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詩「変身」

夜中になると私は
脚は八本
眼は三つの
巨大な毒蜘蛛になる

もう毎晩のことなので慣れてはいるし
早寝をしてしまえば関係がない

うっかりと酒がすすんで
すっかり夜更けになっていて
「しまった」
と気づく頃にはもう遅い

一度毒蜘蛛になってしまったら
夜が明けるまでそのままなのだ

六畳ワンルームの部屋にぎりぎり収まる体
ギチギチと音を立てる八本の脚
らんらんと光る三つの目

恐ろしくはない
だって
私はこの毒蜘蛛の名前を知っている

真夜中に私の体を乗っ取るそれは
「虚栄心」
という怪物である

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