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運がいいのつづきのつづき

無事の次に行く病院が決定して、翌週の平日休みに出かけていった。
ここに来るのは2人目を生んで1ヶ月後の検診以来なので、約3年半ぶりだった。

相変わらずの盛況ぶりというか、まだ受付開始前なのに多くの人でロビーはごった返していた。
受付の前の受付?で紹介状がある事を伝えたら、番号を渡された。

時間になって、再診の人達は整理番号順に機械で受付を済ましてそれぞれの目的地へ散っていく。
私は、まだしばらく呼ばれず。1人目も2人目もお世話になったから、大体感覚はわかっていたが、数時間コースのスタートラインにも立ってないなあとぼんやり思っていた。

それから2時間。
やっと、診察となった。
「今日中にCTをとったほうがいいね」と言われた。
私は、「そうなんですね」としか答えられず。
すると先生は「本当は当日のCTは撮れないけど、大きい腫瘍だし、ガンだったらどうしてくれるんだ、って言ってねじ込んでもらうから」
と言う。
「ガンの可能性あるんだ」といまさらながらに怖くなった。

それからは、流れ作業的に血液をとり、エコーするらしい場所で待っていたら、先にCTへ呼ばれ、CTが終わったらエコーの場所に戻りをしていたら
あっという間にさらに2時間程経っていた。

それからは、また診察まで1時間ほどまって、待合スペースにはあんなにたくさんいた患者たちはほぼ消えていて、数人しかのこっていなかった。

私は診察室の扉から10メートルほど離れた椅子で待っていた。
いよいよ呼ばれて、
「ガンですから、、、今後の事を」的な事を言われるのだろうかと思いながらゆっくりとその10メートルを歩いた。

「おそらく良性の腫瘍ですね。」と先生が言った。
「これが、5年前のCTでこれがさっきのCT、
うん、大きさ変わってないから良性の腫瘍ですね」

「でも7cmもあるんですよね?手術とか、、、えっと今後どういう?」
もう、何をどう聞いていいかもわからなかった。
すると先生は
「これから急に大きくなることが全くないこともないけど、5年前からほとんど変わってないから、大丈夫でしょうね。
1年に一回、どこかでCTをとって、あー健康診断した所でもいいですよ。
急に大きくなってないかみとけばいいですよ」
と言った。

つまり、今後、新たな検査や治療はなにもないって事だった。

そのそも5年前に簡単な手術をしたことがあった。その時に確かにCTも撮っていた。だから、今回この病院だったから、わかった事だった。

一気に気が抜けた。
肩の荷が下りたって表現がぴったりな気がした。すぐにでも主人に報告したくてしたくて今日一日の出来事を会計まちの間にラインを送った。

主人からすぐにラインが返ってきた。
「よかった、ほんと運がいい」

そう、そうなのだ私は運がいいのだ。
でも、どうしていままで気づかなかったの?

もしかしたら、「ガン」だったかもしれない。
もしかしたら、あと数年、数か月の命だったかもしれない。
いざ、そうなるまで自分が何をしてるか気づかない。

私に何かを気づかせようとしているんじゃないかと考えるきっかけとなった。
そう「これからの旅」のきっかけだった。

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