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ベトナム鍋図鑑/『Bò Tơ Quán Mộcの豪華5段重ね花&肉鍋』


これはカイシャの陰暦忘年会で行った地元系レストランで食べた鍋です。西暦忘年会も同じチェーンの店でした。安くて旨いという条件でスタッフが選びます。カイシャの財布に優しいレストラン。
ベトナム人は食べることに関して妥協しません。マズい店に行くとあからさまにマズいって言うのでおカネを出す身としてはカチンとくることもあります。ニッポン人はご馳走されて普通マズいとは言わないから。
ただそこで怒っちゃいけません。民族の特性としてしっかり理解しておくべきことです。
 
完全地元系なので店内には大きなテーブルが並んでいます。8人席が標準で20人席くらいまで簡単にくっつけられます。
お客がとにかく大声で喋ります。ニッポンの居酒屋の比じゃありません。意味が分からない分、耐えられます。
一人で行ったら迷惑がられるでしょう。ビアホイにはたまに一人で行って4人席で飲んだりします。さぞかし寂しいオヂサンに見えることでしょう。平均寿命的にはオヂーサンかな。
 
鍋の最大の特徴は豪華5段重ねの肉皿タワーです。こういう見た目もベトナム人は重視します。が、食べるときは上から皿ごと取ってどばどば入れます。
鍋の中を静物画のようにきれいにレイアウトしようなんて発想はありません。カレ等の行動には理解できないことだらけです。
 
肉は鶏、豚、牛と3役揃い踏み。一番上は鶏肉団子、だったかな。
野菜は花系が以前書いたHoa điên điển、ニッポン名はクレイジーフラワーなど、葉っぱ系はクレソンと白菜、あとは茎系のフキだかセロリだか、実系はオクラです。赤、黄、緑と彩りが美しい。
スープは辛そうに見えますがそうでもなかったです。トマト、唐辛子が浮かんでいます。
ハッキリ言ってよく覚えていないのです。その場でメモでも取らない限りすぐに忘れちゃう。音声で吹き込むって言ったってうるさくて。
 
タレは唐辛子、スダチ、味噌系、醤油系などいろいろ出てきました。このほかにアレちょーだい、みたいに言うと持ってきてくれます。この辺りもまた民族的特性です。味付けはジブンの好きなようにやる。
ニッポン人がラーメン屋でニンニクをちょこっと追加するのとはワケが違います。匂いとか気にしません。
 
ベトナム人の鍋の食べ方で最近気付いた大きな特徴は、途中で具をどんどん引き上げてお皿の上に出すことです。猫舌なので冷まして食べるのです。
見ててウマそうに見えないのでワタシは一度引き上げたものは食べたくないんだけど、カノジョ等ケイロウ精神でワタシのお椀に入れてくれます。それ以上はしてくれません。
 
〆はブンです。スープに5秒浸けるくらいで十分です。もともと火を通す必要はありません。
ただべたべたくっつくので若干厄介です。ベトナム人はハサミでばさばさ切りますが、ワタシは鍋にドバっと入れて解すのが好きです。
 
鍋は食ブンカのルツボです。一緒に一つの鍋から食べるので食べ方の違いとかがモロに出ます。それはそれで楽しい衝突です。

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