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ベトナム鍋図鑑/『Hải sản Tomatoのカニ鍋


ウチの近所の『海鮮トマト』という変な名前のシーフードレストランで食べたカニ鍋です。
ベトナムでもカニは人気の食材ですが種類はピンキリで、所謂ニッポンの沢蟹みたいな川で獲れる小さなものからタラバ蟹みたいなものまでいろいろあります。
小さいのは潰して身とミソをソバのスープに入れて食べたりします。Bún riêu cua/ブン ズィェウ クアです。大きいのは如何様にも。
 
今回食べたのは甲羅の縁にノコギリのようなギザギザが付いていることからニッポンでは「ノコギリガザミ」と呼ばれる泥蟹系の一種です。英語ではマングローブクラブ、またはMud crab。
この店ではカニの名産地であるベトナム最南端Cà Mau/カマウ省で獲れるカニだけを使っています。メコン川河口のマングローブ林の中で蠢いている様子が目に浮かびます。
 
ベトナム人が注文したので鍋の正式名称は不明です。カレ等メニューを見ずにアーだコーだ言って決めるので。どうやら大きなカニ一匹と野菜の鍋で、スープはカニみそ系の濃厚なもののようでした。
奥のうどん状のモノは大人の腕くらいある巨大なキューリを細切りにしたもので軽く茹でて食べます。まさにうどん。
左のは瓜系に違いはないんだけどキューリより少し硬い。
葉っぱは若干苦味があってホウレンソウみたいな食感です。カニには必ずこれが付いてくるらしい。
あとはそれぞれに小皿でハーブ類とキューリの辛い浅漬け。キューリ系が多い。
〆はMien/ミエン/春雨です。カニと言えばMien。タレは唐辛子系とレモン塩の2種類。
 
鍋がカウボーイハットをひっくり返したような形で、縁に野菜を並べたまま真ん中の凹んだ部分でまずはカニを茹でます。
茹で上がると店の人が切り分けて殻を割った状態にしてくれます。甲羅の部分はスープの中に入れたままダシになります。
あとは野菜を入れたり最後にMienを入れたり。具の種類が少なくて若干物足りなさを感じたもののカニ自体はそこそこウマかったです。
 
因みにこのカニのメスは今の時期 卵びっしりでそっちを好む人もいます。痛風には悪いに決まってる。
オスは卵がない分、身が甘くてウマいってことですが両方食べたわけではないのでわかりません。1個ずつ2個付いてくるのもメニューにはありました。
 
泥蟹で思い出すのは、30年くらい前にシゴトでフィリピンのマニラ郊外にある元米軍基地を改装したリゾートに泊まり、そこのカジノで当てたおカネで食べたのがウマかったこと。茹でたか煮たか、一口じゃ食べきれないくらいの巨大な爪の肉に辛いソースを付けて、、
それでもワタシゃカニには酢醤油が一番合うと思うけど。
 
さてベトナムはクリスマスから正月、旧正月(今年は1月22日)に連なる怠惰な季節の真っ最中です。みんな浮かれててシゴトしません。
おまけにサッカーの東南アジアカップも始まりました。ワールドカップより盛り上がります。
旧正月前にはキレイにおカネ問題を片付けるという、数少ない民族的美徳だけがワタシの生きるノゾミです。

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