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ホテル絵日記/New World Saigon Hotel


年内打ち止めかと思っていたら図らずも航空券付きで招待されてここに泊まってきました。以前泊まったことがありその時は絵にしなかった、つまりは特に描くべきものがないと思ったホテルでしたが今回は描きました。ワタシも歳をとり多少謙虚になりました。
 
ホーチミンの観光名所であり今度地下鉄駅ができて大地下街まで作られたBến Thành市場近くにある古い5スターホテルです。地下鉄は2020年の開業予定が延びに延びに延び、まだいつ走るかわかりません。こっちでは普通のことですけど。
ホテルに入ると玄関ロビーでクリスマスツリーの工事中でした。翌朝の出来上がりもキレイでしたが途中も藁を段々に積み上げて、このままでもいいんでないかい、と思いました。


部屋は前とあまり変わってないように見えましたが多少改装しています。浴室に窓もなくレイアウトは普通です。奥行きが深くソファー部分、専門用語でパーラーをかなりゆったり取っています。
床はベッド、ソファー周りがカーペット、入口と浴室は味も素っ気もないタイルです。壁は薄い茶色のクロス、壁の上のほうと天井は白いペンキなんだけどこの貼分けがカラダ感覚的にキモチよかったりしました。意味わかんなーい。
 

キモチいい貼分け


浴室の入口側だけ新しく木調パネル張りになっています。天井の間接照明なども追加したものと想像します。
シャワーブースはなくバスタブにしぶき除けのガラスドアが付いています。奥半分は濡れれば濡れてもいいって考え。ほかのホテルのシャワーブースにしても全部ガラスで囲む必要はありません。シャワーカーテンは今どき使いません。
 

便器真正面浴室


寝るときに冷房を切ろうとして切れなくて、カードキーまで抜いても微風が止まらず、分厚い布団にもぐり混んで寝ました。それで朝になったら肩が冷えていて久し振りに風呂にお湯を入れて入りました。見事なお湯の出。
 
デザインで余計なことをしないとか、部屋が適度に広く必要十分な家具が揃っているとか、アイロンとアイロン台まで部屋に備わっているとか、お湯が気前よく出るとか、そういうことが5スターの5スターたる所以だと言ってるようなデザインです。
 
最近はインスタ映えとか、わかりやすく派手で大袈裟なものが持て囃されます。でもそれらはあっという間に飽きられてゴミになるだけです。
建築の場合、長く残るモノだけがいいデザインとは限りませんが、スクラップアンドビルドしてる一方で地球に優しいとか言ってる不動産屋のCMなんか見せられるとヘソで茶沸かす。
その点、ここは地味で長続きしてるので実に好ましい。
 
話は逸れますが、あの仮設の大きな木造雨除けに何百億円もかけるのは単純におカネも木ももったいないけど、そこにデザインの情熱を注げる人のキモチがワタシには理解できません。
パビリオンを全部決まった部材だけで作るプレハブにすればよかった。所謂Xタイプ?
セカイ中の建築家がアイデアを競い合えば絶対におもしろいモノになったはず。今更だけど、、


段々は藁、ワラワラ

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