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ベトナム鍋図鑑/『Hà Nội Tân TânのChả Cá』


美少女図鑑はちょっと置いといて鍋が続きます。
鍋のほうが描いてて楽しいのはやはり花より団子だからです。花鍋では花を食べますが、比喩的に言えば花は食べられない。
 
これはずいぶん前に食べたチャーカーです。チャーカーが鍋か、というのは議論の余地があるとしても、すき焼きを見ればわかるようにスープの有無は関係ありません。器が若干ネックでした。
この店ではキッチンで魚を8割方炒めてそのフライパンのままテーブルのコンロに運ばれてくるので、所謂みんなで鍋を囲むという形にはなりません。フライパンを囲んでつつく。
 
辞書には、鍋料理とは「食卓で、取っ手の付いた加熱用の調理器具を使い、食材を加熱調理しながら温かい状態で食べる料理」と書かれています。コンロで温めながら食べるのが重要なのでチャーカーは立派な鍋です。
因みに韓国料理のチゲはチゲそのものが鍋という意味です。だからチゲ鍋は隅田川リバーと同じくらい屋上屋を架す言い方です。
もう少し言うと暑い国では屋根の上にもう一つ日除けの屋根を架けることがあり、必ずしも無駄なことではありません。
 
話が逸れました。チャーカーそのものについてはこっちで詳しく書きました。ハノイ発祥の魚料理です。
この店についてもそっちで書いてますがしばらく行かないうちに看板が新しくなりました。コロナ明けで心機一転です。
nhkの「二度目のハノイ」でイケ麺ニーさんがここで食べています。旧市街にチャーカー発祥の店というのもありますが、有名店で且つウマいとなるとこっちになります。
 
野菜の盛り付けに老舗としての矜持が感じられます。金魚鉢に入れる水草のようなディルの中に切り揃えられた葱がびっしりと並べられています。いくら魚との相性がいいといっても、こんなにたくさんのディル 食べれなーい、と思っても煮れば食べられます。
 
右上は2種類のタレで、ガイジン客には普通 茶色のヌックチャムしか供されません。ヌックマムベースなので魚醤系です。
紫色っぽいのはマムトムというエビの内臓を発酵させたモノです。レモン汁をたっぷり入れても眉毛が抜けるほど強烈な匂いです。ベトナム人はこっちで食べます。口に入れれば匂いは和らぎ、むしろ爽やかな香りすら感じます。
 
左に並ぶのはピーナッツ、パクチー、唐辛子、米麺のブンで、煮た魚フライ、野菜と一緒に食べます。タレはスプーンでかけても、食べる直前に浸けても、好きにしてください。
魚は所謂雷魚と呼ばれるドジョウ科の巨大川魚で、匂い消しにターメリックをまぶして揚げています。
やはりこの魚の質、味付け、揚げ具合が旨さの決め手で、人気店の腕の見せ所になっています。この店はどこかの川の重量何キログラム以上限定って言ってたような。
 
さて諸々大混乱の年末です。一昨日海底ケーブルがまた切れて、ニッポンのテレビが静止画になりました。
今朝は6時から工事で近所一帯が停電しました。もうどうにでもなれっ、皆さんよいお年をっ!


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