鯨の胃袋でできたクラブの夢

そのクラブはなんでも鯨の胃袋や肺を壁材にあしらっているらしく、低音が響くたび異様にたわんだり膨らんだりする。
おれはそのクラブでおおっとか、わっ、とかいいながら蛍光グリーンの炭酸飲料をおおかたこぼしながら中二階にあがろうとする。
耳の可聴範囲ギリギリのど低音に一音ごとにニュアンスが変わってゆく異常に輪郭のはっきりしたハイハットの音。
それに清潔な声質なのだがそれがやたらに猥褻に聞こえる女のささやき声。なにを言っているかはわからない。
蠱惑的な音楽にぐらぐらにされながらどこかゆっくりできる椅子をさがす。
俺のみつけた椅子はモップでできたような粘菌のような奇妙なひだで構成されていて、腰掛けるやいなや、俺は椅子の中に埋もれてゆき姿形もなくなる。
さっきまで聴いていた音楽もくぐもってゆく。
くぐもった音を聴きながら、あ、この状態できくのが正しい音楽の聴き方なのだな、などと思う。
こんな夢を見ました。

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