ? ボカロにハマったのが2010年とかだから、確かに体感としては15年以下な訳だけれど、とはいえ、とはいえじゃないか。……まぁhuke氏のイラスト投稿が2007年の年末なのだし、15年という年月は紛れもない事実なのだけれど。数字とは残酷なものだ。
 そしてTwitterのTL上でも、懐かしい楽曲に驚いたり、経過した年月に恐怖したりする(古のオタクであろう観測者の)反応が流れて来た。「好きな歌」と喜んでいた仲間が意外に多くて、一人で勝手に嬉しくなっていたのは、本当に個人的な話。

ヰ世界に惹き込まれる

 正直な話、僕は自称箱推しの花組だと思う。神椿を知った切っ掛けが花譜だったのもあるし、知識量や使用した金額だけを見れば、花譜と他メンバーとでは明確な差があるからだ。
 しかし、V.W.Pのメンバーや神椿所属のクリエイターが好きなのもまた、紛れもない事実であるし、それを他人に否定される謂れもない。好きなアーティストが好きな歌を歌ってくれたからこそ、僕は心の底から喜んでいるし、こうしてnoteに感情を書き起こしているのだから。

 完全な余談なのだが、TLに流れてくるイラストや話題は、何故だかジョチョやココス関連であることが多い。特別意識していないけれど、多分フォロワーさんにヰ組や幸組が多いんだと思う。ありがとうございます(?)

 というわけで、本題と言うか本筋というか、感想を綴ってみようと思う。需要の有無は知らない。100%趣味だから。
 ……結論、「好き」の一言に収束する。でも、腐っても物書きの人間がその表現力を活かさなくてどうするという話。と同時に、彼女が歌声に込めた想いを分解して並べてしまうような感覚も捨てきれない。一つの作品として完成しているのだから、必要以上に言語化することに罪悪感がある一方で、受け取り手が抱いた感情と、それを言葉にすることのエネルギーもよく理解しているつもりだ。……面倒くさい人間がよぉ、早く感想を書いてしまえ。

 僕にとっての、『B★RS像』みたいなものがあって、それは作品ごとに名前の違う"彼女たち"がいるように、媒体によって異なる。とはいえ、それらは共通して「儚く、脆く、けれど力強く輝いていている存在」だ。
 ヰ世界情緒の歌声は、まさにその具現化だった。儚さと言うべきか朧げさと言うべきか。澄んだ透明な声でありながら、決して弱々しい印象は受けない、まるで一歩一歩前進するような歌声。初めて彼女の歌を聴いた時にも感動したその歌声は、僕をヰ世界情緒というセカイへと惹き込んだ。
 初見時ミステリアスさを感じたビジュアルや、普段の柔らかな雰囲気から、どうしても可憐さみたいな印象が強くなりがちなのだが、彼女は同時に格好いい人だと思う。いや、表現をしてる人・努力している人は総じて格好いいのだけれど、もっとこう、直接的な意味で。
 輝いていると表現するのが適切か。憧れを抱くとも。捻くれた創作心的には、嫉妬なんて言葉も的を得ている。語彙に違いはあれど、心を強く動かされたという点では、全て共通している。
 それでもあえて、彼女の歌声を詳細かつ繊細に言語化するならば、それは個人個人の表現力に左右されるとはいえ、とても綺麗なものだろう。
 どこか遠くの、決して手の届かないところにいながら、こちらに振り向いて手を差し伸べてくれるような。
 強くもなければ救いもないのに、それでも強く、大切なものを救うために進み続けるような。
 霧に覆われた曖昧な世界にありながら、確かに輝く光のような。そういう格好良さがある。美しさがある。尊さがある。
 闇に駆ける星に願いを、そして歩き出すための強かな想いを。この歌は、前に進むための物語で、彼女の歌声は、星の輝きみたいだった。

 彼女がどんな意図でこの曲を選び、そしてどんな想いでこの歌を歌ったのかは分からない。少しだけ、知りたくないとも思う。分かるのは、彼女が好きな歌を歌ったという事実だけ。あるいはその事実だけで、僕は勝手に救われて、こうして電子世界の隅で感情を吐露している。
「僕の好きな歌を歌ってくれてありがとう」なんていう、単純でありきたりな想いを、言葉にしているだけなのだけれど。 

5分の歌に対する、2500文字の言葉

 2000字ちょっとしか書いてないなぁと思いつつ、やっぱり必要以上に言葉を並べるのは個人的に苦手だし、これ以上歌に触れていると涙腺が壊れるのでこの辺で。いい歌は歌詞だけで泣けてしまう。
 最後が詩というかポエムっぽくなったことは後悔してない。だってそういう人種だし。いつものことだし。でもこのタイトルはどうなんだろう。

 それと、こうして「歌の感想の書き並べるだけの記事」を書いたので、他の歌でもnote書けるやんという前例を作ってしまった。どうしよう。書こうかな。書こうかなのマインドじゃ書かないんだよな。

 河底9さんの描いた情緒ちゃんの左目が青く燃える幻視に襲われながら、このnoteはここでおしまい。お読みいただきありがとうございました。 
 最後になりますが、FAを描かれる観測者の方々は、話題が去ってもB★RS情緒を描き続けてくださると嬉しいです。お願いします。お願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?