見出し画像

[カヌレクエスト]その4 蜜蝋の扱いだけがうまくなる

今日はまだお盆中だ。我が一族は新暦のお盆を採用しているものであるから、ご先祖の滞在は先月だった。故に時間があるし、一昨日カステラが片付いてもいるので、いっちょうやったるかと思ったのだが忘れていた。こんなに短期間に忘れるのもどうかと思うが今日は焼けない。生地を24時間以上寝かせる必要があった。仕方がないので、生地をつくって冷蔵庫に入れ、型に蜜蝋の膜をつくるあの作業でもしておこう。いや、本当にめんどうに巻き込まれた感がある。100%成功のおやつを作るならば……カヌレよりもおいしいおやつを作るならば……そんなふうには思わないのに。正味なところ、自分でつくる焼き菓子だったら、一択でなかしましほさんのロータスビスケットを使うチーズケーキだ。あれほどうまいおやつは無い(「なかしましほ チーズケーキ ロータス」でよろしく。レシピ通りにフィラデルフィアとロータスで作らないとならぬ)。しかし、「難しくて作れなかった」はないよなーと思っているので、うまく焼けるようになるまでは焼く。

前回、手こずっていた蜜蝋の扱いだが、いまじゃもう……あーた、2回目にして完璧よ。まず、軍手を使うことを覚えた。そして、これがいちばんのポイントなのだが、注ぎ口と把手とフタのついた蝋を溶かす容器を購入したのだ。そして、余分な蝋を落とすための網。網からおちた蝋をうけとめるキッチンペーパー。素人にはいい道具だ、とにかく。筆を選ばなくなるのは弘法になってからだ。1滴も蝋をこぼすこと無く、カップに溶けた蝋をイン。まんべんなく側面についたら次のカップにイン。最後は容器にもどす。型が冷えていると多くの蝋がついてしまうので、温めておくとよい。そして、余分な蝋をおとすため、蝋の融点よりも高い温度のオーブンに逆さまにしてイン。

この、網からおちる余計な蝋がうっすら緑色になるのが気にならなくもない。銅が酸化してできる緑青である。型は銅製なので、そりゃ酸化するのは当たり前。しかし、足尾銅山鉱毒事件をしつこく勉強させられたので、銅というものは恐ろしいものだと思っている。なので、とりあえず緑青について調べておいた。現在では無毒とされている。ん? いろいろなことを考えるが、まあいい。私は社会問題や思想についてどうこうしているのではなく、フランスのお菓子カヌレをおいしく焼けるようになる、というおめでたい目標のために精進しているわけだから。ただ、この薄緑の蝋を再利用はあまりしたくないので捨てることにした。なので、一番最初に型にいれるときに、できるだけ効率よく型に塗り拡げることを心して作業することにする。

しかし、まじで完璧……。

※動画は早送りのほうがいいにきまっているが、なにはともあれタイムラプス。