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【エッセイ】緋色の夢

私は赤が好き。

赤は赤でも
真っ赤ではなく、
緋色が好き。

生まれて初めて購入したメダカも
紅帝という、赤い品種だった。

紅帝は番で手に入れたので
この春夏に繁殖するのかなあと
様子を見ていたところ、

オスはやる気がなく、
メスは興味が無かった。

メスは春の段階で体調不良を起こし、
エアコンのある部屋で薬浴をして回復、
した頃には、オスは暑さで星になった。

改良品種の弱さを目の当たりにし、
弱い血を掛け合わせていくよりも
一旦原種に近い遺伝子を入れた方が
良いかとも考え、生き残ったメスに
白メダカのオスを近づけてみた。
(飼い主、白も大好き)

もはや緋色の出現率より
健康で長生きしてくれた
方が嬉しいと言う飼い主の
判断であった。

しかしこちらも
お互いが無関心で
紅白が自由に泳ぎ舞う
平和な日々が続いた。

しばらく経ったある朝、卵をつけて
ぷりぷり泳いでいる姿を発見。

急いで隔離して、水草に
産み付けてくれるのを待った。

しかし、夜、仕事から帰ったら、
その卵は忽然と姿を消していた。

水草にもついていない。

・・・・食べたな。

今まで、繁殖は簡単なものだと思っていた。
実際本当に簡単だった。でも、
産んで欲しい子から卵がとれない、
なんてこともあるのだと学んだ。

緋色の夢は、絶えずして
焦らず、自然に任せて
大事に育てていこうと思う。







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