見出し画像

【コラム】自分のことしか考えないバカ



自分のことしか考えないバカ、それは私自身だった。 



さかのぼること約一週間前、12月26日、この日、私はとてもイライラしていた。

私は友達によく、「お前が怒っているところが想像できない」と言われる。
たしかに私から怒りの感情が出ることはほとんどないなと自分でも思うけれど、私だって人並みにイライラすることはある。
そんなとき私は言葉に出して、「私は今、とてもイライラしている」と言うのだけれど、それを聞いた友達は大体笑う。「なんで笑ってるの? 私は今とってもイライラしているんだよ!」と言うと、友達はさらに笑う。

「なぜに?」

まるで友達の頭の中で私の感情は中学英語のように「I'm very angry now.」のように簡単に訳され、そんな問題、イージーだぜ!とでも言われているかのようだ。それとも私が「Shit!」「Fuck!」とでも言っている映像が流れているのだろうか。それにしても友達はよく笑う。



話を戻すと12月26日、一体どんなことで私がイライラしていたかというと、「荷物が届かない」ただそれだけだった。


その日、ポストに不在票が入っており、その日中に受け取れるなと思った私は、「18時〜20時」の再配達で、自動音声受付を済ませた。

とりあえずご飯でも食べるかと思い18時過ぎ、夕飯を済ませ、ちょっと作業でもするかと思いパソコンに向かい、耳にはめたイヤホンはドアチャイムが聞こえないとまずいので、いつもより音量を落として作業をしていた。
そろそろシャワーを浴びて明日の準備を、、、と思いふと時計に目をやって気がついた20時前、「そういえば荷物まだだっけ?」。

19時50分。あと10分もすれば指定した20時になるところだったが、「でもまあ、年末でバタバタしているのかもしれないし、道路だって混んでいるのかも」と思い、もう一度不在票に目をやるとコールセンターも21時まで対応しているようだったので、もう少し大人しく待つことにした。


ちなみに言うと運送会社は、大手の運送会社と聞いて思い浮かぶ2、3の会社ではなく、そこまで大きくないようなマイナーな会社だった。
そしてその会社や、特定の人を傷つけるような意図は全くありません。


そこから私が待つこと10分が過ぎ、20分が過ぎ、30分が過ぎ、さすがに20時半になったら、いったんコールセンターに電話して荷物の状況を確認しようと思った。
そして20時半が過ぎ、私はコールセンターに電話をした。


「すみません、お荷物状況を確認したいんですけど、、」

「〜〜〜、あ〜、確認しましたところ、たしかに20時までに配達にお伺いする予定になっていますね。。ドライバーの方からも、折り返しご連絡いたしますので。。」

「かしこまりました、よろしくお願い致します〜」


そこからさらに30分が過ぎ、21時。
おやおや? ドライバーからの連絡もなく、さすがの私もイライラした。
でも、「私は今、とってもイライラしている!」と言ったところで、それを聞いて笑ってくれる友達はそばにいない。
とりあえず、今日中に荷物は届くのか届かないのか、届かないなら届かないでもいいからせめて連絡して!と思いながら、21時ちょっと過ぎ、ダメ元でドライバーへ直通電話をかけてみた。繋がった。


「あ、すみません、コールセンターの方からもすでにご連絡が入っているかと思うんですけど、お荷物状況を確認したくて。」

(このときただ一言、「お荷物状況を確認したくて」と言えば済むところを、「コールセンターからもすでにご連絡が入っているかと思うんですけど」とわざわざ付け加え、案に「あなたからの折り返し連絡が全くなかったこと」を匂わせる辺りが、我ながら性格の悪さが出てしまっている。。)

そこから私は、少し強い口調で言葉を続けた。

「本日の20時までで再配達の依頼をしたんですけど、まだ荷物が届いていない状況なんですね。それで荷物は本日中には届くんでしょうか?」

すると電話の向こうから
「すみません、本日荷物の数が多くて、、ちょっと配達に時間がかかっていて、、」

声質からおそらく50代くらいのおっちゃんだろうと思った。

「今日中には届くということで大丈夫ですか?」
と私が聞くと、
「はい、お待ちいただけるようであれば、配達に伺いますので、、」
と言われたので、私はお願いしますと言って電話を切った。
おっちゃんは本当に大変そうな声だった。


そこから、私は罪悪感に襲われた。
きっとそこの会社だって人手不足なのだろう。その中でおっちゃんも頑張って配達をしてくれて、ただ待っているだけの私が、何をそんなにイライラすることがあったのかと、自分に悲しくなった。
他の国であれば時間を指定して配達してくれない地域だってあるだろうに、むしろ日本は親切な方なのに、シャワーが浴びれないなら時間をずらせばいいだけ、荷物が受け取れないなら次の日でも、時間がある時でいいのに。

いつから私は人の気持ちが考えられなくなったのだろうと、いつの間にか余裕がなくなってしまったんじゃないかと、怖くなった。

その後「おっちゃん、無事に荷物を届け終わってくれ」と思いながら自分の荷物も待ち、22時過ぎ、私の荷物も無事に手元に届いた。


荷物を届けてくれたおっちゃんは声質の通り50代くらいの人で、本当に申し訳なさそうに「遅くなってすみません。。」と言って届けてくれた。
急がせてしまって申し訳ないことをしたのは私の方でもあるのに、、と思いながら、そのときたまたま家に280mlのミニサイズの「お〜いお茶」があったので、それをおっちゃんに渡して「遅くにありがとうございました」と伝えると、「むしろすみません。。」と言いながら笑顔で受け取ってくれた。500mlだと逆におっちゃんにまた気を使わせてしまうかもと思い、缶コーヒーでも買いに行こうかと思っていたので、ちょうど良かったかなと思う。


今回は本当に、私のせいでおっちゃんに変なプレッシャーや、無駄なストレスを与えてしまったことが、本当に申し訳なかった。

反省して、今年は穏やかに、思いやりの気持ちを持って、平穏に過ごしたいと思いました。



コラン



きみのために風は吹いている そう思えるのはきみのかけがえのない生活が、日々が、 言葉となって浮かんでくるからだと思う きみが今生きていること、それを不器用でも表現していることが わたしの言葉になる 大丈夫、きみはきみのままで素敵だよ 読んでいただきありがとうございます。 夜野