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トルコのタクシー

トルコの田舎の空港で目的地までのバスを逃してしまった。3時間後までこないようだった。誰もいなくなった空港で、友達と2人トボトボ歩きながら人を探して、暇そうにしている男の人に身振り手振りでタクシーを呼んでほしいと伝えた。男の人は小さい声でOK、と呟いて空港の端に停めてある黄色のタクシーに向かってピーッと指笛を吹いて呼んでくれた。運転手の返事はなくて、近くまで行って見てくるように勧められた。近くまで行っても中に人はいなかった。少し泣きそうになっていると、たまたま(呼んでくれたのかも)タクシーが来た。目的地まで80キロ。神戸と徳島市内くらい離れてる。タクシーのおじさんは乗りな乗りなとドアを開けてくれた。

おじさんはすぐにコンビニに寄って水を買ってくれた。海外のタクシーは水を買ってくれたりスイカを買ってくれたりする。嬉しい。優しいなと思うから。

80キロの区間を120km/hくらいで走る。かなり怖い。死ぬかも!?が二回はあったけど生きてる。1時間弱くらいで着いた。何もない田舎の道をただただすごいスピードで走る。わたしはすぐうとうとしてたけど友達が起きていてくれた。寝ちゃいけないシーンでいつも寝てしまうな。いつか死ぬかもね。

目的地はパムッカレの石灰の山でした。フロントガラス越しに真っ白な山が見えた時、純粋に生きていたことに感謝した。感謝感謝感謝。タクシーの中でワー!と声を出したらおじさんは笑ってた気がする。いつか大事な人ができたら絶対に見せたい景色。今度はわたしがタクシーを指笛で呼びたい。すごくかっこよかったからね。

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