chatgptを用いたIPA高度情報処理技術者試験の論文対策支援について

この記事は何?

chatgptを用いて、IPAの高度情報処理技術者の論文(午後2)対策を手伝ってもらうことができるか、検証したので記事に残しておきます。

IPAの高度情報処理技術者の中でも、以下のものに論文試験があります。

  • ITストラテジスト試験

  • システムアーキテクト試験

  • プロジェクトマネージャ試験

  • ITサービスマネージャ試験

  • システム監査技術者試験

今回、特にITストラテジスト試験の令和元年度秋期試験を検証しておりますが、同様のことは他の試験区分でも可能だと思います。

なお、今回利用したのは無料で使えるchatgpt-3になります。chatgpt-4 だともう少し精度向上するのかもしれません。

注意点として、もし本当に試験対策に使うとしても、あくまで補助的な利用(インターネット検索の代わり等)に留めた方が良いと思います。
chatgptはそれらしい文章を生成するのみになりますので、ご自身で真偽や有効性を判断する必要があります。また、実際の試験ではどのような問題が出てくるか分からないので、応用力が問われます。
そのため、chatgptの生成する文章を信じて流用するのでなく、自身が実際に体験したり経験がある範囲内のもので、言い回しや表現を参考にする程度に留めた利用法が良いかと思います。
あくまでchatgptがどこまでできるのか、検証した記事であり、実際に対策に利用することを推奨するものではありませんので、ご注意ください。

検証の前提

対象とした問題

ITストラテジスト試験の令和元年度秋期試験の午後2問1を対象とします。

対象とした理由ですが、特に深い理由はなく、私が受験したことがあるため検証しやすいかと思っただけです。

プロンプト入力について

プロンプトの内容については、過去問を見ながら、少し誘導というか、求めている答えになりやすいようにしています。

プロンプトの入れ方には色々なコツがあるようですが、私はあまり知らないので、それっぽくなるように指示を出しただけです。もっと良いプロンプトがあるかもしれません。

なお、回答は文字数制限に引っかかり、途切れてしまいましたが、「続けてください」と入力すると、続きから記載してくれました。

実際のやり取り

長いです。すみません。

設問ア

【入力した内容】
ディジタル技術を活用した業務プロセスによる事業課題の解決を考えたいと思います。あなたは大手の生命保険会社S社に勤めている情報システム部門のITストラテジストという立場で、S社の事業概要と事業特性について記載してください。事業概要及び事業特性は、文字数の関係から5行程度に記載を留めてください。 また、S社が抱えている事業課題について教えてください。事業課題はディジタル技術で解決できるものに限定し、特にAI技術を用いて解決されるものに限定します。事業課題は2つ程度記載して頂きますが、それら課題は同じAI技術で解決できるものに限定します。 また、上記で記載した事業課題を抱えることになった背景について、近年の生命保険会社が置かれた事業環境を踏まえて記述してください。

【chatgptの回答】
【事業概要】 生命保険会社S社は、個人向け・法人向けに保険商品を提供し、生命保険・年金保険・医療保険・介護保険など多岐にわたる保険に特化した事業を展開しています。顧客層は広く、特に中高年層を中心に幅広い層に支持されています。営業チャネルは主に保険契約の販売代理店を通じて行われており、リアル店舗を展開しています。

【事業特性】 S社は、長年の実績と信頼性を誇り、保険業界の大手企業として安定的なビジネスモデルを持ちます。また、顧客との長期的な信頼関係を築くことに重点を置き、顧客のライフステージやニーズに応じた商品開発やサービスの提供を行っています。さらに、保険契約の更新や顧客満足度の向上を目的としたCRM活動にも積極的に取り組んでいます。

【事業課題】
1.契約内容の柔軟な変更に対応する必要性
S社は長年の実績を持ち、保険商品に対する顧客の信頼が高いことから、顧客のライフステージに応じた保険契約内容の変更が多く発生しています。しかしながら、保険契約内容の変更には契約者本人の確認や営業代理店とのやり取りが必要で、そのための時間と手間がかかってしまいます。この課題を解決するためには、AI技術による自動化が有効です。顧客が必要な契約内容の変更をアプリケーションなどのインターフェースで入力することで、自動的に変更内容が反映されるシステムを導入することで課題を解決できます。

2.営業代理店のサポート業務の効率化の必要性
S社では保険契約の販売代理店を通じて営業活動を行っていますが、代理店からのサポート依頼に対する対応が遅くなってしまうことが課題となっています。この課題を解決するためには、AI技術による自動化が有効です。具体的には、代理店からの問い合わせ内容をAIによって自動判別し、必要な情報を自動的に収集して返信するシステムを導入することで、サポート業務の効率化を実現できます。

【背景】近年、保険業界には激しい競争が展開され、加えてデジタル技術の発展により、顧客行動や需要が大きく変化しています。特に若年層を中心に、オンラインで保険商品を検討する傾向が顕著になっています。また、顧客ニーズの多様化に伴い、保険商品のカスタマイズや柔軟な契約変更が求められるようになっています。これらの変化に迅速に対応するためには、デジタル技術の活用が欠かせません。AI技術を活用することで、保険契約内容の変更や代理店サポート業務の自動化を実現することが可能となり、顧客満足度向上やコスト削減につながると考えられます。

設問イ

【入力した内容】
上記で記載いただいた2つの事業課題についてお聞きします。事業課題の解決にあたりどのようなAI技術を活用し、どのような業務プロセスを実現したかを教えてください。 AI技術については、どのようにデータを集め、どのようにデータ分析し、どのようなAIモデルを作成したかについて記載してください。

【chatgptの回答】
1つ目の事業課題である保険契約内容の変更について、以下のようなAI技術と業務プロセスを実現しました。
【AI技術】
まず、保険契約内容の変更に必要な情報を収集するために、OCR(Optical Character Recognition)技術を用いて保険契約書類をデジタル化し、情報を抽出しました。次に、自然言語処理技術を用いて、顧客からの要望をテキストデータとして収集し、意図や要求を抽出しました。そして、これらの情報を元に、AIモデルを開発し、保険契約内容を変更するための業務プロセスを実現しました。

【業務プロセス】
まず、顧客からの要望がテキストデータとして収集されると、自然言語処理技術によって意図や要求が抽出され、保険契約内容の変更が可能かどうかの判断が行われます。保険契約内容の変更が可能であれば、OCR技術によって保険契約書類をデジタル化し、必要な情報を抽出します。これらの情報を元にAIモデルが自動で契約内容を変更し、最終的には契約者に変更内容を通知するシステムを実現しました。

2つ目の事業課題である代理店サポート業務の自動化について、以下のようなAI技術と業務プロセスを実現しました。
【AI技術】
まず、代理店からの問い合わせ内容を自動判別するために、自然言語処理技術を用いて問い合わせ内容をテキストデータとして収集し、分類しました。次に、質問応答のための知識ベースを構築するために、代理店からの問い合わせ履歴やFAQなどのデータを蓄積し、自然言語処理技術を用いて分類し、知識ベースを構築しました。そして、これらの情報を元に、AIモデルを開発し、代理店サポート業務の自動化を実現しました。

【業務プロセス】
まず、代理店からの問い合わせ内容が自動的に分類されます。次に、AIモデルの構築が完了した後は、保険金請求に関する顧客の問い合わせに対応するために、AIモデルを顧客サポートのオペレーターの業務に組み込むことができます。オペレーターが顧客からの問い合わせ内容を入力すると、AIモデルがその情報を元に保険金請求の審査に必要な情報を自動的に収集し、適切な保険金支払いを行うための審査を迅速に行うことができます。これにより、顧客サポートのオペレーターが保険金請求審査のために手動で必要な情報を収集する必要がなくなり、より迅速かつ正確な審査が可能となります。

以上が、生命保険会社S社が抱える2つの課題に対して、AI技術を活用した業務プロセスの提案です。データの収集、分析、AIモデルの構築、そしてオペレーターの業務への組み込みを通じて、S社は保険金請求審査の自動化を実現し、保険金請求の迅速かつ正確な審査を行うことができます。

【追加で入力した内容】
上記で記載いただいた2つの事業課題についてお聞きします。事業課題の解決にあたりどのようなAI技術を活用し、どのような業務プロセスを実現したかを教えてください。 AI技術については、どのようにデータを集め、どのようにデータ分析し、どのようなAIモデルを作成したかについて記載してください。

【chatgptの回答】
AI技術の機能や性能、信頼性について検討を行なうために、A社はAI技術の導入にあたり、以下のような手順を踏みました。

  1. AI技術の評価基準の設定:AI技術を適用するにあたって、どのような評価基準を設定するかを検討しました。評価基準は、AIモデルの精度、処理速度、安定性、セキュリティ、プライバシーなどについての評価を含みました。

  2. AIモデルの構築前にデータの品質管理:AIモデルの構築前に、データの品質管理を実施しました。データの品質管理には、データの正確性、完全性、一貫性、信頼性、およびプライバシー保護などが含まれます。

  3. 先行事例の調査:AI技術を適用した保険金請求審査の先行事例を調査し、その成功例や問題点を分析しました。類似の事例があれば、その取り組みから学びを得ることができます。

  4. 実証実験:AI技術を実際に適用する前に、AIモデルの性能や機能について検証するために、実証実験を実施しました。実証実験では、実際の保険金請求に基づくデータを用いて、AIモデルの精度や処理速度などを評価しました。また、AIモデルの品質を向上するために、機械学習のアルゴリズムやモデルパラメータなどを調整しました。

以上のように、A社はAI技術を実際に適用する前に、検討・評価を十分に行い、AIモデルの性能や機能、信頼性を担保しました。また、先行事例の調査や実証実験を通じて、AIモデルの品質向上に努めました。

設問ウ

【入力した内容】
記載いただいた内容について、事業部門に説明したいと思います。特に、今回のAI技術の導入が、事業課題の解決にどのように貢献するかについて具体的に説明しなければなりません。また、投資効果も説明には含める必要があります。説明した内容について教えてください。

【chatgptの回答】
導入するAI技術により、以下のような貢献が期待されます。
1.顧客対応の効率化
・AIによる自動化により、顧客対応の時間を削減でき、顧客満足度向上が期待できます。
・また、AIによる自動応答によって、担当者が手がける重要な案件により多くの時間を割くことができます。

2.保険金請求処理の高速化と正確性の向上
・AIによる保険金請求処理の自動化により、顧客からの膨大な保険金請求書類を短時間で処理できます。
・保険金請求処理の自動化により、人的ミスを低減し、処理正確性が向上します。

投資効果については、導入コストや期間、予想されるコスト削減効果、生産性向上効果を検証し、コスト削減と生産性向上によるROIを算出しました。予想されるコスト削減効果や生産性向上効果により、導入コストを回収し、より高い利益を得ることが可能です。また、同様の技術を導入した事例や市場動向から、今後のビジネスチャンスを見込めるという点も、投資効果に含まれます。

【追加で入力した内容】
投資効果について、定量的な数値も踏まえた説明に変更していただけますか。

【chatgptの回答】
はい、具体的な数値を加えた説明を以下に示します。

今回のAI技術導入により、人的ミスや漏れが少なくなり、効率的な業務プロセスが実現されることで、生命保険契約の新規締結にかかる平均時間が従来の70%に短縮され、同時に約25%のコスト削減が見込まれます。これにより、毎年約1億円の費用削減が実現されると見込まれます。

また、顧客へのサービス向上にも貢献すると考えられます。従来の手作業では難しかった、顧客の保険需要やライフステージに合わせた保険商品の提案や、契約のアフターフォローにAI技術が活用されることで、顧客満足度の向上が期待されます。顧客満足度の向上により、顧客の継続率が向上し、新規獲得にかかる費用が削減されることが見込まれます。

このように、AI技術の導入により、業務プロセスの効率化によるコスト削減と顧客満足度の向上による収益増加が期待できます。今回のAI技術導入にかかる投資額は約1億5000万円であり、その投資効果(投資回収期間)は約2年半となります。投資回収期間が短く、かつ年間1億円以上の費用削減が見込まれることから、今回の導入は事業戦略上非常に有効であると考えられます。

【追加で入力した内容】
事業部門に実際に説明を行った時に、事業部門からは2つ程度指摘がありました。2つの指摘は致命的な内容ではなく、指摘を取り入れて改善が可能なものとします。事業部門からどのような指摘があり、それを受けてどのように改善を行ったか、教えてください。

【chatgptの回答】
指摘内容と改善内容について、以下に示します。

指摘1:AIモデルの予測精度は高いが、その根拠が分かりにくい。 改善1:AIモデルの根拠を説明できるように、モデルの可視化や説明可能性の向上に取り組みました。具体的には、モデルの入力データに対する重要度や、予測に寄与した要因などを可視化する手法を採用しました。また、モデルを構築するために使用されたトレーニングデータの特性や、モデルの重要な特徴を可視化する手法も採用しました。

指摘2:AI技術の導入に伴い、人件費やシステム開発費がかかることが懸念される。 改善2:AI技術の導入に伴う費用対効果の最適化に取り組みました。具体的には、AI技術の導入により業務プロセスの効率化や品質向上が期待されるため、その効果に応じて費用対効果を評価しました。また、AI技術の導入に必要なシステム開発や人材育成に必要な費用についても、最小限の費用で効果を最大化するように取り組みました。

感想

思った以上にヒントになりそうな記載が多くあって驚きました。

定量的効果や投資効果の具体的な数値を出せと入れると、想定で数値入りのものを返してくれたのにも驚きました。

ただ、ところどころ指示しているのにも関わらず、回答がそれを反映しきれていないところがありました。

また、回答としてちょっとおかしいなと思うところもあり、ここらへんはchatgpt-4になると更に改善されているのでしょうか。

私が対策していた時代には、参考書で過去の論文を見て表現や構成を真似てみたり、インターネットでの事例からヒントを得たりして、回答論文を準備していました。

それと同様にchatgptをうまく使うと、いいヒントを現状でも得られるようになっているかと思います。

ただ繰り返しになりますが、やはりおかしいところも多々あります。もし、同じ問題が出題されて、この内容を回答欄に書いたとしても、合格は難しいと思います(そもそも文字数が多すぎますが)。

どこがおかしいか判断して取捨選択して、良いものだけを参考にするぐらいの態度で向き合うとちょうど良いと思いました。


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