引出物の変化から、現代における贈与の歪さを考える。
「引出物なんですが、ご希望はありますか?」
目の前のプランナーさんはキラキラと高揚した目で、わたしと、わたしの横に座る相方の顔を見ながら言葉を放った。格式ある煌びやかな建物の一室で、目の前には小綺麗な冊子が何冊も開かれている。そこには色とりどりのお皿や、豪華な食べ物や、オリジナル!と大きくアイキャッチのついた品々が並んでいた。
自分自身の顔というものは鏡を通してしか見ることができないので、これはわたしの想像でしかないのだが、おそらくはポカンとまあ間抜けな顔をしていたように