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電車の運転免許の手続きで運輸局に連絡した話


電車の運転に必要な免許とは

正式名称は動力車操縦者免許。
列車を運転するために必要な国家資格の免許です。
「動免」と略して呼ばれることが多いです。
自動車免許が普通、大型、けん引…などと別れているのと同じで、この動免もいろいろな種類があります。
普通の鉄道を運転するのに必要な甲種、一般に路面電車と呼ばれる軌道線の運転に必要な乙種、電車の運転には電気車、ディーゼル車の運転には内燃…と面倒くさいので書ききれないぐらいです。
私が所持していたのは普通の鉄道で電車を運転するのに必要な免許、ということで
甲種電気車運転免許
でした。
一度取得すればこの免許は原則生涯更新手続きがありません。

なぜ手続きが必要?

生涯更新の手続きがない免許なのになぜ運輸局で手続きをする必要があったのか?
動力車操縦者運転免許に関する省令に次の通り定められています。

第十三条 運転免許を受けた者は、運転免許証の記載事項のうち、氏名又は所属事業者名に変更を生じたときは、遅滞なく、第三号様式により当該変更の事実を証明する書類及び当該運転免許証を添えて地方運輸局長に申請書を提出して、運転免許証記載事項の変更の記入の申請をしなければならない。


車の運転と違い、鉄道の運転士は運転する路線の信号の位置、カーブ、速度制限などを全て把握している必要があり
「明日は初めて高速道路で千葉まで行く!一人だから間違えないかドキドキ!」
みたいなことはありません。
こんなのが関係あるかどうかは知りませんが、免許証には所属事業者名が書かれています。
退職、転職などで所属事業者が変更となった場合は上記省令にあるように遅滞なく申請しなければなりません。
この手続きは所属している(いた)事業者で行うことが多いようです。

免許証の例

鉄道会社を退職しました

先日ある鉄道会社を退職したのですが、離職日から一ヵ月を過ぎても会社預かりだった免許証が手元に返って来ません。
離職時にどうするか聞くと「対応が決まっていないので決まり次第連絡する。」との返事だったのですが、その連絡もありません。
状況の確認をしようと電話したところ
「会社で手続きを行うが所属事業者名の変更はまだ行われていない。いつやるかも分からない。何人分も溜まっている。」
との返答が。
「自分で手続きするからもう返してください。」
と申し出て手続してきました。

必要な書類は?

①離職を証明できるもの
前述の省令十三条に基づき、所属事業者を退職したことを証明できる書類が必要です。
基本的には
健康保険 厚生年金資格取得(喪失)証明書
があれば大丈夫です。
基本的に、と書いたのはこの書類に関してトラブルがあったからです。後述します。
②運転免許証記載事項変更記入申請書
動力車操縦者運転免許証に関する省令 第3号様式
です。
運転免許の種類及び番号と変更事項、その他必要事項を記入し提出します。
興味のある方はググればPDFでゲットできます。

手続き

変更手続きは各地域の運輸局で行います。私は四国運輸局で行いました。
手続きの際は事前に電話連絡しておきましょう。
様々な部署がありますが、
動力車操縦者運転免許に係る業務
を行うところに連絡します。
四国運輸局の場合は
鉄道部安全指導推進官
が受付窓口でした。

ただし相手はお役所。
対応は平日の日中のみです。
電話連絡はできてもシフト勤務の仕事でないと運輸局に持ち込んでの提出はなかなか難しいものがあります。
電話で「郵送で対応可能ですか?」と聞いたところOKがもらえたので送付先など聞き、必要書類を郵送します。

さて、ここでトラブルです。
2024年1月X日が私の退職日なのですが、前職の会社発行の健康保険 厚生年金資格取得(喪失)証明書の発行日が2023年1月X日になっています。
このことを伝えると
「前例がないのでなんとも言えない。手続きの際不可となる可能性が高い。」
『雇用保険被保険者離職票なら手元にあります。』
「じゃあとりあえずその2種類送ってください。問題があれば連絡します。」
とのことでした。
辞めた会社のことは信用せず、もらった書類は舐め回すように確認しましょう。
辞めた後もうんざりするほど迷惑をかけてくれる会社、素敵ですね。

ということで、今回私が送付した書類は
健康保険 厚生年金資格取得(喪失)証明書のコピー
雇用保険被保険者離職票のコピー
動力車操縦者免許(原本)
運転免許証記載事項変更記入申請書
の計4種類です。
送付方法の指定はありませんでしたが、心配な方は簡易書留などで送るのが安心だと思います。

返ってくるまでの期間と費用

約二週間で返ってきました。
費用は電話代、郵送費ぐらいで手続き自体にお金はかかっていません。

所属事業者なしの文字が追記された免許証

最後に

正直滅茶苦茶迷惑な話でしたが、貴重な体験ができたかなぁと思っています。
そもそもなかなか免許を返してくれない…なんてこと自体あまりないと思いますが…
鉄道会社を退職して(する予定で)返してくれない方は最悪
紛失再発行→更新手続きという手段があると思います。

ご覧いただきありがとうございました!


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