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まちづくりとか、場づくりとか。 ウェブサイト:https://palfa-design.studio.site

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  • 感覚のおぼえがき

    思ったこと、感じたことを書き留める

  • 卒業研究を考える

    卒論や修論の相談から。

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    日々のあれこれ

最近の記事

よそ者と転化

 最近、俳句の世界観に触れようと『ことばの歳時記』(山本健吉、角川ソフィア文庫)を読んでいたら、こんな文と出会った。  最初に読んだときは「節分の夜に豆を撒く文化にそのような背景があったのか!」と驚いて調べたが、そのような意味ではないようだ。冬/時候の季語である「節分」はもともと四季それぞれの分かれ目をいう語であったが、現在では冬と春の境目のみを示す語となっている。  節分という日にくる異郷の神は、冬を転じさせ春にする。そして、それは村々の人たちの幸福と豊穣を約束するのであ

    • 最近のSNSと今年の抱負

      最近はSNSを見ていると、ビジネスに似た空気を感じることが多くなったように感じる。だからか、私自身も見たり呟いたりする機会が以前より大幅に減った。 多分私は、SNSにパフォーマンスやバリューのようなものを求めていなくて、どちらかといえば生活を求めている。使い古された表現だけれど、夕方散歩していて感じるお風呂の匂いや夕飯の賑わいのようなもの。 ドーナツが美味しかった。友だちと駄弁って楽しかった。そういった生活の断片に触れて、自分以外にも様々なことを感受しながら人生を懸命に暮

      • 減速する暮らし

        速度を緩めて、目の前のことと丁寧に向かい合うこと。 私の暮らしの中でズレや違和感を減らして、心地よい状態のために行っていること、あるいは行いたいと思っていることの全てだと思う。 一方で、社会の側はどんどん加速しているような感覚がある。便利なITツールや様々なビジネスパーソンが教えるTIPSを手に、効率よく世の中を生きていこう。そんな標語がどこかにあるんじゃないかと思うくらい、私の周りの社会は加速している。(なんなら、IT企業に勤める私はそれを促進する手助けをしてしまってる

        • はたらく

          最近、働きたくないからか働くことについてばかり考えてしまうといったあべこべな状態になっている。 この、広く言えば自分のキャリアについて考え直すことが多くなるのは二十代後半でよくあることらしい(友人談。nはきっと少ない)。 とにかく大変そうに働いていた設計士の父を見て育った私は、働くことに対してとてもマイナスだった。生きるために、お金を得るために苦役を強いられる。そんな理解だった。 そんな私だったが、大学生の頃にとある言葉に出会った。 はたらくとは、はた(傍)をらく(楽)

        よそ者と転化

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        記事

          可哀想についてのメモ

          こんにちは。 昔に考えたことを、ひょんな機会から考え直すことがあったので、そのメモになります。 =======  よく、誰かに対して「可哀想」という言葉を使う人を見かけます。  例えば、「〇〇さん、自分のことしか見えなくて可哀想な人だな」とか「〇〇さん、ひどい目にあったみたい。可哀想」などといったものでしょうか。  この場合、可哀想は一見その人の状況を表す言葉のように見えますが、私はそれが疑問でした。  可哀想という言葉には、"あわれで、人の同情をさそうようなさま"とあ

          可哀想についてのメモ

          研究計画を立てるのに参考にした文献

          紹介する機会が多いので、すぐに出せるように資料にしておきます。 といっても、画像とリンク、目次を載せただけですが。 ※調査法などを含めると結構あるので、少しずつ増やしていきます。 ※卒業後に読んだものも含めています。

          研究計画を立てるのに参考にした文献

          Well-beingにモヤモヤする

          モヤモヤする  最近至るところでWell-being(ウェルビーイング)という言葉を聞きます。学術的な記事ではないので言葉の説明はパーソルの記事に丸投げしますが、この広がりに私はすごくモヤモヤしています。  誤解を恐れる人間なので少し補足すると、Well-beingという考え方にはモヤモヤしていないです。むしろとても肯定したい考え方なのですが、そういった言葉が巷にライトに広がっていることにモヤモヤしています。  Well-beingに詳しい方からすると”わかってない”記事か

          Well-beingにモヤモヤする

          2023.04.16

           東京からの帰り。  この二日間、ゼミ関係でたくさんの人と会って昔話やら研究の話やらに花を咲かせたからか、心も身体も割とリフレッシュされた気がする。  みんな意外と仕事で悩んでたり、生き方を考え直してたりしてることを聞けたのもよかった。自分だけ上手く社会で生きれてないかもって不安が少し軽くなる。その後仕事のメールが目に留まり、また少し増量したりする。  色々な人から頼りにされるのは本当に嬉しい。自分にもできることがあるのかと、社会の中での所在なさが少し緩和するような気がする

          備忘録『聞く技術 聞いてもらう技術』(ちくま新書)

           最近、私の周りで話題になっている『聞く技術 聞いてもらう技術』(ちくま新書)を読んだので、その中で印象に残ったことを備忘録に残そうと思います。  実際にこういったお仕事に従事されていたり、社会的処方やコミュニティヘルスなどに関係している人からすると当たり前かもしれません。  それでも、「コミュニティデザイン」という言葉が市民権を得て、「社会的処方」やという言葉にも耳馴染みがある人が増えてきた今だからこそ、つながりが生まれることがいかに難しいか、ましてや孤独な人がつながりに

          備忘録『聞く技術 聞いてもらう技術』(ちくま新書)

          備忘録『ケアとアートの教室』(左右社)

           最近、『ケアとアートの教室』(左右社)を読んだので、その中で印象に残ったいくつかのことについての備忘録です。  この話を読んで、たしかにそうだと思いました。仮に十三年間お風呂に入っていない人が目の前に現れたとして、私はきっと「お風呂に入ることができなかったのかも。入れる機会をつくれないだろうか」とかバックグラウンドを自分勝手につくって押し付けてしまうかもしれない。もしそんなこともなく、「彼(彼女)にも彼なりの理由があって自分には想像も難しいのかっもしれない」と思えたとして

          備忘録『ケアとアートの教室』(左右社)

          常夜燈を手放すこと

           2022年に聴いて衝撃を受けた曲がありました。PEOPLE1というアーティストが歌う「常夜燈」という曲です。この曲については私とパートナーの間でもちょっとした話題になりました。  このフレーズです。  私はこのフレーズを聴いた時に泣きそうになったことを覚えています。この世の中には、未来がキラキラとみえる人もいるのかと衝撃を受けました。私には、この世の中が本当に生きにくくて仕方がないので笑  誤解しないでほしいのですが、関わってる人が嫌とかそういうわけではありません。むし

          常夜燈を手放すこと

          その発言の裏にカラフルな背景を想像すること

           日々色々なことを考え悩むのですが、ちゃんと書こうとしたり、社会の関心の上に載せようとすると上手く書けないので、練習がてら下の2つを意識して書いてみようと思います。 ・色々考えていることをとりあえず書き出してみる ・いつかまとめ直すくらいの気持ちで書いてみる  そのため、たどたどしい部分もあると思いますが、温かい目で見ていただけると嬉しいです。また、色々感想をいただきながら、みんなで考えられたら嬉しいなとも思っていますので、思うことがあれば何かしらのかたちで発信、もしくは

          その発言の裏にカラフルな背景を想像すること

          ふと思ったこと。 上手いこと参入しようと思うと"その"場に対して自然なことも不自然なことも入り混じるため、ギシギシと音を立てながら入ることになるのではないだろうか。 ある程度身を任せてしまった方が、場にとって自然にな形に自分が変容していくのかもしれないと思った。

          ふと思ったこと。 上手いこと参入しようと思うと"その"場に対して自然なことも不自然なことも入り混じるため、ギシギシと音を立てながら入ることになるのではないだろうか。 ある程度身を任せてしまった方が、場にとって自然にな形に自分が変容していくのかもしれないと思った。

          2022年の振り返り

          大晦日なので、今年の振り返りをしてみました。 今年のトピックは大きくは3つで「移住」「転職」「プライベート」です。 移住(神奈川▶滋賀) 今年一番の転機として、今年の3月に大学から7年間過ごした関東を離れ、滋賀に移住しました。いまや、「そういえば今年だった」とびっくりするくらい滋賀に慣れて来てます。関東は関東で楽しいところがたくさんありましたが、移り住んだ滋賀県近江八幡市は水がとても豊かな地。日々の散歩がすごく楽しいです!時間も関東と比べてゆっくりしており、ちゃんと夜を感じ

          2022年の振り返り

          わかりあえない私たちのための教養

          前に、別のところに「教養」というテーマをもらって書かせていただいたものになります。生意気な書きぶりかもしれませんが、ご容赦いただければと思います。また、ご指摘や感想等あれば優しくいただけると飛んで喜びます。  コミュニティをテーマに学んだり研究したりしていると、コミュニティという概念の変容とそもそもの曖昧さに触れることがある。例えば、地域コミュニティがコミュニティと同義だった時分は「地域性と共同生活の存在と共属感情による基礎社会集団」*1のような定義が多かったものの、近年で

          わかりあえない私たちのための教養

          落ち着いて座れる居場所であってほしい話

          前の記事から、場所に入らない/入れないことについて書いています。 前の記事を読んでない方はこちら↓  この記事では、前の記事に書いたものを「空間の種類」と「心理的安全性」の視点から書き直してみようと思います。 共空間と縁空間の間  空間の種類についてでいえば、同志社大学の谷亮治先生が「相互の言語コミュニケーションが期待されるか」「物理的集会を伴うか」の2軸で人間の集まる場を共・縁・電・孤の4つに整理しています。  その上で、それぞれが思い思いの時間をそれぞれで過ごす「

          落ち着いて座れる居場所であってほしい話