TACHIKAWA dystopia 4 KO-ENJI

「今日はコーウェンジに行ってきました」
「ふうん。バイクで行ったの?」
「はい」
「お前結構飛ばすからな。気をつけろよ」
「何回も事故って頭も縫いました」
「危ないなー。せっかくキレイな顔なんだから
本当に気をつけろよ」
「口説いてます?」
「口説いてねーよ、一般論だよ」
「コーウェンジはユーズドの服屋さんがいっぱい
あります。これ1800デクレシアでした」
「安いなー。そんな安い服には見えないね。お前変な眼鏡と爪の色以外はセンスいいよな。なんだ今日の爪なんて黄色と黒かよ。ミツバチだな」
「ミツバチって何ですか」
「絶滅種だよ」
「コーウェンジは毎年夏にアワダンスフェスが開催されます」
「季節なんていまはないけどね。いつも肌寒いよなこの昨今は」
「あたしも踊るんですよ」
「えっ? そうなの。あっち出身だっけ」
「秘密です」
「お前秘密ばっかだな。3年前にショーワキネンパークで逢ったときから俺お前のことよく知らないな」
「名前は知ってますよね」
「遙だろ。遙エヴァンジェリスタ。お前ハーフとかなの? そんな感じだよな色素薄いし」
「ボスは多田哲朗ですよね。トーキォ出身ですか」
「アダチだよ」
「タチカワより北東ですね」
「あっちは結構すごいよ。スラム寸前だね」
「へー」
「あ、またなんかはぐらかされたな」
「ミステリアス気取ってるんです」
「自分で言うかね」


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