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Waltzing Matilda

祖父母の古い家の二階には、祖父が作ってくれた木製のベッドがあった。
そのベッドで寝ていると、どこか遠くの国の草原にいるかのような錯覚を覚えたのだ。
そして、ゼンマイ式の目覚まし時計がそのベッドの枕元に置いてあった。
母が子どもの頃買ってもらった古い目覚まし時計であったが、そのオイルゴールが奏でるメロディーが大好きだった。
曲名はもちろん、どこの国の音楽すらわからない。
(最近ネットで調べたところ、オーストラリア連邦の愛国歌であ”Waltzing Matilda”であったことを知る)
私が2歳だった時、朝起きてベッドの上で目覚まし時計で遊んでいた。
オルゴールのメロディーに自分で歌詞をつけて、祖母に歌詞を教えてあげたのだ。
”~子豚のこの子”
という子豚をイメージした歌詞であった。
レトロな目覚まし時計が奏でるオルゴールから、かわいい子豚の様子を想い浮かべていた。
ベッドのある部屋の2階の窓からは国道18号を見下ろすことができる。
その窓の外からは国道18号をトラックが勢いよく疾走する音が聞こえてくる。
そんな中でいろいろな空想をめぐらせる時間が大好きだった。
そして今でもこの曲を聴いた時、あの頃の気持ちを思い出す。
あの時のオーストラリアの草原の風景が蘇ってくるのだ。

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