Noteと人インタビュー「私にとってファンタジーが人生、現実なんですよ」有恵あこ/ファンタジー作家・ライトワーカー

ファンタジー作家とライトワーカー(※スピリチュアル活動を通して癒しを行う人の総称)の2つの顔をもつ有恵あこさんには、当初「ファンタジーと私」というテーマでインタビューを設定していたが、「ファンタジーが人生」というテーマでと本人からの希望を受けてのインタビューとなった。ただし、このインタビューにおいて、ファンタジーという言葉には注意が必要だ。ここでのファンタジーは、『指輪物語』的な中世ヨーロッパの物語として使われず、現実になりうる希望や夢、幻想を指している。彼女はファンタジーを、現実とリンクした、もっと言えば彼女の人生と密着したものとして示そうとしている。ファンタジーの世界を生きるように現実の世界を生きてきたという。その半生の話を中心に、そこで強力な贈り物、道具として使われているスピリチュアルついてもたっぷりと実例を聞くことができた。2014年5月10日、渋谷のカフェとコインスペースで4時間30分にわたって取材させていただいた。(本文6280字はすべて無料)




長いインタビューになりましたので、BGMを用意しました。
本文にも出てくるアーティストです。

天野月子/ウタカタ
https://www.youtube.com/watch?v=eoA3x6fqhqc

今回の全体のテーマである「ファンタジーが人生」。これは何かというと、私にとってはファンンタジーが現実なんですよ。

たぶんみなさんがイメージしているファンタジーは、小説とか、アニメとか、ゲームなどで、そこには、2次元の壁を感じたり、現実離れしたもの、虚構やフィクションっていうイメージがあると思うんですけど、それは果たして本当に壁はあるのだろうか。みなさんに考えていただきながらお話につきあってほしいんです。

今連載中の小説『Aiz』も、まだ始まったばかりで、読まれた方は「王道のファンタジー小説だ」「自分とはまた別の世界の話なんだな」と初めは思うと想定していますが、読んで行くうちに「この現実とのリンク感は何なんだ?」と驚いてほしいんです。現実と切り離せないテーマが出てくるので、そこに注目していただきたいんです。

また、一方のスピリチュアルの世界も、今一般で話されている物ってファンタジーチックで、実現味がなかったりするんです。でもそういった現実離れしているものを、きちんと理解して活用できるとすっごく面白いんですよ。人生が。なので、スピリチュアルも嫌いな人も、ちょっとでもシステムを知って活用してもらって、これ面白いってなってもらえたらなと。例えば、読んでみてやってみて、願ったら実現した、みたいな。自分で自分の人生をファンタジーしていってほしいんです。

ここから、少し長いんですが、私の人生についてのお話をしたいと思います。かなり色々あった人生ですが、ファンタジーとスピリチュアルなしでは決して語れません。それは、私の人生の支えであり、生きる術であり、目的だったからです。

私は、小学生のときいじめをうけていて、死のうと思ったことは星の数ほどありました。

いじめを受けていると、どれぐらいの期間いじめをうけているか自分の中で分からなくなってくるんですね。自閉になって自分自身が起き上がれない。おそらく小学校2年から小学校の終わりの頃までは続いていました。でもその先もずっと人とは馴染めず、小説やマンガ、別の世界に行けるファンタジーが希望だったんです。

両親には突き放されていました。「自分自身でなんとかしなさい」と。いじめの報告をしたこともありましたが「子供のやることだから」、と取り合ってくれなくて。両親の不仲が酷いこともあって相談もまともにできませんでした。

その時代に、お話のファンタジーと平行して大好きだったのが機械のファンタジーです。『たまごっち』をドライバーで分解して改造したり、リモコン内部のホコリをとって治したり。どうやって動いてるんだろうっていうのがまさにファンタジーなんですよね。だから高校進学の時に現実的に将来を見て、機械系だし、これからはITだなと思って、専門高校の情報技術科に進みました。

高校の入学祝いでパソコンを買ってもらえたのは、今考えれば大きい事だったと思います。バイトをしながらネット代を自分で払ってインターネットもやっていました。HPをつくって、詩のようなものを書いていましたね。ただ結局、卒業後はプログラマとして就職したんです。詩は趣味でしかなかったので。

プログラマ時代は炎上するプロジェクトに参加して毎日終電まで働くこともありました。プログラムを組むのは楽しかったのですが、労働環境が良くありませんでした。みんな、死んだ目をして、泊まり込んで働いたりして。上に行ったらより酷くなる光景を見て、ここにずっと居たら私死ぬな、と思いましたね。

一方で、社会人になってお金が自由になった事は本当に大きかったですね。好きなゲームを買ったり小説を買ったり。いくつか買った小説の中で、田中芳樹さんの小説は最初に衝撃を受けましたね。田中芳樹さんの作品はメディア批判が沢山出てくるのですが、メディア大好きで真に受けていた自分にはすごく衝撃でした。まずは本当なの? って疑問に思って。そこで、実際に改めて見てみるとメディアの言ってる事が作為的な部分がある事がわかりました。そこで、今まで信じてきた物に疑いが生まれました。

その後に新たな衝撃を受けた作品が、西尾維新さんの『戯れ言』シリーズです。ずっと自分でこうだろうと読み進めていたものが実は違っていた、という驚きがあったんです。

まさしく、自分が見てきた物がファンタジー、幻想だったと気付かされた瞬間でした。それに気付いてから、見る世界が変わって、自分にもこういう物が書きたい、と強く思いました。そこで、プログラマという職業に未来を見いだせなかった私は、両親を説得して1年間小説を書くために無職で居ることを許してもらい、会社を辞めたんです。

思えば、19、20歳くらいのこの時期は、色々な人生の転機でした。会社を辞める少し前に姉が精神的な病気を患い、大変な事になりました。原因は色々ありましたが、家庭内不和もその一つで。病気発覚前、姉も色々な物を抱えていましたが、両親は相手にならず、相談できる所がどこにもなかったのです。姉の病気に家族みんなどうしたらいいのかわからない状態でした。私自身も、会社を辞めたものの精神状態は安定せず、働いていない事が嫌になって、3ヶ月くらいでまたプログラマとして別の会社に就職することに。けれど、依然として姉や家族の問題で辛い思いが続いていて……。そこで、私に深く関わって来たのがスピリチュアルでした。

昔から占い等は好きだったのですが、もっと深く知っていったのはこの頃だったと思います。そのきっかけがSTELLAさんという、ライトワーカーさんがやってらっしゃる「”AQUA”&STELLAの当たる占いガイド」というブログでした。

初めは紹介された占いを試しにやってみるくらいだったのですが、STELLAさんがブログでフラワーエッセンスを紹介されてて。そこからフラワーエッセンスに興味が沸きました。

フラワーエッセンスは、お花のエネルギーをお水に転写した物です。通常は保存料のブランデーやグリセリンと共にボトルに詰めて販売されています。これを、血管の集まる所である、舌の裏や手首などに垂らして使う事で、お花のエネルギーを受け取り、自分を癒すサポートにします。日本ではロフトとかで売られていてほぼ雑貨扱いですが、スピリチュアルの本場イギリスでは精神のケアとして保険が適用されているものなんですよ。

私は、このフラワーエッセンスでいじめや家庭不和等で自分の受けた傷をワーク(※次の段落で説明)し始めました。すると、本当にその傷がするするっと癒されていって、どんどん楽になっていったんです。なので、姉にもフラワーエッセンスを薦めたり。STELLAさんはワークショップもやってらっしゃって、自分で参加してみてよかったので、家族関係をなんとかしたくて家族で参加したりもしました。

スピリチュアルでは、自分自身の中にあるテーマ(自分の中にある解決したい事)に取り組みながら癒すことをワークと呼び、それをグループでやる、何かの体験を通じてやりましょうというのをワークショップと呼ぶんです。

家族で一緒にやったのはトランスフォーメーションゲームというワークショップでした。これは人生ゲームみたいなワークショップです。具体的にいうと、結婚したいとかパートナーがほしいとか、そういうテーマをゲームの終着点(ゴール)に設定してワークしていくのですね。

そのワークの中に、カードを引いて、テーマの障害となっているものをみんなにシェアして、みんなに支援しますと言ってもらうワークがありました。悩みを言うと、それを言葉だけでも支えてくれる人がいる。私にとっては画期的な体験でした。

初めは一人で参加したのですが、私の家族に足りないのはこういう事なんじゃないかと思って、どうしても家族で参加したくて。父はスピリチュアルとかそういうのが苦手で参加したがりませんでしたが、誕生日プレゼント代わりに参加して欲しいって説得しました。

トランスフォーメーションゲームでは、テーマを決めるのが大事なんです。姉は結婚したい。父は趣味を持ちたい。母は犬を飼いたいという風に決まっていく。最初父は、私と姉に結婚してほしいと言ったのですが、他人の事はテーマには出来ないんです。自分の人生のワークなので。そして、ワークショップを通じて一歩を踏み出し、テーマを共有することで、家族でもだんだんと話し合いができるようになっていきました。

家族関係がスピリチュアルを通して少し落ち着くのと平行して、大好きになったのがミュージシャンの天野月子さんでした。この方の存在は私の中で大きくて、何故かというと創作をしている方の中で初めて人間として興味を持った方だったからです。『ウタカタ』や『菩提樹』には大変な衝撃を受けましたし、自分の殻をやぶりたいという思いが生まれました。今まで自閉していて、何も出してこなかった自分が嫌で嫌で。合わせて恋人が出来たり、一人暮らしをしたりして、思いのままに自分の殻を打ち破っていった時期でしたね。

月子さんには『ウタカタ』をモチーフにした小説を書いて、手製本した本を渡したこともありました。今となっては本当に恥ずかしい話です。ご本人様にも申し訳なくて……。この頃は、HPで短編や詩を書いていましたが、長編を書いた事はまだありませんでした。この本が初めて書いた長編小説だったので、月子さんのおかげで書けて自信が持てた様に思います。

けれどその後、恋人と別れてしまったんです。この相手とは先がないからと思って決めて別れたので、自分では大丈夫だと思っていたんですけど、実際は傷が大きくて。心理学でもそうなんですが、本当につらいときに人は泣けないんですね。そこで何が起こるかっていうと、無感情状態です。手に湿疹ができて、すごく汗をかくようになっていました。その傷を癒す為に、より深くスピリチュアルの勉強をしていくんです。

初めはフラワーエッセンス、次にシータヒーリング(以下シータ)を勉強しました。シータは、アメリカ発の道具を使わないヒーリングです。7層のエネルギー構造がありまして、そこの第7層の無条件の愛のエネルギーをつかってヒーリングをしていきます。シータのエネルギー構造の知識は、今連載中の創作ファンタジー『Aiz』の世界設定の一部にもなっているんですよ。

シータは良いヒーリングで、すごく効果がありました。けれど、ここで使った「掘り下げ」と呼ばれるヒーリング手法は強力すぎるところがありまして。テーマをカウンセリングでざっくざっく掘り下げていくから、続けて行くと、人の心が丸だとすると、ぼっこぼっこになっていく。そうすると精神が不安定になってくるんですね。私自身も鋭いほうなので、自身を掘り下げすぎて不安定になり、「こらあかん」となったことがありました。体が置いて行かれてしまって……。そのときは体もちゃんとしないとだめなんだなと反省しました。栄養面の事もシータで勉強しますが、それでは足りない気がするので、何かと合わせなければいけないと思い、食事方面のスピリチュアルも勉強し始めました。

ちなみに、これは今の若い人、特に男の人に多いんですが、意識の才能に比べて、身体がついてきていないんです。体自体を大事にしないから行動ができない。女性には生理がありますから大事にするきっかけがあると思いますが……。本当にもったいないので、そういう人たちにこそスピリチュアルの基礎を学んでほしいと思っているんですよ。

それから、どんなに傷ついて助けたい人がいても、その人が助かりたいと思わない限り助かりません。これは、シータを勉強後に個人サロンを開いてみて実感したことなんです。私はリーディング(心を読み取る)が鋭いので、その人のテーマの核心が何かは分かります。けれども、その人がそこから目を背けているかぎりは、言ってもわからないし、癒されないんです。なので、自分の事は自分で癒すべきなんだなあと思いました。

そんな実感と個人サロンでは経済的に生活が立ち行かなくなった事で、実家に再び戻りました。それから、経済を立て直そうと、週5で仕事をやるようになったのですが、仕事を続けていくうちに背骨が痛くなって。背骨って人生の方向性に関わる所なので、そこが痛いって事は人生の方向が違うんだなと思ったんです。私は普通に生きれないんだなって改めて思いました。そこでの仕事は辞めて、背中の療養と少しだけの仕事をしつつ、3ヶ月くらい悩んでました。

そうして辿りついたのが、創作だったんです。やはり私は創作がしたいんだと。実は創作を中心に据えようと決心する前から、平行してゲームの二次創作を小説や漫画の形で発表していたんです。それがあったお陰もあって、一次創作で色々書けるようになっていました。元々は文章だけだったのが、絵も3年くらいかけて人にやっと見せられるくらいになっていたんですね。

私の場合、自分自身の精神状態がクリアじゃないと、創作活動ができません。なにしろ、過去のいじめでできた障壁だったり、自分で無駄に押し込めた気持ちだったり、出しちゃ行けないと思って出せなかったとこだったりを、ぶちやぶって行きながら創作をしているので。だから、エネルギーの良い場所に住み、エネルギー面も含めた食事管理を自分でするのは必須だったんです。それに気づいたら、再び一人暮らしする事を決めていましたね。

今の生活が出来始めたのが去年の5月頃になります。よい給料の職について、それは創作の余裕がある週4勤務で、職場の近くのエネルギーのよいに所住んで……って全てオーダー(願い事の定義)をして。

プログラマーになることについては現実的に考えて叶えましたが、スピリチュアルを知ってから叶えた事はほぼ、ファンタジーというか願いをオーダーして実現したことになります。猫を飼うこと、個人サロンを開く、あまり話には出しませんでしたが、中央FM(ラジオ)に出たのも、オーダーした願いが実現した事なんです。他にも色々、まるでファンタジーのように願い事が現実になっているんです。

おそらくファンタジーという幻想的な希望や、スピリチュアルという現実的な希望を抜きにしては、ここまでは来れなかったでしょう。読書などのファンタジーも面白いのですが、スピリチュアルに関わっていくにつれ、自分自身がファンタジーを作って行く、奇跡や希望を作っていくのが面白くて。

スピリチュアル界を見渡してみても、今のメインはセルフヒーリングやケアなんですね。スピリチュアルを活用して、自分自身のことを見つめる。自分自身をデザインしていく。日常生活を強化していく。スピリチュアルはすごく希望があるツールなんですね。

だから、アクティブな人はスピリチュアルの『ふんスピ』(※1)の記事を読んでいって、自分自身の希望をデザインしていってほしいし、まだそこまでいっていない昔の私のような人は、まず『Aiz』を読んでいってファンタジーで得られるもの、わくわく感、楽しさ、面白さなどを自分の人生に取り込んで希望をもって欲しい。幻想で終わらせない。ファンタジーなんだけど現実な人生をみなさんにもシェアして、体験していってもらえるよう、これからも頑張っていけたらと思っています。

*** ご案内 ***

有恵あこ
ファンタジー創作 https://note.mu/aac_pon
スピリチュアル講座 https://note.mu/akaari

※1 ふんわりしないスピリチュアル
https://note.mu/akaari/m/m7c20fdc7bf34

参考:”AQUA”&STELLAの当たる占いガイド
http://ameblo.jp/aquarious/



※special thanks ぽぷさん 
note https://note.mu/cure_pop
途中の原稿を一度読んでくださり、感想と指針を与えてくれた。
ファンタジーという言葉について冒頭で説明を加えられたのは、彼女の指摘のおかげ。

お読みいただきありがとうございました。インタビューはここで終了です。完結しています。ここからの有料部分は後書きです。今回も特典を用意したので、インタビュー企画の応援もかねてぜひお気軽にご購入を。気になる特典ですが、なんと、お願い事が叶うという秘密のパワースポットの場所と写真!になります。前回と同じく、1名様でも購入があったときに有料エリアに掲載させていただきます。

後書きは、初めてインタビューをしたときの感想やエピソード、長編のインタビューをまとめたときの苦労などです。前回と同様、逆質問のコーナーもあります。

今回の逆質問
「インタビューを通して見える自分の像はどんな像ですか?」
(インタビューって人の事を書いてあるものですので、それをやる事によってインタビュアーはどういう自分が見えてくるのかなーと思いまして)

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