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【読書ろぐ】『彼女は僕の「顔」を知らない。』

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 いらっしゃいませ、お客様。

 せっかくnoteのアカウントを持っているので、記録してみます。
 と言っても次がある保証はございませんが。

 ろぐなのでネタバレ考慮していません。
 未読の方はリターンorブラウザ閉じることをおすすめします。

 気にしない方、既読の方はそのままどうぞ。

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【タイトル】彼女は僕の「顔」を知らない。
【著者】古宮九時
【購入日】2021年1月25日
【購入場所】通勤途中の本屋
【公式リンク】メディアワークス文庫公式ページ

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1.ねねこなあらすじ

 物語の十年前に起こった、未解決のキャンプ放火事件。死傷者を出したその事件からの生還者である感受性の強い高校生・新塚良(にいづか りょう)のクラスに、転校生の少女がやってくる。転校生こと葛城静葉(かつらぎ しずは)は他者の顔の判別がつかない失貌症であり、かつ良と同じく放火事件の被害者だった。
 良は静葉の頼みにより、同じく放火事件の被害者で同じ高校に通う江角奈々(えすみ なな)と共に事件の真相を求めて東奔西走することになる。

 これは十年前から続く、少年による少女のための愛情の物語。

2.第一印象

 どうして『彼女は「僕」の顔を知らない。』ではなくて『彼女は僕の「顔」を知らない。』なの?


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 (ΦωΦ)📖{最近肩が上がらなくてつらい)

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3.キーポイント🔑

・未解決の放火事件
・苦労してそうな主人公
・失貌症のヒロイン
・同じ事件の被害者の少女
・ヒロイン兄からのメール
・それぞれの服装
・『幸福の王子とツバメ』

4.ネタバレを考慮しない感想

 気を抜くと他人の負の感情に引き摺られて顔色の悪い良くんが、他人を顔で区別できない美少女静葉ちゃんのために奮闘します。
 協力者は隣の隣のクラスの奈々ちゃん。同じく放火の被害者であるお母さんを支えるように暮らしています。

 とてもメタな話をすると、同作者が書いた別のお話で主人公の少年とヒロインの他にやばやばな少女が出て来る異世界ファンタジーFがあって、ふたり目の少女が出て来た時点で「あれ……あ? んー?……うん……?」ってなっていました。
 なのでここで一度頑張って記憶を消します。わたしはなにもしらない。

 本編と公式あらすじでは、良くんが静葉ちゃんに捧ぐ【贖罪】の物語ということになっています。
 贖罪、罪滅ぼしです。この時点で後ろめたさめためたです。よし、ちょっと良くんジャンプしてみよう。

 この物語はキーとして、ヒロインとヒロイン兄こと葛城陽(かつらぎ よう)さんとのメールのやり取りが挟み込まれています。
 事件後、離れて暮らす兄と妹。互いを気遣うような文面のやりとりは、実はメールの相手は兄ではなく良くんが行っていて、当のお兄さんは事件後暫くして亡くなっていました。

 静葉ちゃんは良くんがお兄さんの振りをしていることを知りませんでした。
 ラスト40ページ、10年目にして、初めて彼の「顔」を知ったのです。

 まあ、メールなんていくらでも詐称できますし。うちなんて母とLINEしていると思ったら、妹が返していたりしますし。
 ましてやお兄さんがなくなっているなんて信じたくないことを受け入れるのに比べたら、生きてメールをくれていると思う方が精神衛生上いいのかもしれません。

 ですが同じ事件に巻き込まれたひとつ年上の少年が、いくら想いを寄せている相手とは言え、他人の振りをして慰め役をできるものなのでしょうか。
 それだけでなく、良くんはことあるごとに静葉ちゃんの前に出て彼女を庇う、或いは導く立場に立ちます。
 これ、健気と一言で済ませてしまってもよいのですが……ひとまず、顔色バレなくてよかったねと思わずにはいられません。

 結局のところ、放火事件はたくさんの事実を浮き彫りにするきっかけのひとつでしかありませんでした。

 良くんのひとへの恐怖。
 静葉ちゃんの失貌症。
 奈々ちゃんの親からの失望。

 しかし一度燃え上がり燻った事実は、10年に渡って被害者たち各々に翳を引き摺らせ続け……10年経って再び、激しく燃え上がることとなります。

 お気に入りは250ページの両手を差し出すシーンです。
 お兄さんとしてではなく、良くんが良くんとして声高らかに静葉ちゃんに手を差し伸べます。
 良くん格好いいぞ! 途中までこの子ラストまでにふらぁーっと倒れるんじゃないかとか思ってごめん!

 10年を経て、物語はひと段落を迎えます。
 お兄さんは既にいません。色々燃えました。
 それでも新たに手を取り合い、これからへと進むふたりの未来が明るく澄んだものになると、期待を抱かされながら幕引きを迎えることができました。

 ひとまず、人の心はまろやかにありました。
 なお、比較対象はUnnamed Memory3あたりにしておくとします。

5.おまけ(書籍購入者特典)

 作者古宮先生によるサスペンスバージョン。 


 本編8.5万字に対し、10万字の特典らしいです。
 おまけが出版物よりも文字数多いってどういうことなの。
 本編をまだ呑み込み切れていないので、落ち着いたら読もうと思います。

6.おまけ(ねねこのおすすめ)

 このお話を読んだ方へ、よろしければ次はこちらへどうぞ。

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『死を見る僕と、明日死ぬ君の事件録』 古宮 九時 著
 こちらもある意味「顔」……というよりも「僕」が重要な意味を持つお話です。これがあったから何故「僕」ではないのかと思ったのもあります。

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『水の時計』初野 晴 著
 幸福の王子がテーマの横溝正史ミステリ大賞受賞作品。
 結構有名。でも中学生だった私が知っている表紙と違う。


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 晩冬の夜明けより
 ありがとうございました。

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