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適度な断熱と適度な耐震

皆様、おはようございます。年の瀬も迫ってまいりました。が、まったく年末感のない、DJしろなまずです。今年もあと少しお付き合いください。

さて、今日は「適度の」のお話。先日から耐震等級3に関して、やや否定的なことを書いていますが、決して否定的ではありません。あくまで、どんな物にも「絶対はない」ということを言いたいだけで、妄信的に信じる危険性を説いているだけです。そのうえで、今回はどれくらいが「適度」なのか?DJしろなまず的な考えを述べたいと思います。

その前に、国を挙げての政策もあり「省エネ」に関する注目が個人住宅にも集まっています。DJしろなまず的に、これも「適度が重要」だと思っています。それにより住みにくくなってしまったり、何らかの反作用が発生してしまうと問題だと思うからです。しかも耐震に比べて省エネ住宅の欠点は、まだ歴史も浅いことから分かりません。気密住宅の黎明期にその欠点が分からず、内部腐朽やカビなどの問題が多く発生したことを忘れてはなりません。先行しているからこそ注意が必要で、それがあたかも「エラい」みたいに感じるのは早計です。

個人的にやや中途半端な断熱の住宅に住んでいます。それでも過去の家と比べればかなり快適です。完全に快適な室内で住んだら、なお住生活は安心だろうな、と感じる反面、体に対する負担が逆に増えるのでは?と危惧します。というのも、室内での負担は確実に減る反面、外と内との差は広がるのです。外出したくなくなったり、外との温度差に苦しんだり、屋外イベントで風邪をひきやすくなったりするのではないか?と思うのです。「思う」だけであって、現実は違うかもしれません。今後、現在建てられている高性能な省エネ住宅(2025年の省エネ義務化レベルではなく、現在最上位の物を指す)は、まだ歴史が浅く住み続けることの体にメリットデメリットは出ていません。老人ならいいかもしれませんが、子どもはどうでしょうか?正直わかりません。

その点、今回2025年の省エネ基準は、2000年頃の基準と同等です。それなので過度な、ということはありません。しかも古い住宅から引っ越してきたら、「かなり快適」です。施工も特殊なことはありません。欠点もある程度是正されていますから、「適度」の基準としてはなかなかいいのではないでしょうか?ただ冷暖房費とみた場合は、どちらもそれなりに必要なので、その点は今後の改善・・・でしょうね。

耐震ではどうか?現在の建築基準法の壁量計算ギリギリは、建築基準法の最低の基準に到達してない可能性が高いです。そこで2025年の改正で、おそらくその基準に到達するのでしょう。しかしながら、既に構造用面材を多用した木造住宅の耐震性は、そこに至っているものが多く、省エネ基準を適合させようとすると窓も減ってくる傾向もあるので、意外にクリアしていることが多いです。もちろん変形住宅や標準から外れた建物は除きます。普通の形状の木造住宅では、恐らく2025年改正の壁量計算等の基準を、普通の設計でクリアできるはずで、あとは金物計算やバランスの検討をしっかりやり、きちんとした施工ができれば、問題ないレベルになると思われます。

としたうえで、そういったレベルの住宅と、耐震等級3の住宅と費用比較をすると、そんなに変わらないことが分かってきます。いままで、基準を適当にやってきたからこそ、差があったわけで・・・。そうなってくると「適当」の意味が変わってきます。部材などの適合性が高く、設計合理性が高い耐震等級3の住宅が、それほど価格差がないなら、それは耐震等級3のほうが良いに決まっています。そして超省エネ住宅に比べて歴史もあり、欠点もかなり解消されてきているわけなので、問題も少ないでしょう。そしてできれば、品確法ではなく、木造構造計算によるものを選べば問題ないでしょう。現在に至ってみれば、木造構造計算による耐震等級3は特殊なものではないです。事実、私の所で実際に設計している物件では、構造計算の価格がある程度かかるのは事実ですが、施工費はそれほど変わりません。これは壁量計算を行っている物件でも、構造的合理性のある設計を行っているので、それほど差が出てこない側面があります。

恐らく2025年の省エネ義務化も、それまできちんと住宅を設計施工していた会社にとっては、ほとんどコスト差はないはずです。それと同様だと感じています。もっとも「きちんと」やっていなかった会社にとっては、差違が大きいと感じることだと思います。なので、住宅を頼むときに業者選定に迷ったら、その価格差を聞いてみるのも良いかもしれませんね。小さい企業は信用出来る場合が多いと思います(しっかりやっていればの話ですが・・・)。



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