子どもの乗り物酔いの原因とその対策

なごみクリニック(横浜市瀬谷区)
院長 武井 智昭

これから夏休み。子どもと車で出かけることも多くなりますが、気になることとして、「乗り物酔い」があります。
楽しいはずの時間が、この乗り物酔いで、つらい時間となることがあります。
ここでは、こどもの乗り物酔いの原因と、その対策に関してご紹介します。

【乗り物酔いが起きるメカニズム】

そもそも、車酔いを含めた「乗り物酔い」とは、どのようなメカニズムで起きるのでしょうか。
乗り物酔いは「動揺病」とも表現されることがあり、左右上下の平衡感覚とバランス感覚の異常が起きる事により、めまい、胃のむかつき、吐き気の症状がみられます。

耳の奥に「三半規管」というバランスを保つ器官がありますが、ここに前後・左右・上下・回転するなどの刺激が繰り返されると、変化に対応できなくなり、こうしためまいに似た症状がみられます。

【乗り物酔いが起きやすい年齢】

この乗り物酔いですが、未就学児(幼稚園・保育園児など)が、起こす頻度は低く、小学校入学後、学年が上がるにつれてその割合が増加していきます。

理由としては、小児の脳の発達と関連があると言われています。3歳くらいまでは、バランスをとる小脳全体が未発達のため、乗り物などの振動への感覚は鋭くありません。

この小脳の機能が4歳くらいになると発達して、外部からの刺激に敏感となり、また、三半規管も発達してくるため、乗り物酔いを訴える子どもの割合が増加します。

【乗り物酔いを予防するには】

まずは体のコンディションを安定させることです。

車などに乗る前には空腹・満腹の状態は避けてください。この状態では、胃腸が刺激され、吐き気が出やすいからです。

前日の睡眠不足や疲れなどでも、自律神経がアンバランスになりやすくなります。

また、自家用車では、「進行方向に背を向けない」、「エアコンを止めて自然の風で温度調節をする」、「芳香剤などの匂いを避ける」ことが重要です。

バスや飛行機では、揺れが少ない前方の席を選ぶこともポイントです。

携帯のゲームやスマホなどは避けてください。

なにより、乗り物酔いの症状は精神的な要素でも悪化しますので、「乗り物酔いをしない」という自信をつけ、不安に陥らないように、親などがサポートしてあげることが重要です。

普段の生活でも、ブランコや滑り台、鉄棒やでんぐり返し、平均台などの揺れやスピードに慣れておくこと、バランス感覚を鍛えておくことも重要です。

【乗り物酔いが起きてしまったら】

自家用車であれば、まず車を止めて新鮮な空気を吸い、水分補給をしてください。

すぐに降りられない場合は、「遠くを見つめる」、「しっかりと力を入れて目を開ける」、

「シートを倒して横になる」など、できるだけ揺れによる刺激を少なくして、楽な姿勢をとってください。

【酔い止めの薬について】

酔い止め薬は、事前に飲んで予防することもできますし、酔ったときに症状を和らげてくれるものとしても使えます。

「ドロップタイプ」と「ドリンクタイプ」があり、子どもでも飲みやすい味や形状になっています。

ただし、商品によっては服用できる年齢や服用量が異なるので、

使用上の注意をよく読んでから使ってください。

【まとめ】

車酔いを含めた乗り物酔いは、小脳や三半規管の過敏性による、自律神経ので起こりますが、自己暗示の部分もあります。

乗り物酔いの対策を日常で行いながらも、家族みなさんが楽しい時間を過ごせるように、お子さんを安心させて、無理のない移動を計画してください。

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