建築設計研究室(白須ゼミ)@摂南大学理工学部建築学科

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講評会で選ばれなかったときにやること

選ばれるかどうかを分けるのは? 講評会の選抜や評価は水ものと言われます。「なぜ選ばれなかったか」の理由が作品の良し悪しだけでなく、周りとの相対的な関係(例えば他に同じようなの作品があった、とか発表する順番とか)で決まるからです。 なので、選ばれたからOK、選ばれなかったからダメというわけではなく、選ばれたらやること、選ばれなかったらやることをちゃんと意識できてるかが大切になります。 選ばれたらやること というのは巷に溢れていますね。いわゆるプレゼンテーションの極意的なや

    • 時間ないよね

      「時間ないって…」と聞こえてくる頃ですね。 大学に限らず、今後いろんな締め切りに追われることはもう当たり前になるので、いかにしてその対応を身につけるかというのはとても重要なことです。 ・がんばったらできる というのは迷信です。というより、締め切り間際なんてみんながんばるので、できるかできないかはかんばるかどうかに関係なく、どうがんばるかの問題ですね。その「どう」を自分のなかで手法化するのが鍵になります。 ・じゃなくて締め切りが被って… そうなんですよね。同じ週に締め切

      • chatGPTはいい?わるい?

        最近増えてます 最近のレポートでchatGPTを使用したものが増えてきているので、改めてここで書いておきたいと思います。(説教じゃないよ) まず、前提として私は(個人的意見)、chatGPTは使ってますし、若い世代は尚更使うべきだと思っています(ただし場所とタイミングによりますが)。 効率的に働いて生産性を上げなければ 理由は2つ。これから日本は人口減少社会がどんどん進んでいきます。推計によると新しい世代は常に数を減少させていきますから、多くの高齢者をより少ない若い世代

        • 知ってたらよかった機能図

          さて、建築士の試験勉強のときに習ったことで「これ大学で教えた方がいいよ」と思った内容の話をしましょう。 それは機能図です。どこかの授業で教わっていたらごめんなさい、僕が知らなかっただけなのでそっとこのページを閉じてスルーしてください。 ---計画する時間---機能図とは、製図試験のエスキスの段階で使うものです。製図の試験は約6時間の1発勝負です。6時間は図面を描くために全て費やされるわけではなく、最初の30分で課題書の読み込み、そこから1時間〜1時間半くらいで計画を終わら

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        • 白須先生が帰りの電車で考えていること
          22本

        記事

          『建築概論』の授業とはなんだったか

          全15回の講義おつかれさまでした。 「概論」なので、建築のたくさんの分野をバタバタと走り抜けるような講義でした。これから3年半かけてこの15回で駆け抜けた分野を「歩き直す」ように学んでいきます。そのとき「なんかこれ聞いたことあるな」と思えたらよいなと思います。初めて学ぶのと学び直すというのは知識が身につく確率が格段に違ってきます(知らんけど)。 あっちゃんがしゃべってる私にとってはじめての対面での座学でした。2020年にこの授業が始まってから2年間はオンラインだったため、自

          学生時代の海外旅行.5(最終回)

          修正 旅行してた当時の日記が出てきたので確認したら、記憶ちがいがあったので修正しておきます。20年前の記憶とは曖昧なものです。 ・ストライキにあい9/23から24はアヴィニョンの地下駐車場で野宿 ・9/24の夜にスペイン入り、その日はそのまま宿を見つけてゆっくり寝る ・9/25、ダニーカラバンの彫刻の前でカメラマンに会う。 ・そのままダニーカラバンに会うことに、「10分後にダニーが駅に到着する!」 「次の日にくる」と記憶していたのですが、本当は「10分後にくる」でした。

          学生時代の海外旅行.4

          ストライキをくぐり抜けてやっとの思いでスペインまでたどり着きました。残すところあと数日、しかもお金もそこを着きかけていました。 3年越しの目的地到着したのはスペインとフランスとの国境にある地中海に面した小さな田舎町。実はこの町を知ったのは大学の1年生のときでした。 デザインの先生の研究室に遊びにいったときに、置いてある洋書を何気なしにパラパラと見ていました。その中にあったのが、ポルト・ボウにある彫刻『パッサージュ〜ヴァルター・ベンヤミンへのオマージュ〜』でした。 少し説明

          学生時代の海外旅行.3

          旅の話の続きを。 9月の大規模ストライキのせいでスペインに入れずウロウロしてるとアヴィニョンの駅で夜にえらいことになったとこまで話しました。 宿なんて予定してなくて、けっこう治安の悪いところで夜になって投げ出されたんです。 キレますよねまあとりあえずキレますよね。 本気でキレたら言語なんて関係ないんです。日本語で怒鳴りつけていました。 「お前が電車来るって言うから待ってたんだろが!! お前は信用ならん!! 上のもんに確認しろ! ほんとに来るんだな!! 今すぐ確認しろーーー!

          学生時代の海外旅行.2

          今日はまた旅行の話を。いまは新型コロナの影響でなかなか海外はいけません。落ち着いたころにまた行ってみたいものです。 ストライキにあった ヨーロッパは観光客の影響が少ない9月に大規模なストライキをやっていました。日本では今では馴染みがないですが、要は仕事をとめて給料や労働環境についての交渉をするんです。大規模というのがほんと大規模で、国家間を行き来する鉄道が止まってしまいました。 パリからマルセイユを経由してスペインに行こうとしていたのですが、ここで1週間くらいは足止めをく

          学生時代の海外旅行

          大学生のときに海外旅行をした話です。いわゆるバックパッカーで、3回生の夏休み1ヶ月間ヨーロッパを4カ国行きました。パスポートをとって3日で出発、親には「ちょっと旅行行ってきます」とだけ告げて出た初めての海外でした。 3回生の後期から建築家の先生のゼミに所属することが決まっていたので意気込んでいたんでしょうね。同じゼミに入る友達と3人で1ヶ月それぞれ別のところに一人旅しようと決め、「じゃあ1ヶ月後に会おうな、ゴン(グータッチ)」とか恥ずかしげもなく青春してました(恥ずかしい)

          疲れたときにちょっと座るようなかたちってどう考えたらいいですか

          ダンボールで椅子をつくる いま1年生の設計課題で「すわるかたち」をいうのをやってまして、今日はその話を。「すわるかたち」はダンボールを使って1/1サイズのイスをつくり、講評会では教員が座る(壊れると、、OMG)という課題です。構造、材料、身体寸法、意匠などをリアルサイズで学べる課題で、建築学科ではやってるとこもけっこうあるかと。ワイワイとダンボールを刻んでる様子や、講評会での「バキバキ!、、OHH」という瞬間は毎年もり上がります(コロナ禍でしばらくできなかったが、ようやく復

          疲れたときにちょっと座るようなかたちってどう考えたらいいですか

          大学ってけっきょく

          串カツの残り物を刻んで野菜と一緒に炒めてオムライスの具にして天才じゃないかと思ったらやっぱり串カツの味はそのままで串カツのたまご巻きみたいになった白須です。 さて、今日は大学について考えてることを話したいと思います。強調しておきたいのですが、これはあくまで僕個人の意見で大学や学科を代表するものではないし、ましてや願望でも要望でもありません。大学生をやって、非常勤をやって、いま専任をやってる経験から「けっきょく大学って」というのを伝えたいと思います。 大学の3つの要素 け

          アイデアが出てこない

          シンウルトラマンのネタバレを必死にかわしまくってる白須です。 設計課題のエスキス(途中段階のチェック)で「アイデアが出てきません」というのはよく聞きます。 こういうときの対処法をひとつ書いてみようと思います。 入ってないし降ってこない 「出てこない」ということは事前に頭の引き出しに入っててそれを拾い出す感じ?。それともうーんと考えてると天から降ってくる感じか。 たぶんそれはないですよね。そもそも入ってないし降ってこない。これは「出てこない」という結論が間違ってるんじゃな

          〜大学院後すぐ独立編〜 はじめての現場はまったく役に立たたずでした

          役に立たない 大学院を出て自分で改装のお仕事をしていたときの話です。設計&監理です!たくさん図面を書いて持っていった(つもり)のですが、今から思い返せば1/50の平面、立面、断面、それにそれぞれの仕上げが記載してあるものくらいです。方針は伝えることはできても、どうやって工事を進めるか、何を残して何を撤去するか、壁をあけた時に腐っていたらどうするか、なんて全然書いてありません。つまり、僕の図面は現場で役に立ちませんでした。 順調? 事前に図面は渡しており、見積りも出て工事

          〜大学院後すぐ独立編〜 はじめての現場はまったく役に立たたずでした

          雑誌の最新号が話題にならない時代

          天パ野郎(自分)にとっては試練の季節=梅雨がやってきました。湿気80%とかもう水中じゃねーかと思ってる今日この頃です。 ゼット世代の文化圏 先日SNSで話題になってた本『映画を早送りで観る人たち』で書かれていたいわゆるZ世代、僕が大学で会う学生たちにバッチリ当てはまります。「いやまさか、、」と思って実際聞いてみると、「映画2時間が耐えられない」 「だいたいTikTok観てます。自分から情報を探しに行かなくていいから」 って本の通りやん!!マジでした。全員ではないにしても、

          どんな学生だったんですか?

          僕の経歴を少しお話します。検索できる経歴はだいたいキラキラしたものしか書かないので、そこに埋まっているリアルな部分はあんまり世に出ておらず、酔ったときとか、「就職、決まってないんですけどどうしたらいいですか」という相談が来たときに話すようにしています。 いわゆる大学デビュー 僕は大学生のときは、それはそれは生意気な学生でした。京都の田舎から出てきて1年浪人して鬱憤(うっぷん)が溜まりに溜まった大学デビューです。坊主にピアスを3つほどつけたどっからどう見ても痛々しいヤンキー