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知ってたらよかった機能図

さて、建築士の試験勉強のときに習ったことで「これ大学で教えた方がいいよ」と思った内容の話をしましょう。

それは機能図です。どこかの授業で教わっていたらごめんなさい、僕が知らなかっただけなのでそっとこのページを閉じてスルーしてください。

---計画する時間---

機能図とは、製図試験のエスキスの段階で使うものです。製図の試験は約6時間の1発勝負です。6時間は図面を描くために全て費やされるわけではなく、最初の30分で課題書の読み込み、そこから1時間〜1時間半くらいで計画を終わらせます。機能図をしっかりと使いこなせないと計画が上手くいきません。

機能図でコントロールするのは部屋の配置です。「そんなの普通にやってればできますよ」、確かにそうでしょう、設計演習ではね。1級の製図試験はさっきも言った通り1時間から1時間半で計画を終わらせなければなりません。設計演習の感じでチンタラとやってると必ず見落としをしてしまい失敗します。効率的に情報を整理する必要があります。

---ゾーニング---

試験に出る建物は、ある程度複雑で不特定多数の人が利用するビルディングタイプになります。ちなみに1級建築士の製図試験過去10年間の課題は、
2020年 高齢者介護施設
2019年 美術館の分館 
2018年 健康づくりのためのスポーツ施設
2017年 小規模なリゾートホテル
2016年 子供・子育て支援センター
2015年 市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅
2014年 温浴施設のある「道の駅」
2013年 大学のセミナーハウス
2012年 地域図書館 図書館
2011年 介護老人保健施設
です。これらに共通するのか、
・利用者が利用する利用者ゾーン
・管理者が利用する管理ゾーン
・利用者以外も利用する共有ゾーン

の3種類があることです(共有ゾーンは建物によって入ってくる人が変わってくるけど)。大事なのがこれらの動線がまとまっていて、かつ交錯していないことです。ですので、課題書で与えられた部屋がどのゾーンのものなのかまずは分類する必要があります。これをエスキス段階でのゾーニングと言います。

---グルーピング---

その上で、さらに部屋をグルーピングしていきます。注目するのはくっついていないといけない部屋はどれなのかということです。例えば浴室と脱衣所とか、エントランスホールと風除室と階段とトイレとか、廊下とエレベーターとか。
一つ一つをパズルするのではなくて、いくつかのまとまりを作ってパズルのピースを減らす作業をします。

---つながりを整理---

ここまでくると、そのまとまったピースを配置していきます。これまでのゾーニングとグルーピングを頼りに絵にしていきます。このとき注意しないといけないのが、動線の交錯とゾーンの跨ぎです。これは絵にしてみないとわかりません、でもしっかり描く必要はなく、部屋どおしの並びと繋がりだけさっと整理できればいいんです。そのとき登場するのが機能図です。こんな感じ↓

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『一級建築士memo』2009.2.17の記事 より
https://ameblo.jp/a-mp/entry-10210009096.html
機能図に必要な面積の話はすっ飛ばしましたが、詳しくはリンクのページを見てください。3回にわたって機能図の説明をしています。

---もはや遅いのでは---

「もしもこれを設計演習で使っていたら別のことにしっかりと時間を使えたのに」と思った次第です。しかしこれは1回生とか2回生に言う内容だよね。。みなさんは製図の試験のときに改めて思い出して使ってみてください!
今日はこのへんで。



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