私は彼の歪な魂の形が好きだった。ぐんにゃりと曲がり、ところどころ腐りかけ、刺々しく、触ると熱い。私はその魂を撫でまわし、舐めあげた。私の唇と指は傷だらけになった。歪な魂は私の血で汚れる。愛おしさで狂いそうになる。

いつからか、魂は形を変えた。すべすべと滑らかな球になった。白く輝いている。私は私の愛した歪さを探した。でも何処にも見当たらなくなった。

魂は完全な球体になった。いまは誰もがこの球体を誉めそやすだろう。私は興味を失った。正しいものなんて、私には何も価値がない。

私はいつも正しさに抑圧されていた。歪こそが、私の求めているものだ。私はまた探そうと思った。私だけの歪さを。私の魂の虚に嵌る、歪な形の魂を。

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