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同情が更に傷を深くする可能性

みなさんこんにちは。臨床心理士公認心理師として昼間は精神科に勤務しながら夜な夜なSNS界隈で漫画化活動やライブ配信などをしております。白目みさえと申します。

普段の活動はこちらからご覧くださいませ。

おばあちゃんの話

私にはとんでもない祖母がいました。

「おばあちゃん」という存在は無条件に孫を愛するもの
といった神話は私の前では嘘でした。

それを漫画にしたのがこちらなんですが。

よろしければお読みくださいませ

私は以前から祖母のことはネタとして話していました。
こんな酷いことをされた、こんな酷いことを言われた。
いちいちとんでもない人なので話としては面白かったのだと思います。
自分でもウケると思って話していて。
多かれ少なかれどこにでもあることだと思っていて話していて。
叩かれたわけでもないし、水をかけられたわけでもない。
ご飯を抜かれたわけでもないし、監禁されたわけでもない。

だからこの話を漫画にしないかと言われたとき。

「漫画にするほど面白い展開はないですけど」と思いました。

ただのおばあちゃんの話で。
ただのちょっとひねくれた人の話で。
ただのよくある嫌な姑の話で。

こんな漫画を描こうもんなら
「この程度で何言ってんの?」
「もっと酷いことされてる人もいるのに被害者ぶるなよ」
「叩かれたりしたわけじゃないんでしょ?」
「被害者意識乙www」
なんて言われるだけなんじゃないかと。

だから一度は断りました。
「面白くないですよ」と。
「こんなのもっと酷い体験をした人に失礼だと思います」と。

同じように心理士の先輩にも言いました。

でもそこで
「同じように思っている人がいるんじゃない?」と言われました。

「自分の体験なんて大したことではない」
「こんなことで辛いと思ってはいけない」
「他にももっと辛い人がいる」

そう思うが故に、自分の苦しさや辛さを
見ないようにしている人がいるのではないかと。
苦しいと思ってはいけないと思っている人がいるのではないかと。

大多数に人にはウケないかもしれないし
ありきたりな話かもしれないし
スリル求めるには物足りない話かもしれないし
もっと苦しい人からすれば逆に軽く見えるかもしれないけれど
もしそう思う人がひとりでも楽になれるなら。

そう思ってこの話を描くことにしました。

同情するなら金をくれ

いやお金くれって話じゃなくて(笑)

「家なき子」というドラマの有名なセリフです。

安達祐実さんが演じるすずは
度重なる色々な「不幸な出来事」を経ながら
懸命に生きている女の子で。

いろんな人が彼女に同情の目を向けます。
「かわいそうだな」という目で彼女を見ます。

そこで彼女が言うんです。
「同情するなら金をくれ」と。

「同情」されても自分は何も幸せになれない。
「同情」されてもお腹は膨らまないし家にも住めない。
「同情」なんかより確実に今の状況から脱却できる
「お金」をくれた方が自分はよっぽど救われると。

そういったセリフだと理解しています。

私がここで感じたのは。
「同情」よりも「お金」が大事なのではなくて。
「同情」は必ずしも人を幸せにしないということです。


魔女によって育てられた能力

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