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口と鼻から出る音には十分にご注意ください

※汚い表現が含まれます。気になる方はスルーしてください。

職場環境が悪い。
こう言っておきながら何だが、悪いという意味にもたくさんあると思う。
私は不満には思っていない事でも、
人間が変われば不満に思えてしまう事柄も、もちろんある。
私がお世話になっている職場はとても古いので、
設備全体が良い言い方をすればレトロだ。
お手洗いは人数に対して圧倒的に少ないし、水回りの設備も古くて暗い。
総務部門がある建物に至っては水道は本当に水しか出ないし、
しかも、お手洗いは男女兼用で、先に誰かが入っていると外で待つしかない。
女性が使う場合は専用の札を出しておかないと、使用している最中に他の誰かが入ってきてしまう恐れもある。
私は違う建物のお手洗いを使わせていただいているので、
一応、男女別とはなっているが、こちらも数が少ないので、
薄暗い廊下で空くのを待つことも少なくない。
特に今は冬だし、立て込むことも多いのだ。
その事が理由で、上司との面談の際に「退職したい」と言ってくる若い従業員も少なからずいる。

ただし、このくらいのことは私にとっては何てことない。
私が通った小学校は、歴史的建造物一歩手前くらいの古い古い木造校舎だった。
窓がこれ以上ないくらいに歪んでいて、薄い擦りガラスとの間にすき間が出来ており、冬はまるで外にいるかのように寒い。
教室の出入り口は建付けが悪く、絶対に締まらない。
暖房と言えば、小さい石油ストーブが教室の片隅にあるだけ。
あまりの寒さに上着を着たまま授業を受けるくらいで、手や足がしもやけになってしまい、苦しんでいる同級生もいた。
お手洗いは昔懐かしい汲み取り式で、必ずお友達と一緒に行くようにと言われていた。
驚かれるかもしれないが、お手洗い事情については、同級生のおうちも、水洗トイレがあるおうちは半分くらいだったんじゃないだろうか。
水道も蛇口が外にしか付いていなかったので、冬は凍って使えないのが常だった。
お掃除の時だけお湯がもらえるが、
バケツを下げて給食室までもらいに行かないと使えなかった。
蛇口からふんだんにお湯が出る環境なんてなかったのだ。
昭和とはそういうものだったのだ。
そんな環境で6年間を過ごしてきた私にとって、
お手洗いが洋式の水洗で、
蛇口からお湯が出る給湯設備があって、快適な室温であれば、
設備が多少古くても、仕事を辞めたくなる理由にはならない。

辞めたくなる理由、それは、「人間から出る音」である。
特に口や鼻から発せられる音にはかなり敏感に反応してしまう。
その部位から出る音が全て気になるのか、と言われれば、
独り言などでちゃんと言葉になっているものは気にならないから始末が悪い。

年が明けて、ほかの事業所からひとり、異動してきた人間がいる。
そいつが、一日中気になる音を発し続けるので、気が狂いそうなのだ。
定年を過ぎ、再雇用となった男性なのだが、
もともとは地元が本社のある地域で、以前はずっと本社勤務をされていたが、ほかの事業所に異動になり、異動になった先で定年を迎え、定年を機に本社に戻りたいと異動希望を出し続けて念願かなって本社へ戻ってきたという人物。
出張で本社にも来ていたし、電話ではしょっちゅうやり取りもしていたので、知らない人間ではないし、悪い印象はなかった。
今までは。
この人物、はっきり言って、一日中、いる間中、うるさい。
息を吸う音が「すうううううーーーー」「うぅぅぅぅーーーー」
息を吐く音が「ふぉぉぉぉぉーーーー」「こぉぉぉぉぉーーーーー」
どうも口呼吸で、マスクが苦しいらしい。
ダースベイダーなら呼吸音もかっこいいところだが、
ただの初老の男である。
ダースベイダーだって一日中一緒にいたらこちらの頭がおかしくなる。
口呼吸のせいで口が渇くのか、咳と咳払いをひっきりなしにやる。
私の大嫌いな咳払いである。
PCの画面を見ながら唸る「ヴヴヴヴヴヴーーーー」「うっううーーーーん」
しかも、一音一音の音が長い。
飲み物をじゅるじゅると音を立てて啜って飲む。
ひとくち飲んだ後に風呂に入る爺さんのように「ううぇーーーー」
あり得ないことに、げっぷやしゃっくり。
その後には必ず口腔内を強く息を吐き出す時に生じるのか、
「こおぉぉぉぉーーーーー」
そしてため息。
人前ではは控えた方がいいですよ、的な音をすべて網羅する勢いである。
モラルを疑う。
皆様も職場にて実践してごらんなさい。
たいていの女性から一発で嫌われます。
どうやったら、ただ座っているだけなのにこんなにも雑音が出るのか観察してしまった。
しかも、自分が発生している音に対して全くの自覚がない。
うちの母親がいう所の「雑音発生器」である。
昔取った杵柄なのか、庶務系の仕事に対してもいろいろと口をはさんでくるので、これまた拒否反応が出て受け付けない。

私は「音嫌悪症」の気があるので、
体調によってはこれらの音がどうしても我慢できずに、
ついつい睨みつけてしまったり、盛大にため息をつくのを抑えられない日がある。
意地悪な人間というものは、その機を逃さない。
隣の席に座るお局サマが、私がちょっと席を外した時に盛大に嫌味を言っているのが聞こえた。
彼はお局様のお気に入りなのだ。

ハラスメント。
昨今流行りの言葉で、何でもかんでもハラスメントになる世の中だが、
もしかして、と思い、調べてみた。
「音ハラスメント」「サウンドハラスメント」というハラスメントがあるそうだ。
ボールペンのノック音、咳払いや鼻すすり・・・
そんなものまで含まれるとか。
だとすると、私はハラスメント被害者として立派に訴えることが出来るらしい。そこまでしたいとは思わないけれど・・・

残念なのは、今まで彼に対して進言する人がいなかったということ。
元同僚の方に確認してみたけれど、
やはり唸りながら仕事をすることは事実だそうだ。
だが、その方は席が離れていたので”唸っていることがわかる”程度だったとか・・・
呼吸音については完全に私のわがままだけれど、
唸り声と咳払いとげっぷは本当に絶対にやめた方がいいと思う。
一番身近にいる家族が言うのが一番効果的だと思うけれど、
今まで誰からも言われたことが無いんだろうと思う。
それとも、家族からはすでに冷遇されているのか、
その家族もまた、自分から発せられる音に対して無頓着なのか。
口や鼻から出る音は、往々にして人を不快にさせてしまうことが多い。
特に言葉なんて、その最たるもので、平気で人を傷つけてしまったりするじゃないか。

一応は上司には伝えてあるけれど、デリケートな問題だからなア。
気にしない、気にしない、と自分を暗示に掛けるストレス、
誰にも相談できない孤独感。
働いてお給料をもらうことは厳しいのだと思い知る1月。







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