シラサカミエ

フィクションです

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『寝ても覚めても』柴崎友香(河出文庫)

“普通”のベールに巧妙に巧妙に巧妙に隠された狂気  泉谷朝子は普通である。大阪の地味な大学を卒業して、地味な会社に勤めている。職場の人間関係に波風を立てるようなことはないし、とりたてて意欲的というわけでもないが日々たんたんと仕事をこなす。休日には女友だちと街へ出かけ、デパートでは憧れのハイブランドをやや気後れしながら覗き、収入に見合った範囲の、自分に良く似合う服にお給料をつぎこむことを楽しみにしている。男友だちのバンドのライブを観に行ったり、マイナーな劇団の手伝いをしてみた

    • 『満願』米澤穂信 (新潮社)

       社会で生きていく限り、ほとんどの場合、人はある役割を与えられる。“個人”として生きたいと願うことはあっても、役割を剥ぎ取られていざ放り出されてみると、立ち往生するばかりで何をしてよいのか分からない。多くの人は、肩書きや地位によって発言や振る舞いを無意識のうちに規定されている。心の底の願いや欲望を覗き込んで見えるものは、本当に自分自身の本音だろうか。そういった疑いを抱いてはじめて、本当の“自分”などというものは幻想でしかないのかもしれない、ということに気付く。   米澤穂信

      • 【お仕事報告】角川書店のサイト内企画「編集部が選ぶオススメ新書 座談会」記事の構成をしました。角川oneテーマ21編集部の御三方が他社の注目新書について語り合うという企画です。とりあげたのは星海社『現代語訳 意志の力』です。http://www.kadokawa.co.jp/one/info/post_61.php

        • 婆コレ

          超絶おばあちゃんッ子だったせいか、おばあちゃんが三度の飯より好き。造型が好き。他人のおばあちゃんでも好き。孫がいないただの老女でも好き。本日はネット上で拾い集めた秘蔵のババアコレクションを解放します。   まずは一枚目。アイコンに採用したほど好きなババア。三段跳びで迫り来る "BITCH" の文字では隠し切れずエプロンの内側からにじみ出る品の良さ。 おそらく家族を集めてBBQでもしていたのでしょう。エプロンを用意し忘れたことに気付き、純白の服が汚れないようにビッチな孫娘から

        『寝ても覚めても』柴崎友香(河出文庫)

        • 『満願』米澤穂信 (新潮社)

        • 【お仕事報告】角川書店のサイト内企画「編集部が選ぶオススメ新書 座談会」記事の構成をしました。角川oneテーマ21編集部の御三方が他社の注目新書について語り合うという企画です。とりあげたのは星海社『現代語訳 意志の力』です。http://www.kadokawa.co.jp/one/info/post_61.php