2019.04.10 CR fashion book:THE FUTURE IS HERE—AND IT’S PERFUME_日本語訳

CR fashion book

THE FUTURE IS HERE—AND IT’S PERFUME

MEET JAPAN’S FORWARD-THINKING POP HEROES

BY LAURA STUDARUS
APR 10, 2019

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未来はここに。Perfumeと共に。

日本で一歩先を行くポップヒーローに出会った

名前くらいは知っているよ、というバンドの中で最もビッグなのがPerfumeだろう。
アメリカ国内でこそ売り込み中だが(今年のコーチェラは見逃せない)、母国日本では7作のアルバムがチャート1位でスタジアムライブは連日ソールドアウトする、ヒーロー的存在だ。
その人気は最新のアルバム”Future Pop”に織り込まれた新しいポップの領域への挑戦の快活さ、という小さな側面だけでは語りつくせない。そこが到達点ではないからだ。あ〜ちゃん、かしゆか、のっちの3人が表現するように、彼女たち自身が紛れもないポップミュージックの、未来なのかもしれない。

「音楽を聴く理由は、その音だけじゃなくて、アーティストの性格とか背景に繋がりたくて聴くんだろうなって思います。」あ〜ちゃんはCRにこう語った。
「ただ音楽としていいから好きなんじゃなくて、どんなライブをして、存在そのものが魅力的で、いかに自分に刺激を与えてくれるかっていう部分なんだと思っています」

Perfumeは自身のポップ性を伝えるために必要不可欠なさらなる要素を「伝えたい」という気持ちを包み隠さずに表現する。日本の独特なキュートさの象徴であるKawaiiカルチャーとは距離を置き、”Future Pop”は、エレクトリックなビートと、ヘビーなロックギターと、マルチリンガルな言語、取り除かれた冗長な描写を内包した先鋭的にジャンルを横断したコンビネーションで、批評する側にとっては他のどのJ-POPとも比較し難い。

「全部、プロデューサーの中田さん(中田ヤスタカ)のおかげです」とのっち。
「私たちの年齢にあった曲を書いてくださって、その曲が私たちの年齢ととに成長しています。色んな年代の曲をパフォーマンスに散りばめられているので、中田さんが私たちをkwaiiのシーンの外側に置いてくれた偉大さを感じます」

“Future Pop”のEDMのドロップと”Tiny Baby”のグライムスのような軽いバップを行き来していると、彼女たちはジャンルをわざわざ構築して行くことに無関心であるかと思ってしまうが、Perfumeはただ一つのポップのスタンダードに頑なに基づいているのだった。それは、統制のとれたダンスだ。
かしゆかはブルーノマーズのステージでのダンスにとても憧れるという。「バンドメンバーと楽しそうにダンスをしているところが好きなんです」と。
しかし、Perfumeのダンスの源は、コレオグラファーのMIKIKOから与えられたもので、この魔法のような、親密な、そして論理的な存在のことはこれまで完全には語り尽くされていないようだ。

「幼い時からダンスを習い始めて以来、MIKIKO先生は私たちの”先生”であり”振り付けの先生”でした。」とかしゆか。「先生のイマジネーションが、私たちのダンスを一歩先に進めてくれます。歌と同時に、先生がダンスの動きをつけて、それが曲と歌詞を輝かせてくれます。先生が歌の世界を拡張してくれるんです。特定のジャンルに当てはまるものではなくて、このオリジナリティのあるダンスが、私たちを”Perfume”として存在させてくれます。」

当然ながら、Perfumeはコーチェラという注目を浴びるフェスティバルへ日本の(※女性グループで)初めて呼ばれ、パフォーマンスすることにとても期待を寄せている。(「日本やその文化に元から関心があるような人は、Perfumeを発見するために深掘りする必要がありました」のっちは、YouTubeやSpotifyでのブレイクスルーや、スターメイキングなフェスの出演枠を勝ち取る以前のことをこう振り返っている)

今回の出演では、よりそぎ落とされた形で実験的なアート集団であるライゾマティクスによるビジュアルプロダクションを要求されているようだが、Perfumeチームはもっと可能な限りの、観客が期待もしなかったようなステージ上の仕掛けを見せたいと意気込む。衣装のチョイスからステージセット(概要としては3Dビジュアルと厳密な大型スクリーンへのプロジェクション)まで、どの要素をとってもPerfumeの世界へ誘うだろう。

「ファッションは私たちの個性を反映しているもので、表現の一部なんです」と、かしゆか。
「テクノロジーを使った演出を始めた時に比べて、衣装の素材や形はより重要になってきました。例えば、プロジェクションマッピングを衣装にする時に、投影される場所へ立ち位置を取るのではなく、特別な素材やデザインのものを使って私たちが動く場所へプロジェクションマッピングが付いてくるようになっていました。それから、小さなモーターを背中につけておいて、翼が広がるようにしたりとか。ライブパフォーマンスの”FUSION”では、シルエットが光源に照らされて出ているように見えていて、本当は実際の影と、テクノロジカルに作られたものとの融合だったり。その境界線に挑戦して、実現して行くことが、とても面白いです」

Perfumeは驚きの余韻とともに音楽の未来性を創り出してきた。しかし、メンバーの誰もが、目の前の次の展開に何が待っているかを知りたいとは思っていない。彼女たち個人の未来は、時間に縛られてはいないのだ。これからの人生にどんなことが待っているかを尋ねると、3人ともが、何が起きても、一緒に居ることができたなら幸せだと言った。

「私たちの繋がりの形が変わっても、Perfumeという存在は続くし、絆はもっと強くなっていくでしょう。」あ〜ちゃんは言う。「それぞれに家族ができても、いつも一緒に居るだろうと思います。私は、もし自分が死んじゃっても誰かが寂しいと感じて欲しいなと思います。たくさんの人にお見送りに来て欲しいなって。」

<日本語訳以上>

Perfume Performance Cannes Lions International Festival of Creativity

(2013年)

Alubum 「Future Pop」(2018)