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Bagus!「恋の潮汐」 セルフライナーノーツ

Bagus!のラヴァーズロックはオーセンティックではない。
曲はなんだかアメリカっぽいし、演奏やアレンジも本場イギリスやジャマイカのそれともどこか違う。

これは聞きかじりの話ではあるのだが、かつて日本のある有名レゲエグループがジャマイカで「なんでお前たちは日本人なのにジャマイカンの真似をする?」と現地のミュージシャンに問われたことがあるという。その経験があったからこそ、彼らは独自の表現に辿り着いたそうだ。とは言え、その表現に関して当時は随分批判も浴びたそうだが。

Bagus!はイギリスやジャマイカの人たちに何か言われたわけではないのだが、ラヴァーズロックのフレームは守りながら「できるだけメンバーみんなの得意なことをやろう」ということをいつからか重要なテーマの一つにしていたような気がする。(と言いつつ、トラック2の魔法はラヴァーズロックのフレームからはみ出てしまったが)

作曲をする白川と小西はアメリカンミュージックやその影響下にある日本のポップスがお気に入り。演奏とアレンジをする楽器隊もレゲエミュージックがルーツなメンバーはおらず、それぞれの活動ではBagus!と違う表現で活躍している。

しかし、だからこそクロスオーバーでオリジナリティのあるラヴァーズロック/ポップスが、そこに表れていると言えないだろうか?

もう一度言おう。Bagus!のラヴァーズロックはオーセンティックではない。加えてBagus!は日本でも脈々と受け継がれているレゲエミュージックの伝導者でもない。
ただ、先人たちの歌から受け取った「トキメキ」をラヴァーズロックバンドとして表現していきたいのだ。

「恋の潮汐」には、そんな風にラヴァーズロックと向き合ってきたBagus!の3年間をパッキングしてある。どうか「こんなのはラヴァーズロックじゃない!」的なことは言わずに、寛大な心でお楽しみいただけることを願う。
そして、僕たちの受け取った「トキメキ」を、お聴きいただいた皆様に少しでもお渡しできたなら、これ以上の喜びはない。

◆Bagus!「恋の潮汐」配信リンク
https://big-up.style/7937pykxEc

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