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軸組の荷重は150N/m2で良いのか?

昔から構造計算していると、壁(両面の仕上げは除く)が150N/m2と暗記してしまっています。構造計算ソフトでもこの数値を採用している人が多いので、そうなのかぁと思っていました。
とりあえず、何の気なしに検証してみました。


こんな感じのモデルです。

上記のモデルを計算してみました。床は別、外壁と内壁の仕上げは別として
計算します。柱梁の面以内のものを加算します。m2あたりを出すための面積は、柱の中心間(910)と、横架材天端間(2700+105=2805)として計算しました。

まず、それぞれの㎥数を出します。
柱(6000N/m3):0.105×0.105×2.7×2本÷2x600kg=180N(約18kg)
筋かい(5000N/m3):0.045×0.9×2.82×2本x500kg=115N(約11.5kg)
間柱等(5000N/m3):0.03×0.105×(2.7+0.76)x500kg=40N(約4kg)
金物:15N(1.5kg)(筋かい金物2,ホールダウン2、釘他)
合計は、350N(35kg)です。柱を2で割っているのは、芯寸法だからです。

では、面積を出してみましょう。
 0.91x2.805=2.55m2
割ってみましょう。
 350÷2.55=137.25N/m2

意外と余裕がありませんね。もし四寸柱を使ったり、内部の造作が多かったら超えますね・・・。ただ、構造計算ソフトでは、外壁・内壁の重さは均しますので、開口部は余裕がありますので実際はそれなりに余裕があります。また木の重量などは重めに計算していますので、実状はもう少し余裕があるのではないでしょうか?

では、ここにグラスウールをいれてみましょう。14Kを85mm入れてみましょう。
1.2kg/m2×(0.805x2.7)÷2.55=10.5N/m2(1.05kg/m2)

はいギリギリです。恐らく荷重を作った人は断熱材を考慮していなかったのかもしれません。14Kを105にしたら
1.5kg/m2×(0.805×2.7)÷2.55=13N/m2(1.3kg/m2)
これで、ほと150N/m2です。恐らくですが、150を採用するならグラスウール満タンで150N/m2程度と考えたほうが良いです。逆にグラスウールありなし関係無く150N/m2で計算するのは良い判断だと思います。

東京デンコーの2x4壁式の計算例では、グラスウール10Kの10㎝を20N/m2としています。そのうえで、枠組の重量を98Nとしています。

インテグラルの構造EXの計算例では、断熱材100mmを30N/m2と計算しています。かなり重めに計算している感じです。グラスウールではなくロックウールでもよさそうな重量です。軸組は150で計算しているので、180といったところでしょうか?

私を含めたkizukuriユーザーも軸組の150を変更せず、外壁仕上げなどに転嫁して計算している人が多いようです。確かに軸組と断熱材は分けて考えるべきだと思います。なぜなら断熱材の厚み、種類で重量が変わってくるからです。もっとも、建物外壁にはサッシなどあり、必ずしも同じ重量ではないので、均します。そのあたりのモデル化の考え方次第で、設定の荷重は変わってきます。あくまで参考までに。

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