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筋膜リリース6日目と、「まぁ、いっか」のひと言

「今日暑いですね」
開口一番、そんな会話から始まった6日目。

実はここ何日か、気圧の下降や上昇に伴い、首肩まわりの緊張がまたひどくなり、上半身の重だるさと、首の角度によっては一瞬鈍痛が走るような症状があった。

一刻も早く楽になりたくて気持ち急ぎ足で向かったものの、蒸し暑い日中の闊歩は思った以上に私を汗だくにした。

ハンドタオルがしっとりするほどかくばかりか、中に着たエアリズム越しにも汗がにじむほど。

「汗は生理現象ですから! 水分補給しつつ、もっとかくくらいがいいですよ〜」
とさわやかに言ってもらえて少し気が楽になったものの、何を着ても汗じみが気になるこの殺人的な気候に恐怖を覚えるのでありました。

施術が始まってもなかなか乾かなく、私は若干気にしていたけれど、先生はそんなことを気にする素振りも見せず(さすがプロ!)、続くマッサージ。

少しずつ首周りの緊張から解放され、ふと起き上がったときに会話の流れで、私の口からこんなひと言が。

「まぁ、いっか」

言って真っ先に驚いたのは、自分自身だった。

なぜならこのひと言を、何年も使ってなかったから。

完璧主義ではないつもりだけれども、自分が決めたことに対してそこそこ納得するまでは妥協できない性格のため、「まぁ、いっか」という言葉や姿勢は、責任放棄するようなものだと思い込んでいた。

前職では責任感ばかりがつきまとっていたため、「まぁ、いっか」が許されなかったという習慣も相まっていたのだろう。

周りの人が使う分には「おおらかでいいなぁ、強いなぁ」と感じていたひと言を、自分が発していないことにも全く気付かずに、何年も過ごしていたのだ。

「汗じみできても、まぁ、いっか」

「たまには栄養バランス崩れても、まぁ、いっか」

そうゆうこと!

ずっと自分に言えなかったそのひと言がポロッと出てきてから、急にお腹辺りに入っていた力が抜けた気がしている。

いや、「まぁ、いっか」と口に出す度に、更に体中が脱力するのを感じるということは、この体中の凝りをほぐすのにはこうして自分自身にかけられなかった言葉を、一つひとつ見つけ出してあげればいいのかもしれない。

自分自身を縛っていた言葉、他人からかけられて縛られていた言葉、気をつけていてもそうゆうものに無意識にがんじがらめになってしまいがちな日々を過ごしているのは、私だけではないはずだ。

街を歩けばBGMが流れ、ひとたびスマホを片手に取れば情報の海へアクセスできる、そこには様々な噂話や価値観や知識で溢れ、情報の精査すら危ういものも沢山あり、ともすれば簡単に軸や方向性を見失い、右往左往してしまえる時代に生きている。

自分自身の五感すら、簡単に埋もれてしまうほどの忙しさが待っていたりもする。

そんな中で、自分のご機嫌すらろくに取れなかったり、体のヘルプを無視してしまったり、そのせいで周りの人を思いやれなかったりもするだろう。

そうゆう何年かの蓄積が、凝り固まり過ぎた体に全部、表れているとしたら、今は一つひとつ、これまでに気付いてあげられなかった我慢や体の悲鳴を探り当て、丁寧に向き合い確認してあげることが、一番回復につながるかもしれない。

前に進むことばかりで、見過ごす物事が多かった分、今は少しゆっくりペースでいい、と、自分にOKを出してあげましょう。


「よくがんばりましたね」

と、先生は施術中に何回も声をかけてくれるけれど、その言葉を、実は、自分自身にはまだかけてあげられないのが、「もう一歩」なところ。

あと何回通ってほぐれたら、その言葉を心から自分にかけてあげられるのかが、これからの楽しみです。

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