K先生

今回は、K先生の話をしようと思う。
K先生は、私が通っている専門学校の社会福祉学科で、心理学を教えていた、元カウンセラーの先生だ。スラッとしていて、メガネをかけていて、とても優しい。私はその先生が大好きだった。恋愛的な意味ではなく、理想の父親として。

私は精神疾患や発達障害を患っている。その事は学校側に伝えてあって、もちろんK先生も知っている。K先生は、そんな私を心配して、月に1回、面談をしてくれていた。私にとっては立派なカウンセリングで、その時間が大好きだった。

私はK先生に陽性転移をしていた。陽性転移とは、精神科医やカウンセラーに対して、患者が今まで抑えてきた感情をぶつけることである。私は幼少期、親に満足に甘えられなかったため、甘えたいという感情をK先生に対して向けていた。K先生は、本当に私の理想の父親だった。こういうのを、父親転移とも言うらしい。
私は、K先生が大好きが故に、嫌われたくないと思っていた。本当は私の事なんて迷惑だって思ってるんだとか思って勝手に傷付いていた。わざわざ私の為に時間を割いてくれる意味がわからなくて困惑したりもした。K先生が心の支えだった一方で、K先生が原因でメンタルがボロボロになっていた。

そんな、大好きだったK先生は1年前、他の学校に移動してしまった。感謝の気持ちは伝えられたが、連絡先は聞けず、縁が切れてしまった。当時は寂しくて大泣きしたが、今では吹っ切れている。今思うと、K先生に対して相当依存していたなぁと思う。今でもK先生にとても感謝している。わざわざ時間を割いてまで私のことを気にかけてくれて、倫理綱領や面談の仕方にそっての関わりだったとしても、優しくして受容してくれた事がとても嬉しかった。K先生、本当にありがとうございました。

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忘れられない先生

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